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僕が考える性の多様性と、トランスジェンダーとしての生き方
トランスジェンダーの僕が考える性の多様性
まずは私のプロフィールを紹介させてください。(仮)なおたろうと申します。1993年に4人姉妹の末っ子として生まれました。自分が周りと違うと感じたのは、小学4年生の頃でした。きっかけは、女の子を好きになったことです。女の子なのに女の子が好きだと、子供ながらに「おかしい」と感じ、誰にも言わないようにしていました。結局、18歳までそのことを誰にも打ち明けることはありませんでした。
「女の子なのに女の子を好き」というと、レズビアンだと思うかもしれません。しかし、私には他にも違和感がありました。自分の体は女の子でありながら、次のようなことに違和感を抱いていました。
1. 立ちションをしたい
2. スカートを履きたくない
3. 髪の毛を伸ばしたくない
4. 遊ぶ友達はいつも男の子
5. 生理がとても嫌だった
6. 学校の制服は学ランが着たい
これらの違和感が、私の心の中でずっと消えませんでした。しかし、周りには相談できる人もおらず、このことが友達にばれたらいじめられるのではないかと恐れていました。私は自分がトランスジェンダーであると気づくまでは、「自分はなぜ生まれてきたんだろう」「自分は何者なんだろう」と、自分のアイデンティティに対してずっとモヤモヤした気持ちを抱えたままでした。
とはいえ、学校生活自体は楽しいものでした。友達もたくさんいて、楽しい思い出も多くあります。そして、私が自分がトランスジェンダーだと知ったきっかけは、インターネットでの検索でした。高校卒業直前に、性同一性障害という言葉を見つけ、その特徴がまさに自分にぴったりと当てはまりました。これを知ったとき、「これだ!」と心の中で革命が起こったのです。それまで悩んでいたことが明確になり、モヤモヤしていた気持ちが吹き飛んで、目の前が明るくなったような感覚を覚えています。
その後、性別を変更できることや、胸を摘出する手術を受けられることを知り、嬉しくてたまりませんでした。21歳で胸を摘出する手術を受け、23歳で卵巣を摘出する手術も行いました。現在は、戸籍上は男性となり、見た目も完全に男性として生活しています。
これまでの簡単なプロフィールをご紹介しました。ここからは、私が考える性の多様性についてお話ししたいと思います。
性の多様性を知ろう
「LGBT」という言葉を聞いて、すぐにイメージできる人はどれくらいでしょうか? その意味がわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、改めてその意味をおさらいしてみましょう。
LGBTとは、次のような人々を指します。
- L(レズビアン)
性別が女性であり、恋愛対象も女性である方
- G(ゲイ)
性別が男性であり、恋愛対象も男性である方
- B(バイセクシャル)
性別に関係なく、恋愛対象が男性と女性の両方である方
- T(トランスジェンダー)
生まれたときの体の性別と、心の性別が一致しない方
私たちLGBTの人々は、「セクシャルマイノリティ」と呼ばれ、少数派に属します。しかし、だからといって、私たちが「特別な存在」だというわけではありません。私たちもあなたと同じ人間であり、性格も見た目もそれぞれ異なります。
よくある誤解として、「ゲイだから」「レズビアンだから」「トランスジェンダーだから」と、固定観念で私たちを判断することがあります。ですが、私たちはみんな違う人間です。性別や性的指向が異なることが、なぜ差別の対象になってしまうのでしょうか?
性別の違いを受け入れる社会
私たちLGBTの人々に対して、社会には偏見や差別があります。これを例えるなら、「ラーメンが好きな人もいれば、ラーメンが嫌いな人もいる世界で、ラーメンが嫌いな人は頭がおかしいと言っているようなもの」です。人それぞれ違っていても、認め合い、尊重し合うことができるはずです。ファッションや好きな食べ物が違うように、性的指向や性別の認識が異なることも、ただの「違い」に過ぎないのです。
では、あなたの大切な友人や家族がLGBTであることを告白したとき、どう感じるでしょうか? 簡単に否定できることではないはずです。長い時間をかけて築いた関係だからこそ、その友達の性的指向や性別が違っていても、それは「ラーメンの好き嫌い」と同じくらいの小さな違いであると気づくことができるでしょう。
カミングアウトへの理解
時折、LGBTの方々がカミングアウトをするとき、「どう反応すれば傷つけずに済むか」と悩む方もいます。しかし、私たちはただ事実を伝えたに過ぎません。特別扱いしてほしいわけでもなく、励ましてほしいとも思っていません。「そうだったんだね」と受け入れてくれることが、何よりも嬉しいのです。
私たちLGBTの人々は、差別を恐れてカミングアウトします。だからこそ、十分に信頼できる関係が築けたと感じた時に、カミングアウトすることが多いのです。それまでに関係を築いているので、あなたが心配する必要はありません。
性の多様性を理解し、受け入れることで、私たちはもっと自由に、安心して生きることができる社会を作っていけると思います。あなたもその一歩を踏み出すことができるはずです。