ついに3本柱がそろった
『柱』という言葉につい反応してしまいます。こんばんは。
ファミリハというなんか良くわからない名前を掲げて4月から走り出し、予防運動学や運動発達学などをもとにしたクリニックの立ち上げについて報告してきました。
クリニックなんて作ったこともないので、本当に手探りの状態から検討し始め、それでも初めからの理念はぶれずにここまで来ました。
もともと『ファミリハ』という名前はファミリー+リハビリです。
こうなると「リハビリの語源は何だっけかな」となるのですが、そこはあまり気にしないでください。リハビリテーション(広い意味で運動も含む)を中心として家族の形、生活を整える方法を提供することです。
このイメージをどうやって浸透させ、自分がそこに当てはまるにはどうすれば良いかを考えていました。そもそも自分はただの小児整形外科医であり、どうしても小児というイメージが付きまといます。
家族全体に広めるため、3つの流れを作ることにしました。
①運動、動作、徒手、東洋医学などの他の療法について学ぶ
医師は基本自分の専門に寄っています。「専門外なので」が口癖の感じがあります。知らないで否定していることもあるので、まずは知ることからです。
まず始めはわかりやすい「運動とはなんぞや」から始めました。twitterが世に広まり、情報発信の手段が増え、様々なアカウントから運動の良さ、体の動かし方の改善方法などが出てきていました。しかし、本来ならそこを積極的に広めなければいけない医師のアカウントが見当たりません。それでそこのポジションを取りに行きました。
情報発信を積極的にすすめているアカウントと繋がり、現場での「こういう人にリハビリを」という思いと、実際の診療でのギャップを感じました。
運動による治療があること。手術の前にやるべきことがあることを学びました。世の中の人はまだまだ知りません。でも、それで本当に良くなっている人もいます。言葉巧みに操っているわけではないのでした。
自費診療などもいくつも見ました。とても勉強している人もたくさんいます。でも、そこで困ることが一つ見えてきました。『医療と離れすぎていると、限界が見えなくなっている。』ということです。
自分の考える良いこと。信じてくれる患者さんのため、何とかしようと思えば思うほど、その流れは強くなります。それではいけませんね。
②小児整形、リハビリテーションを盛り上げる
小児リハの世界でもその傾向はみられます。ここでは病院のリハを行っているPT/OTにもその考えが出てくることがあります。
自分が学んできたことが、果たして本当にいまの流れなのか。そしてそれが真実なのかを考えました。
結果として、積極的に発信している方の多くは、これまでのやり方の限界を唱え、すでに新しい方向に向いていました。確かに、ここ数十年。小児リハの世界に大きな進歩はありません。新しい薬や手術が広まりましたが、それで生活が大きく変わったでしょうか。もっと大切なことを見逃してきたのかもしれません。
それは、【発達】とはなんぞやという考えです。
発達がなぜ起こるのかが解明されてきたのはここ最近です。それまでは産まれる前からプログラミングされていて、当たり前にできることだと考えられていたのです。
なので、生まれつきの障害があると、その後の二次障害も出てきてしまうもの。なのでそれを抑制し、起こってしまったら治す。そんな治療でした。
発達の仕組みが理解されてくると、それを上手く利用した方法がとられるようになりました。しかし、新しい考えは、以前の方法を繰り返してきた人たちにはなかなか受け入れてもらえません。
こういった考えをもった医師がまだ少ないのも現実です。
③産前/産後ケアは子どものためにも必要
こどもたちのことを考えていると、その治療をうまくいくためには母親のケアが不可欠です。
ようやくここまで来ました。
もともとTwitterに投稿していた話題の中心は
— 中川将吾👩産前産後のケアをやる整形外科医 (@sho5_naka) December 15, 2020
①正しい運動療法
②小児リハビリテーション
から始めたけど
最近は
③産前産後ケア
へと移行している。気づいていたかな。
こうして運動、リハビリを通しての家族の健康、生活改善をアピールしている。
すべて計画通りだお。
家族みんなを巻き込んで、まとめて良くするためにはここまで必要です。単発でやっていては続きません。地域で、それぞれに合わせて、みんなまとめてケアをしていく。その継続が必要です。
外来でこどもの姿勢などの相談に来る親御さんを見ると、やはりと言うか、できていません。親も。それは普段の習慣なのか、生活環境なのか、なにが原因なのかわかりませんが、そういうことです。こどもの悪いところをどうやって治していくかを説明しても、「ほら、ちゃんと聞いてなさい」では何も変わりません。だって、身近に良い見本がないことになるので。
ここまで言っておいて、お母さんを責めるつもりもありません。そもそもそういったことに気を配る余裕がなかったのかも知れないですし、出産後に体のケアにまで気が回らなかったのかもしれません。でも、自分のことを疎かにして、こどものことを中心にしていたとしても、子は親を見て育ちます。
親の健康がこどもにも影響を与えるのです。
お母さんの体が整う。これは子育ての仕方にも影響を与えます。抱っこの仕方、遊び方。はたまた家庭の雰囲気をも変えます。こどもの成長発達に影響を与えます。
これらのことをトータルで考えて行くのです。
さぁ、どんどん進んでいきますよ。
これからもよろしくお願いします!
中川将吾
小児整形外科専門ドクター
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