見積もりソフトの塗装材料費
自動車鈑金塗装業界(車体整備業界)が抱えている問題の1つである、塗料代(材料費)についてお話をしていこうと思います。
コロナウイルスが世界的に蔓延し、ロシアとウクライナの戦争や円安が原因とされる塗料を含む、日々の業務に不可欠な材料費の高騰は、経営を圧迫する要因の1つに過ぎず、過去に私達が行ってきた丼ぶり勘定感覚での価格提示では賄いきれなくなっています。
時代の移り変わりにより、お客様に対しての作業内容と価格の説明においても、到底根拠のある説明や価格提示は不可能です。
そして、この業界の問題点は材料費の全てを仕事を完結させる為の経費という感覚であり工賃に含んでいることが普通。となっている事が大問題です。
塗料やその他の材料費の全ては部品代と同じ性質を持っているものであり、工賃とは切り離して考えなければなりません。
今まではお酒を提供する会社と同様に水物に近い扱いをしなければならなかったのは、私達が使う材料とはメーカー希望小売価格の設定の無い材料であり、尚且つ正確にその原価を知ることが出来なかった為に現在の仕組みに成ってしまっている事は否めません。
2022年2月より、弊社では塗料代の原価計算から請求に至るまでのシステム化を目指し取り組んでおり、2023年3月中旬~4月初旬に特許出願予定となっています。
そして、2023年6月1日にシステム公開予定で、順次サービスの拡充を予定しております。
このシステムで計算すれば現在の塗料原価が1円単位で把握でき、現在この業界の常識と成っている見積もりソフトでは90%以上の確率で原価割れを起こしている事が明らかになります。
例えば、赤色のソリッドの見積もりでは塗装工賃(レバレート6700円の場合)の12%が材料代に設定される事が一般的であり、この計算の方法で2022年12月時点での原価では36.5%の材料代比率により、ようやく原価に到達します。因みに、レバレート8000円では31%、レバレート10000円では25%でようやく原価割れを起こさない価格となります。
そして、塗料は部品であり、商品だと考えれば利益が発生することは当然です。この場合、上記のレバレート6700円の条件で72%に当たる価格をを材料費として弊社では請求し、しっかりと納得して貰った上でお支払い頂いています。
本当に?と思われる方もおられると思いますが、アジャスターさんは値踏みばかりする私達の敵ではなく、レシート代わりになる明細書を提出することでしっかりと交渉に応じてくれます。
これは一例であり、全ての塗色にこのパーセンテージが当てはまる訳では御座いませんのでご注意ください。
前述は保険協定を例えにしていますが、もっと問題な事は、この見積もりソフトは対保険会社の為だけに使っている物では無い。という事です。
このシステムの営業をするにあたり、内容を説明する前に「もう対策済みです」や「原価管理も出来ています」や「しっかりと貰っています」と門前払いという事が希に有りますが、私には保険会社がソリッドの材料費に対して根拠のある交渉が出来ていなければ上記の材料代比率で協定してくれるとは到底思えません。
厳密な原価管理が出来ていないからこそ、しっかりと貰えていると思えているだけではないでしょうか?
ただし、システムの核心まで聞いてくださった多くの方は興味が止まらず3時間以上も話が終わらないことがほとんどです。
営業が本職では無く苦手な私にとって世の中に必要とされるシステムだと実感出来ることが多々有りますし、早くリリースして欲しい、普及率を上げるようにして欲しいとのご意見を頂けるシステムとなっています。
今後も物価上昇が続く事が予測される事を考えると知らなかったでは済まされない部分ですが、今までは厳密な原価を計算する仕組みが無かったので仕方ないと思います。これからでも遅くないと思いますので健全経営に役立ててみませんか?
次回以降、詳しくお話する機会を作りたいと思いますが、高額なリース料金を払っている見積もりソフトを使っているだけで赤字を垂れ流す原因となっている事が判ってきています。
2023年6月1日 公開予定2023年7月1日 発売予定
自動車補修用塗料価格計算システム ペイテム
月額3300円~(税込み)のサブスクリプションでの販売を予定しています。