文学少女に憧れて
数年振りに中学の頃の友達と集まった。帰り難くよく行っていた本屋にまた行って、うろうろしながらおしゃべりしたのも懐かしかった。
大通駅の『リーブルなにわ』。名前は変わってたけど、いつも待ち合わせにしてた本屋さん。
その時『本好きの下克上』を指して「これ見てあんた思い出した」と言われた。
中高はオタクとしか付き合いなかったし、大学は国文科で文学少女だらけだった中で私は
少ない方だった。絵本や児童文学、りぼんやなかよしの繊細な幼少向け少女マンガに豊かに育まれ息をするように本を読む彼女らが私には眩しかった。
「これ有名タイトルだから読んどこ」という教養主義的な読書を彼女らはしなかった(私はしてた)。読みたいものを読んではクスクスと共有する友人達を横目に「今読まなきゃ!」とガツガツ焦りながら貪り読む自分の執着にうんざりしてた。
その一人から「あんた本当に本好きだから」と懐かしそうに言われ、そう見えていたなら良かったと。
そう、私本好きだったの。