整形外科の認知度

整形外科診療を主にやっていますが、他にも運動器リハビリテーションや運動器障害予防医学なんかを専門にやっています。そことそこは違う分野という認識で今日の話が始まります。

さて、クリニックを始める前に、集患のために考えておかなければいけないことがあります。どんな人が『整形外科』を求めて来るのかを明確にしておくことと、今まではそうでなかった人を『整形外科に呼び込む』方法です。

これはつまりどういうコトかと言うと、運動器リハや運動器障害予防に関して、知識のある人は整形外科で相談しますが、そうでない人がもっとたくさんいるというコトです。

まだまだリハビリテーションの概念が一般化しておらず、痛みを治すリハビリや、運動機能を改善させるリハビリが特殊なものだと思われています。

ー痛みがあれば処方と電気、マッサージ。

ー運動機能の改善はひたすら練習。

ー整形外科よりも接骨院の方が治療ができる

こういった感じになります。

さらに障害児のリハビリテーションに関しては茨城県内の認知度は皆無です。運動器のリハビリテーションが必要なのに、小児科の先生がほとんど診ている状況です。。。

自分の得意でない分野のことなのに、長年そのまま放置して押しつけてしまっているのは本当に申し分けないと思います。その分効果も出ていないのではないかと思っています。←ここ本当に重要

この原因は整形外科ということばだけでは何を診てて、何ができるのかわかりにくいからではないでしょうか。

範囲が広い:頭より下の内臓以外すべて

整形外科医として筑波大学で働き出して、当時の落合教授にまず言われたのがこの言葉です。

自分たちの専門としている整形外科というものは『頭より下の内臓以外すべてを扱っている診療科である』。

とても有り難い言葉で今でもよく覚えています。

筋肉や骨、関節や神経など、体を動かすもの形作っているもの全てが治療対象になっています。さらに最近はここに、動きという概念も含みます。

こんなに広い分野なので、なんでもできるはずなのに近づきにくい印象も与えています。整形外科と手外科が並んでいたら、手のケガは手外科に行く感じです。脊椎外科があれば腰痛はきっとそちらに行くでしょう。

ただの整形外科はどうしても『年配患者が行くところ』といったイメージがついて回ります。

もっと細分化してわかりやすくする

ここはより一般の方がイメージできる様にすることが必要だと思います。

わかりやすい例を出すと、赤ちゃんの向きグセによる頭の変形。これはいま治療の対象になっています。頭にヘルメットの様な治療器具をつけて矯正するのですが、行っているのは小児科ではなく脳神経外科です。

ただし、脳神経外科でやっていますと言っても、意識がはっきりしていて、手足の動きが良い人が脳神経外科を受診しようとは思わないでしょう。そこで「あたまのかたち外来」という名前で外来を開設していたりします。

これと同じ様に、腰痛外来。小児股関節外来。脳性麻痺リハビリテーション外来。スポーツ整形外来。運動器疼痛予防外来。女性のからだの悩み外来など、たくさんの分野にわかれて外来の窓口を作るのがいいのかなと思っています。

自分は何者なのか。認知度を上げる

ホームページで対応できる内容を載せていたとしても、それを見て内容を自分で理解し、選んでくれる方はそれほど多くないと思います。

いま行っている『LINEで股関節の相談室』は小児股関節の専門だということを意識付けるためにやっています。noteで股関節脱臼の治療について書いているのも同じ理由です。

おかげさまで、かなりのPV数を獲得しており、検索で上位に表示される様になっています。

こういった地道な活動も自分のやりたいことを本当に実現させるために必要なのでこれからも継続していきたいと思います。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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