忘れられない恋人 おっさんずラブリターンズ 黒澤武蔵と武川政宗
おっさんずラブリターンズは、過去の恋を引きずり迷子になった大人たちが活躍する。
元公安警察の和泉は、恋人秋斗を目の前で殺され復習の炎を燃やしているし、部長の武川は元カレ牧に未練たらたらである。
元部長黒澤はスキルを活かし、スーパー家政婦になった。伝説の家政婦「石崎」を凌ぐ隠密行動で春田の一挙手一投足を見逃さない。
本気で好きなら相手の幸せを祈ってやれ!邪魔するんじゃねぇ!と言いたい人も多いと思う。「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ 」と言われるように、いい大人が野暮やってるのは正直、痛い。
この2人の場合、「男としての能力(仕事)は自分たちの方が上だ!」のプライドもあるのかも知れないけれど。
男のほうが過去の恋を引きずりやすく、思いを残しやすいのは、脳の作りが違うからだと言われています。
恋愛の記憶に関しては、女性は「上書き保存」できるけれど、男性は「フォルダに保存」形式だそうです。
女性は恋のアップデートが出来るけれど、男性はできないということになるわけだ。あー、クソめんどくせぇ。アップデートしろよ……こっちは忘れて楽しくやってるのに、横やりとかマジでやめろ。
そういうの聞くと「いたなー、そんな奴」って何人かの男友達を思い出す。
酒を飲んでは、元カノの話をグチグチグチグチ、朝方まで聞かされる身にもなれつーんだよ。
「お前、本気でうぜぇ……」と何度思ったことか。
黒澤部長と武川部長、アラ還にアラフィフが揃って過去の恋をこじらせるって、ウイルスの繫殖力半端ねぇ。
黒澤部長はInstagramアカウントに隠し撮りした春田の写真をアップ、武川部長は「天空のマサムネ」で病みツイートを繰り返すと、めんどくせぇおっさんになっている。
和泉は恋人に瓜二つな春田を見ては子犬みたいに目を潤ませて早退する……、本当に公安のエースだったのか?
終わりを告げた恋は、美しい思い出となりファイリングされるので質が悪い。
そして、いい思い出ではないほうが扱いにくく、より深くファイルされてしまいます。
和泉が秋斗を忘れない・忘れられないのは、自分の目の前で撃たれてしまっただけでなく、自分の腕の中で命が消えたというのがある。
最後に交わした言葉が「殺すぞ」だもんな……。和泉が秋斗に「殺すぞ」っていうのは、別の意味もあると考えているので、忘れることができないのはわかる気がする。
やり残したことがあると前に進めない、だから復讐のために1人で敵のアジトに殴り込みに行って返り討ちにあってんだろうね。
多勢に無勢とわかっていても家を抜け出し復讐に行くのは、秋斗のいない世界は真っ暗で光が見えなくなったから。こじらせ方が、半端ない。
ドラマも折り返し地点にきて、天空のマサムネこと武川部長が元カレ、枚への未練を表に出し始めている。
奥州筆頭マサムネ様と同じ名前ですが「OK, Are you Ready?」とか「独眼竜は伊達じゃねえ、you see?」は言いません。「昼休みMTG OK?」と春田にメモは渡していましたけどね。
病みツイートで牧に心配されたい天空のマサムネ
アラフィフになったことで、急に寂しさがこみあげてきたのかも知れない。マッチングアプリでマッチングしては、騙されフラれをを繰り返したことが、元カレの美化へと繋がっているようにも思える。
病みツイートに反応してくれるのは元カレの牧だけ……「なんで別れたんだっけ、俺たち」「嫌いになったわけじゃない、すれ違っただけ」と美化されていく。付き合い始めた頃の牧は可愛かったな……あどけない学生で、俺の話を真剣に聞く向上心のある有望な若者……それがいつか好きになって。初めてのデートで遅刻したお詫びにって、ははは……高校生みたいに真っ赤になって、キーホルダーを手渡してくれたな。
すれ違いが続いて、このまま牧を縛り付けてはおけないと公園に呼び出したら、ははっ牧のやつ、俺が握った手を黙って握りしめたっけ。思い出すだけで胸が締め付けられる……大きな目に涙を浮かべながら「じゃ、マサムネ……じゃなくて武川さん。ありがとうございました」って走っていったっけ。
とか、あの古風な家で泣いているんだろうな。つーか、美化しすぎだし忘れろ。そして牧はものではないのだから「貸してくれ」はだめですよ。
部長……壊れてる。元嫁の暢子さんに「それって姑の感情よ」って言われ、納得したように思ったけれど無理みたい。
「ハイテンションデンジャラスハゲじじい」妖怪みたいでいいなーと思った。牧のネーミングセンス最高!
「春田と牧が幸せだったらそれでいい」これは本心からの言葉だと信じたい。ですが超マザコン姑となった部長は、「可愛げのない嫁」がお気に召さないようですな。
姑……俺のこの気持ちは……姑の感情なのかっ!はるたんは可愛い息子、目に入れても痛くない!入れて持ち歩きたいくらいに可愛い!はるたんが望むなら命をあげてもいい、恋のためなら悪魔に命をささげちゃうよ、この黒澤武蔵。だめだ、だめだ、秀樹を歌っている場合じゃない。これじゃ、菊様がお慕いするいずぽよの恋人秋斗様ではないかっ!!だってそうでしょ!その瞳♪僕のもの♬いずぽよを見つめる秋斗さまの切ないまなざし……武蔵胸キュン。だってあれでしょ!あのお二人は、太陽が燃えるように愛を永遠に刻んじゃったわけじゃない。テロリストの銃弾も、恋のためなら恐れはしなかったから、あーなったんじゃないの!?
ああ、俺もはるたんのためなら命を投げ出したい。やめろとはるたんに言われても、今では遅すぎる。激しい恋の風に武蔵は巻き込まれちゃったのよ。って感情になっているに違いない。