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看取りから学ぶ①

↑ ツユクサの花言葉は「尊敬」


母が亡くなり今月で一周忌を迎えます。

同居の母は認知症はなかったため
要支援2でした。

心臓に持病があったこことと
骨粗鬆症があったため、見守り介護1年。
その後、看取り → 葬儀 → 相続手続き → 墓継承
そして今、1年経ったところです。


急な余命宣告

昨年1月
母は87才でコロナに罹患しましたが
大事に至らず、治った…ように見えました。

母のちょっとした体調の変化に
神経を使う緊張の日々が過ぎ、

なんとなく落ち着いてきた日常は
またこのまま続いていく、と
思っていた矢先
事態は、まさかの急転直下となります。


どこにも痛みはなく、
ただ、血液循環がわるいため手足が冷たく

3月終わりごろから、
「お腹が冷えている」と
循環器の主治医から薬をもらって
凌いでいました。


5月になると、お腹を下す間隔が短くなり
下旬には、
食も水分も摂れなくなり下血。

すぐ病院に行ったところ、
栄養不良と貧血が悪化しており、即入院。

持病の心臓には問題なく
胃カメラで検査したところ…

進行性胃がん末期ステージ4
大腸にも大きく転移
持ってあと3週間…


という、診断と余命宣告を受けました。


本人への告知…

母は、
「老人性」というのもあると思いますが
不安症で不眠症でした。

なんでもわるいほうへグルグルと
考え混む性格だったので

入院して環境が大きく変化したところでの
この告知は、
母は受け止めきれないと思い
医師には
「告知しない」と伝えました。


束の間の会話

入院という、大きく環境が変わり
不安もある一方で
母は安心もしていました。

この病院はとても居心地がいい、と
初めのうちは…気に入っていました。

とはいえあと3週間。


この3週間に
人はどうなるのか、どうなっていくのか
この時点では、
まだ私には想像ができなかったので

とにかく、
母に残された少ない時間は
会いたい人に会わせよう、と思い立ち
その日から、あちこちに連絡しました。

1日に15分、2人まで、という
面会制限のある中で
土日は私たち家族の予定を入れ、
月から金の間の予定を、精力的に立てていきました。

母も「明日はだれが来る?」と楽しみにしていて
「面会の行列ができちゃうかもね」なんて
冗談も言えるほどでした。


意識混濁

それも2週間が限界でした。

3週間目からは、会話にならず
私を認識することもできなくなりました。

死ぬって大変なことなんだな

目の前の母をみてそう思いました。

何かに抗うように
意識が混濁しているのに

苦しいから酸素呼吸器をはずそうとし、
動けないはずの腕や足やお尻を少しずつ動かし
オムツをはずし自分でトイレに行こうとする…

その壮絶な姿に…
母の最後の尊厳だったのか。。

意識下なのか、無意識なのかも
わかりません。



看取り

毎日、病院には行っていましたが
意識混濁してから動きが多く
夜中にベッドから落ちそうになるくらい
動いていたことがあり、

夜中も付き添ってください、と言われました。

私以外にできる人はいないので
結果的に、私が最後まで付き添いました。


鎮静剤を投与してもらい、
やっと頭の中のグルグルが落ち着いたようです。

ようやく
穏やかに冷静になった母になりました。

夜中、母にテレパシーで話しかけたり
いろいろな記録を残しつつ…


日中は人手が多いので
家に戻っていましたが、
急に「母に言わなきゃ」と思い立ちました。


告知

静かな午後の明るい病室で
母と2人でした。

母は耳が遠くて、人の声は聞き取りにくかったですが
私の声だけはよく聞き取れます。

…胃ガン末期であること、
…大腸にも大きく転移していたこと
…ガンのせいでお腹が緩くなっていたこと。

眠っている母にそう伝えたところ、
びくびくっと、身体全体が揺れました。

聴こえたんだ

と思いました。
なので、ゆっくり何度も
同じことを言いました。

お経のように繰り返し聞くことで
自分で受け止め、自分で咀嚼してね、と。
私にはそれしかできない。
母なら納得できるはず、と。


それから、しばらくして
看護師さんがやってきて、母を間に挟み
その話をしました。

「さっき、母に告知して
胃ガン末期だよって言ったら身体がビクビクって
してね…」
と話していたら、
また、ビクビクっとしました。


私が母に話したときの、1回目のときは
・・・え? まさか私が胃がん? うそ!
という母の感覚が伝わってきましたが、

看護師さんに話している2回目のときは
・・・やっぱり本当なんだ…
と私には伝わってきました。


長くなりましたので
続きはまた次回にします。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。





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