2023年度電気通信大学Ⅲ類編入学試験体験記

この度2023年度電気通信大学編入学試験で合格をいただきましたのでその経験を綴っていきます。高専の方、または大学在学中で編入試験を考えている方の参考になれば幸いです。3000字程度ありますがご容赦ください。

1. 編入試験の概要

 私は電気通信大学のⅢ類を受験しました。2023年度は人数が前年度よりも少なかったと記憶しています。受験科目は数学、英語、理科(化学)、面接(この年はⅢ類のみ)です。自分で言うのもなんですが、電通大の編入を受けに来ていた方で化学を選択していた方は私以外にいなかったと思います。電通大は情報系の大学ということもあり皆さん相場物理を選択するので。ですので、もしかすると、理科に関しては皆さんの参考にはならないかもしれない。(笑)
 試験日は6/24、6/25の2日間で初日に筆記3科目、2日目に面接でした。
 数学は試験時間が120分で大門5つから4つ選択、2023年度は大門1、2で線形代数、3で微積、4に重積分と微分方程式、5に複素解析といった具合です。ここは例年通り、過去問と大差ないでしょう。
 英語は大問2つで長文読解が1問、英作文が1問出ました。長文に関しては特に難しくなく(筆者感覚)レベル的には共通テストよりもはるかに易しく、問題集だと河合塾の「やっておきたい英語長文500」くらい、ただ語数が若干多いので英語に読み慣れていない人はやっておかないと死にます。英作文は2つの質問(英語)から1つ選び英語で回答するというもの。英語で自分の意見を記述する練習を普段からしていないと厳しいでしょう。
 化学は大問3つ構成で、順に原子の構造について、化学結合について、熱力学についてでした。どれも基本的な、大学1年次でやるような内容のもので難しすぎるものはありませんでした。
2日目の面接は面接官三人に対し私一人の1対3形式で淡々と質問されていき、一人10分と決まっていてストップウォッチで時間を測られていました。内容は、「なぜ電通大を選んだのか」、「将来どうなりたい?」、「編入してしたいことは?」、「元の大学じゃあだめなのか?」、「単位が認定されない場合もあるがそのことはわかっている?」、「最近気になったニュースは?」、「併願先と電通大の志望順位は?」などとごくベーシックでした。時折笑いを交えるなど雰囲気も終始和やかでした。この年は口頭試問もない完全な面接のみでした。


2. 結果

結果は合格でした。以下に簡単に試験の出来を書いておきます。
数学: 自己採 75/120
  大問1は簡単な行列の演算で、気合い入れれば正解できる。部分空間などその辺が曖昧だったので大問2は飛ばしました。大問3は2変数関数の微分とマクローリン展開。簡単。大問4は二重積分と微分方程式。こちらも特に積分自体も易しく、かつ微分方程式も二階線形同次のもので易しい。大問5は複素解析で導出に沿って実軸上の積分を実行するもの。普通。
正直今年は例年に比べ試験自体はそんなに難しくないようにも感じました。(過去問が年度変わったら電通大のHPにアップされるので見ておいてほしいですが)ただ、私は数学弱者のため、大問3の商の微分の計算をミスり、すべてを水の泡にしました。(泣) 

英語: 自己採90/90 
  長文のお題は虫が花粉を媒介することについての実験に関するものでした。単語もターゲットレベルで平易。問題も文章の要約を穴埋めするだけなので泣くほど難しくはない。英作文は1.「正直に生きるべきか親切に生きるべきか我慢強く生きるべきか?」、2.「日本政府は会社、法人に対する環境規制を強めるべきか?」の二択だった。後者の方が書きやすいのではなかろうか。

理科: 自己採 90/90 
  大問1は原子構造についての問で、ボーア半径を導出する問題がいきなりあり、少々困惑したものの特に問題はない。
大問2は化学結合の問題で分子軌道法と原子価結合理論がしっかり理解されているかが大切となる。
大問3は熱力でエンタルピーの定義を書かせる問題もあったため根底からの理解が要されるようだ。

面接: 自己採 ??/??
  正直面接で合否のわかれようがないだろうというくらい当たり障りのない話しか聞かれていないのでわからないというのが本音。手ごたえも正直なかった。一つ言えるのは、面接の練習はした方がいいということ。内容は先ほど書いたことそのままである。口頭試問がなかったのも救い。

総合: 筆記 260/300 入学したら得点開示してきます。

3. 対策

私自身編入をしようと完全に心を決めたのは2022年の3月頃だったためかなり遅れを取っている。それゆえ、とにかく効率を求めました。ちなみに完全独学です。
数学: 前記の通り数弱なのでここに一番力を入れていました。実際配点も他と違い120点分あるのも加えて。
参考書は主に桜井基晴先生が書かれた「編入数学徹底研究」緑色の冊子を使っていました。同時に黄色い冊子の「編入数学過去問特訓」も買ったのですが、正直レベル高すぎて回らなかった。数学が得意な人ならやってみて数学満点を目指してほしいと思う。
4月から本格的に勉強を始めて大体この参考書は4周くらいはした気がする。大学の講義で数学が二年次まで必修だったというのもあり数学の貯金があったのも大きいかなと。電通大単願で他の大学受けないよーとか、私みたいに電通大以外で数学使わないよーって人はこの本で十分と思います。あとは過去問やっておく。

英語: なし
  もともと英語は得意で現役時共通テストでも9割超、直前の3月に受験したTOEICで900点を取るなどと順調だったので特に英語は対策せずに特攻しました。
 もし、英語が苦手で対策したいという人は国立二次向けの英語長文書や、英作文の参考書などを使うとよいのでは。
電通大(他大学も軒並みそうですが)は英語の過去問が著作権の関係上HPで閲覧できないのでこればかりは対策が難しいですね。

理科: 元居た学部が化学系ということもあり、授業の復習が試験対策になっていました。が、やはり根本的に講義で扱っていないなど抜けている部分もあるのでそこは「演習で学ぶ無機化学基礎の基礎」という参考書(問題集)で対策していました。あとは過去問。電通大の化学に限定すれば変な問題は例年ないのでそこは安心材料かと。

面接: 面接は過去の先輩方が書かれているブログを漁って何が聞かれているのかを厳選して事前に回答をつくり、それを暗記して臨みました。特に添削などは依頼していないです。あとは気が向いたら書きますが、ほかにも編入学試験を受験しているのでそこで練習したというのもあります。

4. 併願校

大学からの編入という以上、また私が心配性ということもあり以下の大学を併願しました。
茨城大学理学部化学コース
岡山大学理学部化学科
ちなみに二つとも合格をもらいました。この体験記は後々に書きます。

5. おわりに

今現在大学への編入を考えている高専生や大学生の皆さん、編入は決して甘いものではないです。ですが、しっかり対策して臨めば必ず結果はついてきます。そんな皆さんを私は応援しています。
もし何か編入のことで相談などあったら、私のTwitterのDMまでどうぞ。

Twitter: K.O (https://twitter.com/ThisisKyoichi)



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