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この人と結婚していいの?
石井希尚著『この人と結婚していいの?』の要約
本書は、結婚生活を成功させるために必要な心構えや具体的な行動を解説しています。結婚を考える上で「価値観や性格の違いを理解し、お互いに努力すること」の重要性を教えてくれる一冊です。
日本では年間約20万組が離婚しており、その原因の多くが「性格の不一致」とされています。しかし、著者の石井希尚さんは、この「性格の不一致」という理由に対して、「100%性格が一致する人など存在しない」とし、結婚前にお互いの違いを理解することの重要性を説いています。また、相手にとって理想の存在になる努力が欠かせないとも述べています。
1章: 性生活の不一致について
離婚原因の上位には性生活の不一致があり、著者はこれがいかに結婚生活において重要であるかを強調しています。
著者によれば、性行為の頻度やお互いの性癖、そして子どもの希望人数など、こうした話題を結婚前に話し合う必要があります。
1. 男性の性欲
女性は男性に比べて性行為は月に1回でいいという人もいますが、男性は月に1回ではとても満足できません。男性にとって性欲は仕事へのモチベーションや生きがいに繋がる重要な要素であることを理解しましょう。
2. 性行為の拒否が招くリスク
男性が性行為を拒否されることで自信を失ったり、セックスレスや浮気に発展する可能性があります。
男性は性行為を拒否されると「俺は一体何のために働いているのか、この性欲をどこに向ければいいのか」となってしまいますし、そこからセックスレスになり、他の女性に浮気しかねません。これが王道の離婚パターンです。
著者は、「夫婦間で性について率直な話し合いを持つことが重要だ」と述べています。
2章: PMS(月経前症候群)について
女性が生理前に精神的に不安定になるPMS(生理前症候群)は、夫婦関係を良好に保つ上で男性が理解しておくべき重要なテーマです。
PMSは月経前症候群と言って、生理の10日前から女性の体と心が不安定になる症状のことです。生理に伴ってホルモンのバランスが崩れることで起こり、イライラしたりわけもなく落ち込んだりやる気が出なくてソファーに寝そべったり悲しんだりしてしまいます。特になんでもないことが嫌味に聞こえたり、男がテレビを見て笑っているのを見ているだけでイライラしたりします
•PMSの期間中は、女性の気持ちが不安定になるため、男性が女性を責めたり突き放したりするのはNGです。
•PMS期に男性が性行為を求めるのも避けるべきです。
男性がPMSを正しく理解し、サポートする姿勢を持つことが、良い結婚生活のスタート地点といえます。
3章: 実家への依存を断つ
結婚後、妻が実家に頻繁に頼ることは、夫のプライドを傷つける原因になります。男性は頼られたい生き物です。男性にはこの性質があるため、何か問題が起こったら女性は親ではなく、男性に頼るべきです。
•夫婦間での問題は、まずお互いに話し合うべきであり、親を頼るのは最終手段にすべきです。
•妻が夫を頼らず親を頼ってしまうと、夫は自分がないがしろにされていると感じてしまいます。
4章: 会話の重要性
夫婦間での会話が減ると、結婚生活の満足度が下がるというデータを著者は紹介しています。
男性は、ストレスを感じると無口になり、どうやって論理的にこの問題を解決できるかを考えようとします。そして論理的な答えを導き出す、その答えが出たときに、初めて男性は安心します。逆に女性はストレスを感じると黙ってなどいられません。必ず話して発散しなければいけません。もし誰にも話せないとどうなるかと言うと、涙を流します。しゃべらないと気持ちがパンパンになって涙が出てしまいます。こうなると男はなんで泣いてるの?いきなりどうした?何かした?こう言ってあたふたするでしょう。そこで女性は言います。あなたはいつも1人で黙って考えて、私のことを全然理解してくれないと。理解しあっていると思っていた男の頭の中は???でいっぱいになります。
