『巻き込み型』の医療の形
こんばんは!
今日はTwitterでの予告通り、自分の中の『巻き込み型』の医療というものを定義してみます。
医療ってここがおかしいよね
まずはいまの医療の不思議なところを考えます。
病気の人が集まるところ
お金がかからないところ
医療者任せでものごとが進むところ
海外の医療と大きく変わるのがこういったところ。巷で良く聞く話では、医療費がかなり高くて、ちょっとしたことでは病院受診ができなかったり、受診するには予約が数週間先になったりと、日本とは違った状況があります。
そのため社会的に健康への意識が高かったり、個人での予防を重視している様なイメージがあります。健康に関する知識を仕入れたり、食品にこだわったり、ジムに行って体を鍛えたり、その方法は様々です。保険にお金をかけている日本とは違います。
結局のところ、保険をかけてお金が入ったり、安く医療が受けられたとしても、病気になってしまった時点でそもそもまずいわけで、どうしてそんな形ができあがってしまったのかなと思いを巡らしています。
健康を定義から考える
日本が誇る医療システムの恩恵で、平均寿命が延びました。周産期死亡率も減少しました。それなのに幸福度が低い(2021年度、56位)のは問題なのかなと。これは健康の定義が『寿命が長いこと』でも、『死なないこと』でもないということではないでしょうか。
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
ここで言う満たされた状態ということを、物質的に豊かだと捉えてしまうと、人はどこまでも貪欲に富を求めてしまっている時点で、健康とはかけ離れた状況になってしまいます。
最近言われていることとして、満たされた状態とは人それぞれで、もうちょっと違った言い方の方がわかりやすいのではと。。。
今の状態に満足しているかどうか。
それは言い換えると、「何が起こっても後悔しない」や、「自分の力でなんとかできる」ではないでしょうか。
何かが起こった際に他人(政治)のせいにしたり、他人に頼り切った生活をしていたのでは、自分の人生に満足することはないのでは。そう考える様になりました。
この考えをもっと医療に寄せます。ここからが本番です。
自分の体に何が起こっているのかわからない。
悪くなったときに自分のやってきた行いを後悔してしまう。
これから何をしていけば良いのか想像できない。
この様な状態では、いくら医療的な資源を投入したとしても本当の意味での健康は得られないのではないでしょうか。
医療者がどれだけ頑張ったとしても、治療を上手くやったとしても、その考え方や習慣は変えられない。
ここがいまの医療の問題点だと感じています。
では、どうすれば良いのか??
巻き込み型医療
医療の側にいて、ふんぞり返って患者を待っていたのでは変わらない。医療とそれ以外の境をもっと曖昧にすること。外の人を医療の側に巻き込んでしまうことと捉えています。
周りの人が良くなるには自分が変わらなければいけない。自分が変わったので、周りの人にも同じ様に伝えたい。その連鎖によって、地域を健康にしていく。医療の担い手を、職業や資格にとらわれずより多くの人に増やしていく試みです。
多くの人は医師に言われたことで行動変容が起こります。ですが、よりその役割を起こせる可能性がある人が自分にとって一番身近な人です。
これはSNSでいくら発信していても育っていきません。地域に根ざした医療機関が必要です。
コミュニティの中心。憩いの場。学習の場。そういった場所にクリニックが発展していく様に。
他にもたくさんの人を巻き込むことができます。
それがTwitterで繋がっている全国津々浦々のセラピストたちです。
自分は相当変わった存在のドクターだと思うので、これまでそういったドクターと触れ合ったことのない人たちにはかなり異色なものとして見られていると思います。
自分のやりたかったとこを医療の外に出ないと実現できないと思っている人がたくさんいると思うので、そういった思いまで巻き込んで、ぜひ自分の目指すクリニックで実現させたいと思っています!
これが自分の目指す、これからの「巻き込み型」の医療の形です!
中川将吾
小児整形外科専門ドクター