見出し画像

自動車の運転

☆-HIRO-☆ page.52
2024年8月18日(日)

一時は扇風機を回しても、温風しか吹いて来なかったが、いつしか涼風を感じるようになったこの頃…それでもまだ日中の暑さにはグッタリとしてしまう。このところ、何もする気が起きず、無為に時を過ごしていた。皆様におかれては、元気でお過ごしでしょうか。
残暑お見舞い申し上げます。

怪談話しの方もネタが思いつかず、日常で怖い思いをした事を書いてお茶を濁そうかと…

最近はもうほとんど運転してないが、車の運転は好きだし得意な方だ。決して飛ばし屋ではないが、普通の運転であれば人並み以上の腕はあると思う。

それでも数十年の運転経験でヒヤリとした事は幾つかある。そんな出来事を2-3上げてみよう。

もう30年ほど前になるかな?…
九州に来てまだ間もない頃、当時は仕事で佐賀、長崎、下関、北九州、大分、鹿児島と各地を自動車で移動していた。担当してなかったのは熊本と宮崎だった。当時は九州の自動車道も長崎道以外は一部開通しておらず、途中下道での移動だった。

鹿児島ヘ行く時も途中、八代(熊本県)で高速を下り、えびの(宮崎県北西部)までが下道だった。
途中、熊本の人吉という所に“ループ橋”というものがあった。急峻な峠道をスムーズに登って行けるよう、道がグルリと螺旋状に上がっていく構造だった。

ある時、確かもう夕刻過ぎで辺りは暗くなっていたと思ったが、ループ状の坂道を登っている時、右側のガードレールが一部壊れていた。まだ出来たばかりの事故跡のようで、応急的にロープが張られ、赤い布が風になびいていた。
それをひと目見てゾッとした。おそらく地上まで50mは裕にあるだろから、多分死亡事故になっただろう。思うにスピードに興じた者の無謀運転の結末ではなかろうか。
ガードレールを突き破り、死のダイビングに飛び出した時の心境を想像すると恐ろしく、眠気も一気に吹き飛んだ。


大分自動車道を走っていてヒヤリとした事。
鳥栖ジャンクションを越えて、まだ朝倉(福岡県)のあたりを走っていた時だと思う。いい天気で道も真っ直ぐ、100km/h前後で快調に走っていた。
前方の上空ではトンビが風に乗って止まって見えた。そして車がその下に差し掛かろうかという時、トンビが急降下して目の前に下りてきた。道路上になにか獲物でも見つけたのだろうか。
予期せぬ出来事に驚いてフルブレーキ。トンビも獲物に集中すると、回りの状況は見えないのだろうか。その後トンビは何事も無かったかのように空に飛び上がっていった。全く呑気な奴だ…一瞬の事にドキリとさせられた。

次に長崎自動車道での出来事。これは怖い思いと言うより“しまった!”と思った事。
単調な高速道路に飽きて、少し眠気を感じ出した時、後ろの乗用車の動きでピンときた。いわゆる「覆面」と思われる。
こちらが追い越し車線に出てスピードを上げると、付かず離れずに付いてくる。こちらは…いつもそうだが…追い越し車線を我が物顔で飛ばして行ったりはせず、前の車を抜いたらすみやかに走行車線に戻りスピードを落とす。覆面君は間に一台挟んだり、適当な距離をとって付いてくる。どうやら目をつけられたようだ。
まあ120km/hを超えなければ止められる事はないだろう。走行車線では100km前後、追い越しをかける時も120kmには達しないように注意して走った。
どこまで付いて来るか、からかい半分に楽しんでいた。しかし覆面君も暇なのかいつまでも付いてくる。飛ばす車が来てそちらに鞍替えしてくれればいいのだが…そんな事も起きず、少々飽きてきた。
この先トンネルがあり、そこを出て少し行けばSAがある。そこで休憩してやり過ごそうと思った。
トンネルに入ってバックミラーを見ると覆面君は一台挟んで後ろを走っている。今なら計測もできまいと思い少しスピードを上げた。
トンネルを出ると覆面君はピタリと後に付いている。
メータ―を見ると…しまった!120kmを超過している。トンネル出てから下り勾配だったようだ。
覆面君が誇らしげにフロントグリルの中の赤色灯を付けている。
素直に路側に停車する。
青い服にヘルメット姿の高速隊員が近づいてきた。
「気を付けて運転してるようだけど、ちょっとスピードが出てますよ。速度超過の事故もありますから気を付けて貰わないと…」口調は穏やかだが目つきは鋭い…そこはやはり警官だ。
「あっ済みません…トイレに行きたくなって…ついスピード上げちゃいました💧」
「無理せず安全運転でお願いします」…どうやら覆面君の後部座席にご招待はなく、警告だけで放免してくれるようだ。まあずっと付けて来て監視してたから、悪質な違反者ではないと見てくれたのだろうか…

最後はまだ免許を取って2-3年頃の話し。一般的に、この時期は運転にも慣れが出てきて事故を起こしやすいと言われている。
自分もちょうどその頃に事故を起こした。場所は首都高速池袋線の下り。確か雨は上がっていたが路面は濡れていた。
北池袋には右側からの合流があり、自分は左車線を走っていた。
車間距離は取っていたし、それほどスピードも出していなかった。
前の車のブレーキランプが点き、こちらも軽くブレーキを踏む。すると前の車がいきなりくるりと反転し斜めになって止まった。慌ててブレーキを目一杯踏み込んだが…スピードが出てなかったとは言え、いきなり目の前で事故を起こされては堪らない。首都高は路側帯も無いので、もう真っ直ぐ進むより他にない。流れていたのが急に0km/hになるのだから、停止出来る術はなく、あえなく追突した。
右を走っていた車が合流車を避けようと、よく確認せずに左に割り込んだ結果だろう。
車を下りて、右から割り込んだ車にボロクソに文句を言いに言った。
「なんでよく見ないで車線変えるんだ。合流があったらまず減速だろうが」
「いや、車が急にスピンして…」
「嘘をつくな。そんなスピンするようなスピードでは流れて無かっただろうが…」
前の車の運転手は大した事なさそうだが頭を打ったらしく救急搬送されていった。自分はギリギリまで減速した上での追突だから体にダメージは無かった。
交機が来て「これは第一の事故とあなたの車が起こした追突という2つの事故になります。前のお父さんが自分が悪かったので自分が修理とか全部責任を取りますと言ってるけど…警察はそこには関与しませんので…後でよく話しあって下さい」
自分がその前にエライ剣幕で詰め寄った時にもそう言っていた。
次の日電話してみると…「そんな事言った覚えはない」とスッとぼけていた。入れ知恵があったのか、なかなかの狸親父だった。
まだ若くて、鼻息も荒い頃の話し。

以上、真夏の怪談まつりに添えさせていただきます。


#真夏の怪談まつり2024


いいなと思ったら応援しよう!