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【その12】女と男の世界、これが夜の女の生活の一面です

さあ、今夜も始まる

待ってばかりではまずい

午後、営業をかけた

電話の向こうの下心が怖い

「ママ、ありがとう
ママからは、なかなか電話貰えないからね
みんな連れてきたよ」

集団だ、きょう会議があるのは聞いていた

誰に電話をすればいいのか?

考える、ご機嫌を損なわないように
気をつかう、何時ならいいのか

で、診察時間終了はこのあたりかと

狙いをかける

この先生、毎晩のようにこの界隈にはいる

医者はもうかるのかな?
領収書は出さない、
この地域の医者が来た

これで今日は何とかなるのかな?
腹の中で考える
これが明るい時間は立派なお医者さんだと

見立てはいかがなものかな?なんてね
私はカウンターからは出ない
電話の相手はボックスには座らないからだ

男も色々だ、好きな席があるのだ
これはこれで楽しい

ボックスは埋まった
これで売り上げは決まった
ボトルも決まった

私はカウンターにグラスを並べる
ボックスからの酒だ

ここに来てからはストレートで飲んでいる
絶対に捨てない、
貰ったグラスは飲み切る

売上向上だ

自分で自分に驚く
カウンターの仕事を一人でこなしながら
酒も飲む

多分、私が一番飲むだろう
これでジルバを踊るのだ
ここはスナックではない

どういうわけか客はジルバを好む
私もジルバが好きだ
これには理由がある
それだけだ

今夜も終わる

電話が来た

待ってはいない相手からだ

時間になり終わった
みんな帰った
私も帰る

部屋に帰った
最初にやること
着物を脱いてトイレに行き吐く

これが店を始めてからの習慣になった
これで何とか身体が楽になる

電話の主が来た
脱ぎ捨てた着物を見て嫌な顔をする

お茶を一杯だけ飲んで帰る

様子見に来るだけだ

私は駕籠の鳥だ
飛び立とうとも思わない
無駄な抵抗はしなくなった

酔いが一気に回ってきた
そのまま、朝まで眠った

これが夜の女の生活です


ありがとうございます。
今夜もよい夢を見てお休みください






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