「女なんだから、どうせサッカー弱いんだろ?」
「女なんだから、サッカーするなよ」
「女なんだから、どうせサッカー弱いんだろ?」
私が初めて受けた性別による差別は、
小学校時代に属していたサッカークラブの合宿日だった。
2泊3日の合宿。
子どもは、全員で30名程度の合宿。
男子が圧倒的に多く、
女子は私を含めて、2~3名程度だったと記憶している。
私が属していたサッカーチームの人数は、
全員で15名程度と少なく、特段の差別を受けることなく、
楽しくサッカーをしていた。
そんなチームがいくつか集まっての合宿だった。
合宿の2日目、ランダムに組まれたチームで、
練習試合をすることになった。
練習試合が始まる直前、
同じチームとなった初対面の男子から
「女なんだから、サッカーするなよ」
「女なんだから、どうせサッカー弱いんだろ?」
と言われた。
その言葉を受けた時、
私は瞬時に怒りを感じた。
が、何も言い返せなかった。
その男子の言葉の因果関係は置いておいて、
事実、私はサッカーが弱かった。
事実だから、言い返せなかった。
試合中にもミスをするたびに、
あの男子の笑い声が聞こえた気がした。
が、「論理的におかしい」とは、はっきりとわかっていた。
その言葉を言われた年齢は、確か8歳くらいで、
合宿後も胸に悔しさを刻みながら、11歳くらいまでサッカーを続けた。
幸いにも、その後、同じような言葉を言われることは、なかった。
結局、うまくはならなかったけれど、
サッカーボールを追いかけたり、
胸を高鳴らせながら試合に出たり、
本気でボールを取り合ったり、
チームメイトから「本気でボールを取り合えるのはお前だけ」
という嬉しい言葉をかけられたり、
色々な経験ができて、楽しかったように記憶している。
あのときの男子は、どんな人間に成長しているだろうか。
そして、私は、あのときにどう返せばよかったのだろうか。
女子サッカーを見るたびに、
「彼女たちもこのような発言を受けてきたのかもしれない」
と想像する。そのたびに彼女たちに敬意を覚える。
差別の言葉をのたまうより、
改善案を助言できるような人になろう
と強く思った。
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