夫婦の1日の会話時間は最低でも1時間は必要です。それ以下だと結婚生活の満足度が低下します。1時間も話す内容は無いのではないかと思いの方もいらっしゃると思いますが、夫は妻の話を聞くだけでよいのです。
だから今日はどんな1日だった?と聞いてみましょう。男性は話す行為にはそれほど価値がないと考えていますが、女性は話すと言う行為そのものに既に価値を感じています。それができないと妻は自分の話を聞いてくれる相手を探し始めるでしょう。
5章: 金銭感覚の確認
お金に関する価値観の違いは離婚原因になりやすいため、結婚前にお互いの金銭感覚を確認することが大切です。
•お互いの収入、貯金、借金を明確にする。
•奨学金やリボ払いの有無なども確認する。
•結婚後の家計管理の方針について話し合う。
著者は、お金に関する率直な話し合いが、結婚生活のトラブルを減らすとしています。
6章: 男性の仕事への干渉を避ける
男性はプライドが高い生き物であり、妻からの過剰な助言や批判は仕事のモチベーションを下げる原因になります。
•著者は、男性が仕事で失敗しても批判するのではなく、「あなたならできる」と励ます言葉をかけることが重要だと述べています。
女性が男性にただ話を聞いてほしいように、男性は女性にただ応援してほしいものです
悪い例でこの前も同じミスしてなかった?これはこうしたほうがいいんじゃない?もっと仕事頑張れないの?と言う言葉はNGです。
7章: 愛情表現の重要性
男性は誰よりも女性から頼られたい生き物ですが、女性は誰よりも自分のことを大事にしてほしい生き物です。結婚したら男性は毎日愛していることを女性に何らかの形で伝えなければなりません。女性は、男性の心が自分から離れることに危機感を覚えます。もし男性の心が自分から離れて、他の若い女性に移ってしまった場合、男性はもう稼いできたお金を自分と子供に注いでくれなくなると本能的に思います。女性に何らかの形で愛を伝えなかった場合、女性は話し相手もおらず、自分1人で子育てをやることになるかもしれないと不安になります。そのため、女性はこの状況にならないために、男性の心が自分から離れていないかどうかが常に気になってしまうのです。例えば男性が会社の部下である女性社員と一緒に食事をするだけで、妻は心が自分から離れたのではないかと考えてモヤモヤする。実際には心が離れていないのに。
この大前提がある上で、毎日、男性の心が離れていないことを伝えるために「愛している」「好きだよ」と口に出して女性に伝えることが大変重要になってきます。男性はついつい愛していても言葉にしなかったり、すぐに黙ったり照れて、愛の言葉を伝えませんが、それではいけません。必ず口に出して伝えてください。そうしなければある日女性は「もう私のことを愛していないの?」と言うでしょう。男性は「こんなに愛しているのになぜ伝わらないんだ?」とすれ違いが起きてしまう。男性は女性が安心するように、毎日行動ではなく、口で愛を伝え続けなければいけません。
どのぐらい伝えればいいかと言うと「おはよう愛している」「行ってくるね。愛している。」「ただいま愛している。」「おいしかった。愛してるよ。」「おやすみ愛しているよ。」
そういうレベルで伝えてください。そうでないと女性は安心することができません。
8章: 性行為以外のスキンシップ
男性は性欲を感じた時だけ、女性の体に触るようになってしまう傾向がありますが、それだと女性はまるで性欲のはけ口にされているように感じて不快な気分になります。そのため日ごろから細かくスキンシップを取っておくことが重要になります。例えば、手を握ったり、肩に手を置いてもらったり、腰に手を回したり。性行為以外で女性に関心を持っていることを伝えることが大切になります。このスキンシップで心が満たされていないと女性は性行為をする気にはなりません。最初に言ったように愛ではなく、自分が性欲のはけ口にされているように感じるからです。
結論: お互いに努力をすることが重要
石井さんは、結婚生活を成功させるためには「完璧な相性の相手を探す」のではなく、「お互いに理想的なパートナーになるための努力」を続けることが重要だと強調しています。特に男女の違いを理解し、相手の気持ちを尊重する姿勢が、幸福な結婚生活に繋がると述べています。