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【おうちで漬物・保存食】#29 秋の食材・あけびを味わう(2)〜天然酵素を豊富に含むあけびの甘い実の部分を使ってきゅうり漬け、きゅうりと茄子の辛子漬け
大人にとってあけびは皮を味わうもの。だが種が多くて食べづらい甘い実の部分にも活用法はいろいろある。
代表的なものがこのあけびのきゅうり漬け。写真は昨年試した際のもの。
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甘いあけびの実で漬物と聞き、最初は砂糖代わりの甘みが目的かと思ったが、どちらかと言うとあけびのゼリー状の果肉に含まれる天然酵素が旨味を生み出すためらしい。確かにあけびには、皮膚の弱い方はかぶれるかも知れないぬるっと感があり、乾くとパリパリする。瓜系の野菜や果物(ハヤトウリやズッキーニ、パパイヤなど)に多く含まれるタンパク質分解酵素とよく似た特徴で、おそらく近いものだろう。
私はズッキーニもハヤトウリも食べるのは大好きだが、切断面から出る汁に触れると手の甲の皮膚がかぶれたり、指紋が一部なくなったような感じになるので調理時は極力断面に触れないよう気を付けている。特にハヤトウリは酷く、洗っても不快感が拭えず数日違和感が残った。
それに比べるとあけびの実はさほど強力ではないものの、長時間触ると近い症状が起こるので注意。まあ、それほど天然酵素が豊富だということで、野生の植物って強いですよね。
漬け方は至って簡単。
乱切りにしたきゅうり2本とその3~5%程度の重さの塩、あけび1個分の実を保存袋に入れて袋の上から揉み込み、冷蔵庫に入れて半日~1日程度から食べられる。2日ほど経ったぐらいが、より漬物っぽい味になって美味しい。
但し、この低めの塩分だと日持ちしない(冷蔵保存で5日~1週間程度が目安)。本来はあけびの実と塩の配合を調整して漬け床をつくり、野菜を漬け込むものかも知れないが、そこまで試していない。大根を漬け込んでもなかなか美味しいし、にんじんも美味しいかも。
ただ、この漬け床は割と飽きが来る味でもあるので、今年は辛子漬けの砂糖代わりに使ってみた。基本レシピは過去エントリのこちら。
この砂糖をあけびの実に置き換えて漬けてみた。
具体的には以下の分量。きゅうりと茄子は分量の塩で揉み、軽く水気を絞ってから調味液と合わせて冷蔵庫へ。
・きゅうり:2本(計210g程度)
・茄子:大きめ1本(190g程度)
・塩:15g(漬け材料の3〜4%)
[調味液]
・和からし(粉末):12g
・砂糖代わりにあけびの実(種ごと):60g
・醤油:大さじ2
・酢:大さじ1
・みりん:大さじ1
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味がなじむのに、砂糖使用時よりもやや時間がかかった。砂糖を使った通常の漬け方の場合、6時間程度で味がなじんで美味しく食べられるが、あけびの場合はまる1日以上経ってようやくなじんだ感じ。
こちらが漬けた当日、約8時間後の状態。まだ味が大分固い。
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1週間経つと、漬けたてとは別物。ちょっと古漬けっぽい旨味も感じる。
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この頃になると辛子はほぼ抜けて、漬物らしい風味になっている。
もしかしたら、この漬け方の場合は最初の塩漬けと水抜きを行わず、最初から漬け材料と調味料をすべて保存袋に入れて一度漬けにした方が、早い段階から美味しく食べられるかも知れない。
なお、この場合も日持ちは砂糖使用の場合よりも短い。砂糖使用だと冷蔵保存で2週間程度美味しく食べられるが、あけびの場合は10日ほどで酸っぱくなる。これも酵素の働きだろう。酸っぱくなっても他の漬物と同様、炒めると美味しく食べられるので、最後まで残さず味わいたい。
この古漬けっぽい風味は、個人的には悪くなかった。
よくパパイヤやパイナップルの酵素が肉を柔らかくする働きがあると酢豚やハンバーガー、ステーキ等に使われるが、あけびにも似たような効果は期待できるのかも。但し、あけびはとにかく多い種を除かねばならないのが難点で、野生の植物は自身を守るためにさまざまな進化を遂げているのだなと改めて感心する。本当に種が多いんですよね…。
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でも今年はその種を頑張って取り除き、念願のジャムにしてみた。たいへん美味しい。
そのお話はまた別投稿で。