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閑話休題「常識と卵の話し」

育った場所や地域によってその人が身につける常識というのは本当に違うのだなと実感する事があります。

私の場合は、ド田舎の山村育ちなのですが18歳で高校を卒業して初めて大都会大阪に出てきたときに結構色々面食らいました。

まず私の育った町には鉄道の駅がありませんでしたので、基本的に電車の乗り方が分かりません。

初めて住んだのは阪急沿線だったのですが、まず切符を買うところから緊張の連続です。

何故緊張するかと言うと、間違ったときの対処の仕方が分からないからで、絶対に間違えてはいけないと思うと人間緊張するものです。

それでまぁ何とか普通に電車に乗れるようになった頃に、自動改札機に切符を入れたらアラームが鳴って出口が閉まった事がありました。

私は訳が分かりませんでしたが、目的地に行くには改札を出ないといけませんので、そのまま強引に改札を出てしまいました。

この時、私は悪いことをしている意識は全くありません。改札の機械が故障したのかな?くらいの感覚でした。

後日その話を知り合いにしたら、「えっ!」と絶句されてしまいました。

改札を強引に出た行為よりも、改札が閉じた意味を知らなかった事に驚いたそうです。

これは田舎者が都会に出てきた時のギャップの例なのですが、逆の例ももちろんあります。

私が洋食のコックになってしばらく経った頃に、大阪生まれ大阪育ちの同僚と卵の黄身の話しになりました。

この同僚は、やっぱり卵の黄身は赤っぽくて濃い色の方が美味しいと言います。

私は田舎で小さい頃から実家でニワトリを飼育していましたので、卵の黄身の色がどうして濃かったり薄かったりするのか体験的にしっていますし、黄身の色と卵の味は関係ない事も知っていました。

ですので同僚に、黄身の色と味は関係ないし、黄身の色なんか与える餌でなんとでもなると話したのですが、最初は中々信用してくれませんでした。

知らない方の為に一応書きますが、ニワトリの餌に人参を混ぜたら黄身は赤く濃くなります。逆に色を薄く白くしたければ、餌に白米を混ぜるとそういう卵を産むようになります。

そんな風にすぐに黄身の色は変えることが出来ますが、味は変わりません。

単純な話しなのですが、逆に単純すぎて同僚は信用出来なかった様です。

都会育ちの人にとっては、自動改札のアラームの意味を知らない人が世の中に存在するなど信じられなかったでしょうし、田舎育ちの私にしてみたら、卵の黄身の色は餌ですぐに変わるという事を知らない人がいるのも驚きでした。

ところで、今はもう私の実家がある村でも家でニワトリを飼育している人は見かけません。

都会と田舎の暮らし方の違いもどんどん小さくなっていると感じます。

それが良いことなのかどうか私には分かりません。

ただやっぱり、少し寂しい気持ちは感じます。

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中嶋洋二郎
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