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ファミクル「共感って何?」(全3回) 第2回深い共感ってどうイメージしたらいい?

共感してみたけど、なんだか浅い理解で終わってる気がする。もっと深い気持ちに寄り添いたい。どうやったらもっと深い共感ができますか?

今回は共感のその先、“深い”共感をイメージの仕方をお伝えします。
共感ってそもそも何?と思われた方はぜひ第1回を御覧ください。

今回のポイント
 “深い”共感とは、“根っこ”を想像し、受容し、理解すること

“深い”共感とは?

まずは上の図のような水の中から木が生えている映像をイメージしてみてください。

水の上に出ている部分が相手の言葉など“見える世界”になります。
この“見える世界”を知的に理解するのが、一般的な共感です。

一方、“深い”共感は、“見える世界”の根っこの部分、そこに何があるかを想像しながら受け入れて、その深い部分を理解していくプロセスになります。

落ち込む友人にどう声をかけますか?

ここでイメージしやすいように第1回の記事で出てきた友人に再登場してもらいましょう。

落ち込んでいる理由を聞いてみたところ、
・部活の後も居残ってみんなと一緒に練習して、全国行こうって約束した
・家でも一人で頑張って勉強した
と答えてくれました。

相手の気持ちに気づいたあなたは
「あんなに練習頑張っていたのに悔しいよね」と声をかけました

友人は少し嬉しそうな顔をするもののまだ落ち込んでいる様子です。あなたはもっと深い部分があるのではないか、と感じ、さらにお話を聞きました。

「一人だけ間違えてしまった」
・お母さんに全国の晴れ舞台で活躍しているのを見てほしかった。
・優しい先輩や同僚と一緒に全国に行こうって約束をしていた。
 言葉の裏にある“根っこ”、友人の優しい気持ちが伝わってきます。

いかがでしょうか。

「あんなに練習頑張っていたのに悔しいよね」という同じ共感の言葉でも、深い部分を「わかってもらえた」と感じられますよね。このように相手に“根っこ”があることを感じ、その部分を受け入れて、知的に理解していくことが“深い”共感につながるのです。

どのように“深い部分”を聴くのか

ポイントは“映像化”。まるで映画のように相手の周りの状況や思いをイメージできれば、自然と“深い”共感が実践できます。映像が見えるまでしっかりお話を聞くことを意識してみてください。

以下の記事が参考になります。ぜひ御覧ください。
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2010/PA02898_13

また第1回でもお伝えしましたが、相手のことが理解できたら言葉で伝えるプロセスが重要です。特に"深い”共感においては、感情の変化を伴うことが多いため、相手の感情が理解できたら言葉にして伝えてあげることで、相手に「分かってもらえた」と感じてもらいやすくなります(このような感情を言葉で伝えるプロセスを"反映”と呼びます)。

共感するときにもっと相手の深い部分がないだろうか、その意識を持ってチャレンジしてみましょう。

参考文献
・ロジャーズの中核三条件 共感的理解:カウンセリングの本質を考える 3 ;三國牧子他
・行動変容のステージモデル(4)再発期に対するアプローチと感情面への対応;松下明 https://onl.tw/5ZkSVSn

次回

「共感(empathy)って何? 第3回:共感が難しい…そんなときどうしよう?」
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書き手:田中道徳(岡山家庭医療センター)
文責:宮本侑達(ひまわりクリニック)


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