閑話休題「健全な食生活とは」
世の中には無茶苦茶にしか見えない食生活を送っていながら何故か病気一つせずに元気な人が居る一方で、健康の為なら死んでもいい的な感じの人に限ってホントに早死にしたりもします。
つまり健康やそれに付随する食生活に関する「一般論」というのはあくまで一般論であって万人に当てはまるものではないと言う事になります。
以前読んだ本に面白い事が書いてありまして今でも覚えているのですが、パプアニューギニアのジャングルで生活する先住民の人達は今でもほとんどタロイモと呼ばれる芋しか食べないような極端な食生活をしているそうなのですが、ここで暮らす男性は例外なく筋骨隆々とした素晴らしい体をしているそうです。
これは私も子供の頃に放送していたテレビ番組で見た記憶があります。確か番組名は「驚異の世界」だったと記憶していますが、とても胸板が厚く腕っ節の強そうな男達が蒸し焼きにしたタロイモを美味しそうに食べるシーンを覚えています。
何故炭水化物ばかり食べているのにマッチョな体を維持出来るのかというと、近年の研究で腸内細菌叢の働きが大きく関わっている事が判明したと先の本に書いてありました。
つまり同じ物を食べても、それを栄養に出来るかどうかは人の腸内に暮らす細菌達の種類やバランスによるという事です。
最近は「痩せ菌」などという呼び方で特定の腸内細菌を増やしてダイエットする方法などが宣伝される様になりましたが、痩せ型の人の腸内細菌を肥満体の人に移植すると実際に痩せるそうなので、結局太るも痩せるも全ては腸内の細菌達のなせる技なのかもしれませんね。
だとすれば厳しい食事制限をして痩せる必要などないわけで、将来的には「痩せ菌」の入ったカプセルを飲むだけで健康的に痩せることが可能になるかもしれません。
ちなみに現状ではカプセルを飲むのでは無く「糞便移植」と言われる方法で肛門の方から処置をする方法があるのだそうですが、効果が長続きしないとも書かれていました。
ただ、この本を読んでから5〜6年経ちますので今では技術も進歩しているかもしれません。
ところで私は普段老人ホームでお年寄り向けの食事を作っているのですが、こうした施設では「禁止食」というものがありまして、ホームの入居者さん一人一人の好き嫌いを食事に反映させる事が求められます。
お年寄りの場合、アレルギーによる禁止食は実は少なくて、ほとんどが好き嫌いによる禁止食になります。
自分が子供の頃には親から「好き嫌いすると元気な大人になれないよ」などと言われて何でも食べる様にしつけられましたが、老人ホームの入居者さんを見るに付け、好き嫌いと健康とは全く関係ないなあと思ってしまいます。
あれはダメこれもダメと言うお年寄りの方が元気そうに見えるのは、ワガママを言える気力も体力もあるという事なのだとも思いますし、それでも元気に暮らせるほど優れた「腸内細菌」を持つ「細菌長者」なのかもしれませんね。
*JEUGIAカルチャーセンター堺タカシマヤ教室
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