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閑話休題「家庭と子育ての今昔」

私の母は昭和6年の生まれでした。一歳年上の父に嫁いだのですが、昔の事ですから当然義父母と同居。要するに嫁に入ったわけです。

そうした環境で母は義母と一緒に家の事を切り盛りする主婦として働くわけですが、当時は男達の身の回りの世話をするのは女の役割で、私の父などは家では全く何もしませんでした。

父が風呂に入ると言えば、後ろから寝間着を持って付いていき風呂に入ったのを見届けたら脱ぎ散らかした衣類を片付け、風呂から上がったらすぐに着られるように寝間着を調えるといった事を毎日繰り返していました。

ご飯が出来たら母から言いつかって父を呼びに行くのは私の役目でしたが、父や祖父が食卓に就かないことには誰も食事に箸を付けることが出来ないといった家でした。

大きくなった私は、そうした古いしきたり的な事が嫌で、彼女が出来たら家事などは分担してやっていこうと思っていました。

だからですかね、女性と付き合って彼女が自分のアパートに来るようになっても、料理も掃除も洗濯も、ほとんどお願いしたことがありませんでした。

その状況が続いた状態で私の場合、結婚までしてしまったのですが、結婚してもやはりその状況が変わることはなく、30年以上夫婦として過ごした後に離婚するまでの期間、洗濯以外の家事はほとんどやろうとしない妻でした。

ただ、そんな元妻に今ではとても感謝しています。

理由は離婚に向けて別居した時に、独り暮らしをするにあたって家事に関しては何も困らなかったからです。

例えば私の父の場合、冒頭にも書いたように母が存命中は全く家の事をしませんでしたから、母が亡くなってからしばらくは私の姉が泊まり込みで実家に戻り、マンツーマンで色々と家事の手ほどきをしていました。

それでも色々無理な面もあったので、結局姉が遠方から1ヶ月に一回程度家政婦をしに実家に戻ると言った事をしていたくらいです。

子育てに関しても、私の長男と次男が生まれた昭和の終わりから平成にかけての時代は、保育所に子供を送り迎えする時に、お父さんが送り迎えしている家庭は、私以外ほとんど見当たりませんでした。

たまに男性を見かけることがあっても、何か場違いな所に来てしまったという雰囲気がありありと感じられ、早々に子供を連れて帰ってしまうという事が普通でした。

所が最近のお父さん達は、保育所に子供を連れて行くのは当たり前ですし、LINEなどで子供に関する連絡事項をやりとりするのも普通にこなしている様ですから、時代は変わったなと思います。

これはどちらが良い悪いの話しではなく、そういった時代なのだろうと思います。

私は今では昔の家父長制度が色濃く残った家の雰囲気を嫌いではありませんし、とても懐かしく思い出すことも多いです。

逆に男性と女性の役割分担が曖昧になっている最近の傾向を危惧する気持ちもあるのですが、今の子供達が大きくなったときには一体どんな風に変わっているのか…。

あまり長生きしたいと思ったことはないのですが、ちょっと見てみたい気もします。

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中嶋洋二郎
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