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医療保護入院


主治医から「入院」という言葉を聞いたのは実に2年以上ぶりでした

最初は
処方薬の過量服薬をして
外で飛び降りようか?車に轢かれようか?
朦朧として寝転んでいるところを
通報されて
救急車と警察に保護されたのがきっかけ

「どうしたらいいか、教えてあげようか?
死んじゃうか?治療することだね。
….入院して」

この時は一度入院を決めたはずなのに
本人が少し冷静を取り戻したら
断固として拒否
そうすると医療保護入院という形態になるんです
この時、本当に悩みました
人生のなかで一番悩んだといっても過言ではないくらいに。

入院という治療が必要なのもわかる
しかし、どうしてもどうしても
結果的に彼に嘘をついて
入院をさせることが出来なかった
あなたを生かす為にしょうがなかったと
後にわかってもらえれば憎まれてもいいと思ったりも
したけれど
それと入院をキャンセルしたら
もうここでは診てもらえないのではないかという心細さ
ほんとうにどうしていいか途方に暮れる毎日でした

主治医の条件は
それなら、きちんと薬を飲んで週一回通うこと
そういう気持ちになっても行動にうつさないようにすること。

必死でした
起こすのに一時間もかかり
時に暴言を吐かれ
それでも車に乗せて
通いました

「入院しないで良くなってきて本当に良かったねぇ」

こんな言葉を聞いた時にはとても嬉しかったです

薬は全て私が管理して欠かさず飲んでもらう
病院に連れて行く
これはそんなに難しいことじゃないんですが
本人の生きづらさっていうのはそんなに簡単に解決しないんですよね

自傷行為に善悪も無いと思いますが
アームカットよりも
ODの方がより危険を伴う
前回、ODをしてしまったことから

「先生いつもすみません。
とっくに入院になるはずなのに」

「今日また状況が悪そうだったら入院してもらおうと思ってたんだよ」

と久しぶりに言われました

息子よ
入院は自傷行為の罰としてさせるわけじゃなく
こらしめるわけでもなく
あなたを守る為に仕方なくなんだということは
わかってほしい

医療保護入院の了承を
親がしなければならない時が
この先もまたあるかもしれない

本当は
入院して一時的に自傷行為が出来ない状況を作ることが
目的じゃなくて
そういう気持ちになっても
我慢とか切り替えを出来るようになることを
外来で目指していきたいのが
本望なのだ

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