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【デザイン工房】医療機器の開発ストーリー②「医療機器プログラム(SaMD)」

私が手がける“草の根”医工連携の仕組み「デザイン工房」に関連した新企画『医療機器の開発ストーリー』が、なんとシリーズ化できそうなので、喜びの“おすそ分け”としてその第2弾をご紹介しつつ、この企画の背景と周辺、そして今後の展望について、書いてみたいと思います。


1.企画の背景

そもそも「デザイン工房」を起ち上げた経緯は、前に書いた通り医師がなかなか言う機会のない、様々な「あったらいいな」を聞き、私が起業経験ある元VCとしてその事業性を吟味(場合によっては自分で、市場や競合の調査や知財の下調べまでざっくりこなしたり)して、多くの企業から見えにくい「臨床ニーズ」を可視化しよう!というものでした。

まだ半年ですが、医師からは多くの声が寄せられ、企業からも多くの興味を寄せられています。しかし私の予想に反してプログラム医療機器(SaMD = Software as a Medical Device)」に関連した話が意外と少ないなと。だってこれまで医師が処方できるのは薬だけで、それも正しく飲まれない問題が根深かった所、新たに患者の行動管理や行動変容を促す「治療用アプリ」を処方できるようになり、医師の働き方改革がいよいよ本格化する中、医師の業務効率化は待ったなしで、ここにも「診断支援AI」が活躍できる機会が大いにあるはず!・・・と思い込んでた私には、当初かなり想定外でした。

ただ医師と対話を深めるうちに、その謎が解けてきました。「プログラム」が出来ることを、医師がイメージできていないのです。だから今回の記事では、SaMD認証を先駆けて取得した医師はその点どうだったのか?、一方、これからSaMD開発を狙う医師はどんな期待と不安を抱いているのか?、を浮き彫りにしようと思い、2人の医師にインタビューしました。

2.企画の周辺情報

詳しくは記事を読んで、実際に2人の医師の声にふれて頂きたいと思いますが、ここでは私が感じた「時代の熱気」をお伝えしたいと思います。記事の最後にも書いた通り、つい先日あった在宅医療の学会に参加した時のこと。

「データ活用」「AI」「プログラミング」といったテーマのシンポジウムは、他と明らかに人気が違うのです。特に医師が自らプログラミングを使いこなして出来る事を紹介する部屋は、まさに“立錐の余地なし”でしたし、僅か90分で簡単なプログラミングを完成させる体験ワークショップには、事前予約で既に一杯なのに、当日予約を求めて長蛇の列ができ、仕方なく特設席を設ける程の盛況ぶり。在宅という(病院やクリニックと比べて)アウェイの最前線で奮闘する医療者は、危機感を敏感に察知して時代の潮流をいち早く捉えようとしているのかもしれないな・・・と。

3.今後の展望

インタビューで思いがけず頂いた魅力的なご提案を、何としても「デザイン工房」で実現したいと思っています。それは、「医療機器開発のアイデアやものづくり(プログラミング)を通して交流できる場」

私も参加しているものづくり医療センター(もいせん)で意気投合した医師たちは、既に自ら課題解決するプロトタイプを試作しています。しかしさらなる技術的な課題の解決や、市場性の判断普及方法などについては、より広く頻繁に議論できたら・・・と感じているようなので、その場を創ることが私の使命だと感じています。

以上、冒頭記事のサイドストーリーを書いてみましたが、いかがでしたか?先に載せたシリーズ①と併せて、ぜひこの週末の(あるいはそろそろ本格化する夏季休暇のお読み物として)ぜひご一読いただければ幸いです。そしてご意見ご感想などを、記事末尾のアンケートボタンからお送り頂けたりするとかなり嬉しいです。では皆さま、酷暑が続きますがどうかご自愛下さい。



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