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【その9】女と男の世界、私を見通す男が出てきた。何故、女を知り尽くした男が欲しがる

もう少しで終わりだ

今日も終わりだ。ようやく終わりだ

私は時間オーバーはしない
男たちも知っている

12時で終わり

女たちもこれでキチンで帰らせる

あとは自由だ、どこへ行こうが

と、15分前にドアが開いた

「ママ、終わり?」

先ほどの客だ

さあ、誰でも興味津々だ

どう答えるか

私が誰も特別扱いをしないことは知っている

誰かを許せば限りがない

男は誰も自分はこの店の特別でいたい

一本のボトルに破格の値段をつけられても
黙って払うのはそのためだろう

「東京から連絡がありましたので
もう少しで着くそうですから
中で待ってください」

男は自然の形で入れた

12時で終わった
が誰もが何か言いたそうだ

カウンターにいる客に興味がありそうだ
「なぜ、俺が東京だって知っていた?」

2人きりになった時に聞かれたので

「わかるはずないですよ
単なる噓です」

「なんとなく発音が違ったので
あとは身のこなしかな」

「ボトルはどうしますか?」

私もしっかりしている商売は忘れない

この客カウンターに6束置いたのだ

「ママ、精進しなくていいからね」

一難去って、また一難か

「俺は持って帰るつもりはないからね
2時間500万を蹴ったママの接待を受けてみたい」

「わかりました、
このお金で朝まで接待します」

それから、酒の肴を注文して
酒屋にも連絡をして最高だというボトルを5本用意をして
一対一で飲み明かした

一言で言ったら、
こんな楽しい酒ははじめてだった。

客は満足して帰った

あの6束に見合った接待ができた

帰り際に
「ママの男はあんたを手放なさいだろうが
別れる時があったら教えてくれるかな
本気で抱いてみたくなった」

「俺もママを遊びでは抱かない、
これは約束する」

それからはふらっとやってきた

本当に高速で通ってくれた、
で、来るときは酒の肴は用意をしてきた
12時過ぎに配達になる

ということで、この一帯の皆様は来なくなった

害虫よけには最適だった


ありがとうございました。
素人の商売は大変です
今夜も楽しい夢を見てお休みください

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