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棟札を見て自分の仕事適正を知る

公開していた歴史的建造物を見に行った.

展示資料の中に、棟札(むなふだ)があった.


棟札(むなふだ)とは?

建物の屋根裏空間内に取り付けた「お札」です.
お札は、新築した際に「繁栄や安全を祈願する」
目的で用意され、上棟式で祈願されたのちに
取り付けられます.
建物の規模に問わず、戸建て住宅の屋根裏にも
多く取付けられています.
お札に書かれているのは一般的に
・神様のお名前
・建築主名
・上棟した日  
ですから、「いつ・誰が建てた」がわかります.

例えるならば・・・公園などで見る石碑のようなイメージです.


明治時代の建物・・・

さすがに歴史的建造物、棟札もデカい!
デカいだけに、工事に携わった方々の
役割や氏名も詳しく書かれていました.

まず建築主取締役や役員の名前がずらり

そして、工事職種の中にも今は聞きなれない
木挽職 〇〇 〇〇
石工職 〇〇 〇〇
諸鐵物方 〇〇 〇〇
泥工職 〇〇 〇〇

をはじめ、

一般の方でもイメージしやすい
大工職 〇〇 〇〇
建具職 〇〇 〇〇
鳶職 〇〇 〇〇
塗職 〇〇 〇〇
屋根葺職 〇〇 〇〇
煉瓦職 〇〇 〇〇

など、表と裏に分けて多くの立場と
名前が書かれていた.


その中でも聞きなれない職種である
「工事世話方」が印象に残った.
私のキャリアで一番親近感ある職種
だからだろうか.


工事世話方とは、工事世話人のこと.
各工事職人へお茶菓子を出し慰労する人ではない.
現場監督とも違う.
実際、棟札には現場監督〇〇 〇〇が
別に書かれている.


今に置き換えるなら「マネジャー」が
近いだろうか・・・
各職工や作業員を指揮統括する人のことだ.
各工事職種のまとめ役である為、
大工職など多くの工事職種の前位に、
そして、各工事職種より多く明記されていた.


私は思いにはせる・・・・


歴史的建造物の目に見えるカタチよりも、
この新築現場で携わった多くの職人と
当時どんなやりとりを世話人がしていたのか
その日々をのぞけるものならのぞいてみたい
好奇心にかられるからだ.


私は自分をマニアックだとも思う.
おそらく建築業界の方々でも同じものを見て
思いはせる人は果たしているだろうか?


カタチに至るまでのプロセスでおこる
人と人との生臭さや生々しさは
建築に限ったことではなく、
どんな仕事にもあるだろう一方で
カタチを完成させるまでの
「始まりと終わり」そして
「関わる人との日常」
が明確な節目があることが、
私が建築業界で仕事を続けてこれた
理由のような気がしてくる.


私は、始まりと終わりがあいまいな業種の
マネジャー役は無理だろう.


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