雷保護設備の改定 JIS Z9290-3-2019

簡単ですが、雷保護の改定について触れます。
システムの詳細や技術内容についてはメーカーサイトの方がより詳細に掲載されているので、ここでは設計としての留意点を抽出します。

まず、これまでの旧JIS、新JISは廃止になります。
全てJIS2019での対応となります。
経過措置は以下となります。
2025年3月末まで申請許可且つ2026年3月末までに着工…施行前の現行JISで対応可能
2025年4月1日JIS2019施行
以降JIS1992、2003での申請不可

概要
・側雷範囲の緩和
75m以上の建築物において、JIS2003は60m以上の建物に側壁受雷部が必要でしたが、JIS2019では上部から20%の範囲に側壁受雷部を設ける。
高層建築物において20mを超える下階部分がセットバック(部分的に屋上になっている)している部分は受雷対策が必要(上部から20%範囲外でも下階に屋上があれば、その部分を保護する)
引下導線の間隔が短くなった


・既存の建築物の改修
既設建築物の大規模改修、大規模模様替(確認申請必要案件)はJIS2019への改修が必要
突針部及び縁部強化を実施することで、側壁への受雷部設置は不要
所定値より長い引下導線は安全離隔距離計算を行い、火花放電に対する離隔距離を確保する

メーカー作図依頼の際に留意頂ければ幸いです。
以上となります。

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