歯科から考える発達運動学
こどもたちの体の健康を考えるメンバーがまさかの歯科医院に集合でした。
おっしー@子どもの遊びをデザインする(@oshikawa1234)こと押川さん。
オオニシ体育株式会社@巧技台(@oonishitaiiku)の渡邊さん。
大月デンタルケアについて
埼玉県富士見市に構える歯科医院で、予防歯科を中心に診療が行われています。大人の治療も普通に行っている様ですが、そこもデンタルケアが中心で、歯科衛生士さんが多く働いている歯科でした。
こどもに対してのスペースが大きく取られており、(とは言っても治療ではなく、キッズルームや遊び場)、自分の思い描いているクリニックの形に近いモノがありました。
もともと駅前で一般歯科をやっていたみたいですが、歯を削って削っての治療に疑問を感じ予防を志したとお聞きしました。
まったく同じ道です。骨を切って治すことは、自分の本来やりたかったことではありません。
話を戻します。
予防に舵を振って十数年。初めは苦労されたそうです。「予防を行うと患者が減るだろう」と、医療に携わるものとして、おかしなコトも言われたことがあるようです。患者が全然集まらずに廃業を考えたこともあるそうです。
それでも自分の道を信じて進み、いまや歯科の予防医療と言えば当たり前に行うことになっています。一般医療はいまだに検診のみ行い、治療が必要な層にしかアプローチできていません。歯科の世界は1歩先を進んでいます。
歯科と整形外科、発達についてのアプローチ
最近、発達を勉強する方たちの歯科口腔分野に対する熱い想いをたくさん受け取ります。
動きの発達というものは体を動かしたり、歩いたりだけではなく、咀嚼や嚥下などの摂食にも影響を及ぼします。摂食は舌の機能とも関連しており、それが今度は歯列に影響を与えます。この辺は全部繋がっているのです。
小児歯科の予防治療は生後半年から始めるのが良いと仰っていましたが、自分としてはその前、歯が生える前からの運動の獲得から介入したり、観察したりしたいと思っています。
院長先生にその思いをぶつけたところ、思いのほか強い反応が返ってきました。
「歯列のゆがみは全身の動きのゆがみの結果なのでは」
そういった考えがとても印象的でした。もちろんこのことははっきりとしたエビデンスはまだありません。だからと言って、無視できることでもなにもしなくて良いものでもありません。
運動発達がなぜ今の時代、おかしくなってきているのか。その答えについて、小児整形外科だけではなく、小児歯科からも注目が集まっています。
話が大きくなってきました。大月先生とは今後同じ道のプロジェクトに乗っかってくるかもしれません。
この問題に興味のある方は、ぜひ一緒に取り組みましょう。
中川将吾
小児整形外科専門ドクター