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人間の知覚の性質
こんにちは、AsianSTです!
今回は『人間の知覚の性質』をテーマにお届けします!😊
「知覚」と言う言葉は、多くの人に知られていると思いますが、
説明となると「ん??」となる方も多いのではないでしょうか?
調べたことがある方はすでにご存じかもしれませんが、
知覚とは外から受けた刺激を意味づけするまでの過程
のことを言います。
ここで疑問が生じるかもしれません。
それは、知覚と感覚はどう違うのか?
という疑問です。
お答えしますと、感覚は
外からの刺激を、感覚受容器というもので
受け取り、神経を通って脳に伝えられること
です。
感覚には、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの五感が
あることがよく知られています。
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そして五感は、外からの刺激を受けて感じ取るものです。
こういった様々な感覚は
脳の発達、脳内の神経ネットワークを作って
いく意味でも、非常に重要です。
人間の脳が育まれていくには、栄養と感覚刺激が必要だからです。
しかし、人間の感覚はそれだけではありません。
運動感覚や内臓感覚、平衡感覚のように
自分の身体に関する感覚もあります。
運動感覚は、身体の筋肉・関節周囲・皮膚などに存在する
感覚受容器を通して感じる感覚ですし、
内臓感覚は、空腹感、喉の渇き、吐き気などが
自律神経を通して感じられる感覚です。
平衡感覚は身体の位置や回転運動などを感じ取る感覚
になります。
一方で知覚ですが、
知覚は、外界から受け取った感覚刺激を意味づけすること
になります。
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それは、
自分にとって必要な刺激を選択して取り入れる
ことも意味します。
例えば、ある風景が目の前にあるとすると
見えている風景を写真のように、そのまま脳に取り入れる訳ではなく
その人が見たいと思っている部分(例えば風景の中にみえる車など)を
風景から選択して注目することで、それが知覚として脳内に反映されます。
その人にとって、必要のない部分は忘れ去られ、
必要な部分が頭に残ります。
その知覚には下記のように3つの普遍的な性質があります。
①全体から部分へ知覚は進む
②能動的に知覚できるのは常に一つ
③際立った要素ほど知覚しやすい
①は、例えば「出かけようよ~」であれば
言葉の抑揚全体が知覚されてから、細部の音(で、か、け、よ、う等)
の知覚に進みます。
これは、幼児が言葉を獲得していく時とも重なります。
②は、自ら気づくことができるのは
常に一つで、同時に二つ知覚することは
できないということを意味します。
③は、目の前にある状況があるとすると、
その中で際立ったものほど知覚しやすくなるという性質です。
例えば、ただっ広い平地の中にぽつんと高いビルが建っていたら
そのビルに自然と注意が向いて知覚しやすくなります。
言葉についても例えば、「おーい」と言う言葉を
聞かせたい時にただ「おーいおーいおーいおーい」
と同じ言葉、同じリズムの言葉を繰り返して
聞かせることは効果的とは言えません。
そこに短い「おいっ」という別の要素をもった
言葉を加えることで
「おいっ、おいっ、おいっ、おーーい」
となり、「おーーい」の長さの要素が際立って
聞こえるため、より知覚しやすくなります。
こういった人間の知覚の性質は
言語の訓練にも活かすことができますし、活かすべき
と考えています!
それでは今回も最後までお読みいただき
ありがとうございましたm( _ _ )m
それではまた次回お会いしましょう(*^▽^*)!
【参考】失語症のリハビリテーション~全体構造法のすべて~第2版