渋谷は人間のエコジャングル。
久しぶりに渋谷を歩いて、私の自然の先生とも話してハッと気がついたこと。
屋久島の大自然から学んだ最も大切なことは、地球上の全ての生き物は水の循環のお手伝いをしていると知ったことだ。
それは人間も生物であるかぎり同じで、水を飲んで運び、排泄し、呼吸して移動して空気を動かし、循環していることを心地よいと感じるようにできている。
自然は淀み(よどみ)とか滞りを嫌う。
通したり、振動させたりして停滞を解消する方向に働く。
例えば淀んだ水溜りには、ボウフラがわいて水の中でダンスしてるし、蚊やハエたちがブンブン飛んでその場の淀みを散らそうと頑張ってくれる。
もちろん本人たちはそんな意識はないとは思うけど、結果的にそういう働きになっているところが自然の素晴らしさだ。
渋谷はその地名からもわかるように、大きな谷地である。
風も抜けにくいし、流れてきた水が抜けられずに溜まってしまう地形をしていて、汚れやすく淀みやすい場所である。
たぶん最初は虫や動物たちが風や水を通そうとして頑張ってくれてたはず。
でも谷が深くて大きくてなかなかうまくいかなかった。
そこで登場したのが人間である。
モグラのようにバンバン地下道を掘って土中に空気を通し、
スクランブル交差点では毎回千人もの人が谷の空気を散らして、
昼も夜も眠らず地面に振動を与えながら行き交う。
路地裏の繁華街では大騒ぎして空気を震わせ、
バンバン建てられる超高層ビルは上空の綺麗な空気をビル風によって地上にもたらしている。
これは他の動物や虫たちにはできなかった所業だが、自然界の微生物や虫たちがやっていることの相似形にすぎない。
これは生き物としての人間の本能なのだと思う。
よく、東京はコンクリートジャングルと表現されるけど、文字通り、人は「まんまと」自然の循環の摂理のとおりに働かされてるだけなのかもしれない。
「人は地球に棲む微生物である」というのが菌築家の私の視点。
自然の摂理を学び、観察する力がつけば、どうすれば地球のお役にたてるのかがわかってくる。
よく「自然に良いことをしたいけど都会ではどうすれば良いかわからない」という質問されるが、渋谷で楽しくお買い物すれば良いのかもしれない笑
よく見ると、渋谷にもちゃんと菌たちが根付いていて、猿の腰かけというキノコが育ってたり、地面に菌糸が広がってたり。立ち止まってみると、私たちはちゃんと自然のなかに生きている。
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