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リハビリテーション医が考える手術の位置づけ
【手術についての考え】新しいことがあったので共有しておきます。
自分はもともと根っからの外科医です。手術畑で育ち、朝から晩まで手術でヘロヘロになりながら力をつけてきました。若いうちはそれはそれで楽しく、やればやるほど成長もでき、困ることもありませんでした。
まだ自分は30代です。それこそ今が一番手術も自分のやりたいことをやれるようになり、症例も任されることが多いので、手術に明け暮れる生活をしている同年代が多いと思います。
しかし、最近になって、『リハビリの分野もやらなければ』感が強くなったので、そちらにも幅を広げています。
リハビリをやらなければの真意
これまでリハビリ分野に活動を移す外科医の中には『手術に疲れた』や、『手術でやっていく限界を感じた』人もいました。
しかし、バリバリに手術しておるのに、脳性麻痺のリハビリから発達からロボットリハビリまで学んだ人はそういないでしょう。それくらい自分の経歴は変わっています。
ここまで色々やってきて、やはりどれもこれもが全て、『これだけやれば良い』なんてものはありません。それぞれ良い面悪い面があり、上手く連携しなければ効果も様々です。
よくネット上では「自分はこの技術を持っているのでどんな人でも良くします。」と言った文句も目にしますが、正直何を言っているのかわかりません。
リハビリ分野に正確に手術の必要性を語れる人がいないというのが、リハビリ業界に進む1つのきっかけです。
さて、今回経験した話です。
手術を迷っている親子がいて、他所ではこんな方法、他の他所ではこんな方法と色々見てさらに混乱していました。今まで手術を考えていなかった訳ではないのに、出会う人それぞれで話が違います。さて、どうしたものか。
これでは患者さんは困りますよね。
これは術者その人の経験で手術基準が変わってしまうためです。こんなことは世界中どこへ行っても同じです。
そこでオススメなのは、その人を信用出来るかどうかです。われわれは自分の技術にはもちろん自信を持っていますが、自分だけの力で治療が行われるわけではありません。手術を受ける本人、家族、担当療法士さん、まわりのすべての人の協力とチームワークが必要です。信用が全てをがっちりとした力でまとめることができます。
仮にそこまで信頼できる状態での治療であれば、きっとそれ以上の結果を残すのは難しいと諦めもつくでしょうし、悪くなったとしても取り返す次の手も打ちやすいことになります。
いろいろ知っているからこそ完璧がないとわかります。
その中から新しい可能性も生み出せる力をまとめていきます。
手術が良いか、リハビリが良いかではなく、リハビリを効果的に行うための手術戦略を考えることが好きです。
手術のことまで知った小児整形外科医が行うリハビリテーション。
興味ありませんか?
みなさんのご意見をお待ちしています。
中川将吾
小児整形外科専門ドクター
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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