朝の十分作文✏️救済
父親の声はよく通る。
そしてよくしゃべる。
長電話はしょっちゅう。
ラインもピロピロ、
ご近所さんともよく
べちゃべちゃ
しゃべくっている。
🔊
近隣に住むおじいさんは
耳が遠くなってしまったが、
補聴器が合わず
機械を使わず、
孤独に過ごしておられると、聞いていた。
ところがある時
私は
我が父親と、そのおじいさんが
普通に会話を
楽しんでいるところを目撃した。
後々、両親がいる所で、
彼はは耳が良くなったのかと
尋ねると、
父親は言う。
「お父さんの声は
よく聞こえるんだって。
病気で耳が悪くなったNさんも
電話でお父さんとは
普通に会話できるって言ってた。」
私「え。なんで?
お父さん、神様なの?」
と聞くと、
母親が片腕を胸に置き
もう片腕を広げて
「わたしは
今、
あなたの心に
話しかけています」
と、何神様だか知らないが
真似をしてきた。
🔊
話し好きの父。
どんな状況の人とも
会話ができて、
お話ししてもらえて
よかったね。
耳が聞こえづらくなってしまった人は、
孤独が薄れて
ひと時の会話を
楽しめたのかもしれない。
でも事実は逆だ。
母に
「ホンッットによくしゃべるよ。」と
飽きられているので
救われているのは父親だ。