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新幹線で行けそうなスキー場がわかるTableauを作成してみる

 先日、こちらの記事で単一のポリゴンデータを用いた可視化の手法について紹介しましたが、複数のポリゴンデータと緯度経度のデータを用いると、より具体的な情報を地図上に落とし込むことができます。本記事では「新幹線で行けそうなスキー場がわかるTableauを作成してみる」と題して、2種類のポリゴンデータと緯度経度のデータを組み合わせたTableauの作成方法をご紹介します。


今回の作成条件

  • Tableau

    • 2022.1を使用

  • 使用ポリゴンデータ

    • 国土数値情報 鉄道データ 令和2年 全国 世界測地系

      • N02-20_RailroadSection.shpとN02-20_Station.shpを使用

    • 対象は「上越新幹線」のみに限定

  • スキー場のデータ

    • ウェザーニュースの「スキー場を検索」で閲覧可能な新潟県(※)と
      群馬県に立地する48か所のスキー場を対象
      ※新潟県は上越新幹線の沿線にあたる「湯沢・中里・苗場」「六日町・小出・小千谷・石打」「下越」に立地する28か所を対象

    • 48か所のスキー場の住所を「Google Map」で検索し、緯度経度のデータを取得して活用


手順1.スキー場リストを用意する

 はじめにスキー場のリストをExcelファイルで用意します。今回は下記の画像に示したデータを作成・活用しています(48か所のスキー場のうち、一部のみを表示しています)。


手順2.スキー場リストをTableauに読み込む

 スキー場リストのExcelファイルが作成できたらTableauに読み込みます。ワークシートの初期画面は次のように表示されます。

 ディメンションの項目「所在地(都道府県)」に地理的役割「都道府県/州」を与えると、メジャーに「緯度(生成)」と「経度(生成)」が生成されるので、「緯度(生成)」は行に、「経度(生成)」は列にそれぞれ加えてください。
 マークの詳細に「所在地(都道府県)」を追加して、表示を自動からマップに変更すると、新潟県と群馬県の塗りつぶされた地図が表示されます。
 このあと鉄道路線網と駅、スキー場をマッピングするため、マークの色で不透明度を0%にして白抜き地図にしておくことをお勧めします。ここまでの作業を行うと、次のような状態になります。


手順3.鉄道路線のシェープファイルを読み込む

 次に、データタブから「新しいデータソース」をクリックして空間ファイルを選択後、「N02-20_RailroadSection.shp」を読み込みます。「シート1」へ移動すると、新たにシェープファイルが追加された状態になりますので、画面左側の「ジオメトリ」をマークレイヤーに追加してください。

 マークレイヤーに加えると地図上に全国の鉄道路線網が表示されますが、今回は上越新幹線の周辺エリアに絞り込みたいので、フィルターに「N02 003」(鉄道路線名が登録されている項目)を加えて、上越新幹線のみで絞ってください。そうすると次のような状態になります。


手順4.鉄道駅のシェープファイルを読み込む

 続いて手順3と同様に鉄道駅のシェープファイル「N02-20_Station.shp」を読み込みます。マークレイヤーへのジオメトリ追加、フィルターで「N02 003」(鉄道路線名が登録されている項目)を上越新幹線のみに絞る方法は、手順3と同じです。ここではさらに「N02 005」(鉄道駅名が登録されている項目)をマークの「詳細」に入れて、表示を自動から円に変更してください。円の色合いを調整し、ラベルに「N02 005」を加えると、下の画像のように鉄道路線の上に駅がプロットされた状態を表現できます。


手順5.スキー場を地図上にプロットしてみる

 ここまで表現できたら、手順2で読み込んだスキー場のリストに含まれる緯度経度の情報をもとに、地図上にスキー場をプロットしてみます。
 画面左上の「Sheet1 (ski_resort)」を選び、表示された項目の中にある「緯度」と「経度」に対して、それぞれ緯度と経度の地理的役割を与えてください。その後、緯度と経度の2項目を同時に地図上へドラッグしてマークレイヤーに追加します。

 マークに「緯度」が表示されるので、詳細の欄にスキー場名を追加してください。その結果、緯度経度にもとづいて地図上にスキー場がマッピングされた状態になります。カーソルをあわせると、次の画像のようにスキー場の名称と緯度経度のデータが表示されます。


 あとはお好みに応じて、バックグラウンドマップや色合い、ラベル表示などを調整すれば完成です。Tableauのバックグラウンドマップから選べる「サテライト」の地図上にマッピングした例を下記に示します。

 上の画像から、特に越後湯沢駅の周辺にスキー場が集中していそうなことがわかります。実際に拡大してみると次の画像のとおりです。

 越後湯沢駅からスキー場までの送迎バスなどがあれば、新幹線利用者でも行けそうな距離にあるスキー場が多いことがわかるかと思います。


 今回は「新幹線で行けそうなスキー場がわかるTableauを作成してみる」と題して、2種類のポリゴンデータと緯度経度のデータを組み合わせたTableauの作成方法をご紹介しました。
(あくまでも新幹線で行けそうなスキー場であり、距離が近いからと言って行けるとは限りません。実際にスキー場へ行くことを検討されている方は、各施設へのアクセスに関する情報をご確認ください)

 この方法を応用すれば、公共施設や娯楽施設、観光スポットと鉄道路線・駅との距離をつかむことができ、車を運転しない方でもここなら行けそう、という感触を得られる地図を作成することが可能になります。
 本記事が、少しでもみなさまのお役に立てるようでしたら幸いです。

※今回のTableau作成にあたり、下記のホームページに掲載されている作成
 手順を参考にさせていただきました。


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