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閑話休題「くれない族のジレンマ」
私はもう離婚して数年が経ちますが、独り暮らしをする様になってから日常生活でのストレスが本当にほぼ無くなりました。
理由は何をするにしても全て自分がしなければいけないので、最初から他人を頼る気持ちがないからです。
掃除ひとつするにしても、以前なら昼寝をしている妻を横目に見ながら何で俺がやらなければいけないのかと不満に思いながらしていた事が、今では最初から自分しかやる人がいないのでノーストレスです。
これは元妻の方も同じだったと思います。
元妻はほとんど料理をしない人でしたので基本的には私が毎日の料理を作っていましたが、忙しい時などは中々手が回らず、元妻に頼む事もありました。
そんな時の嫌そうな顔は今でも思い出すことが出来るのですが、私が元妻に料理を頼むまでの時間、多分元妻はご飯はまだかとイライラしながら過ごしていたろうと思います。
こうした時のイライラの原因は全て、自分がやって欲しいこと、やりたく無い事を誰かがやってくれるタイミングと、自分の欲求のタイミングや範囲がズレていることによります。
これが夫婦の間の事なら、まあちょっとした痴話げんか程度ですむ話になりますが、職場で同じ様な事があるとそういうわけにもいきません。
多くは人間関係の不和となり、職場の空気がどんどん悪くなって行きます。
先日、若い調理師さんと話しをする機会があったのですが、その調理師さんは同じ厨房で働く先輩調理師に不満タラタラの様でした。
理由を聞いてみると、先輩調理師なら当然知っていなければならない様な事を知らないから、結局全部自分がやらなければならないのでストレスが溜まるとの事でした。
この若い調理師さんは、自分の仕事の範囲はここからここまでと自分で線引きをして、それをはみ出す内容の仕事については、先輩がやって当然と考えているようでした。
つまれ「あれもしてくれない、これもしてくれない」といった「くれない族」になっているわけです。
このタイプの不満は全て自分で生み出して自分で苦しんでいるだけなのですが、渦中の人間には中々それが分かりません。
苦しみの種は全て自分の中に有る事が理解出来るのは、恐らくこの若い調理師さんが職場を離れるか、逆に先輩調理師さんが職場を離れるかして、冷静に過去の状況を見られるようになってからだろうと思います。
「くれない族」の一番の特徴は、苦しみの原因を全て他人に求める事なので、自分が「くれない族」であり続ける限りこの苦しみから逃れることは出来ません。
こうしたジレンマを克服する事が、自分自身も、また色々な人間関係も成熟させる事になるのだと思います。
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