あの人が、本気で商売に目覚めたら?【No.015・ドラゴンボール/ヤジロベー編】
■富裕層向けの健康食品ビジネスで注目集めるカリン塔(代表・ヤジロベー)
健康志向の高まりを受け、ヘルス関連ビジネスが注目を集めるなか、2020年に設立されたベンチャー企業、カリン塔(代表・ヤジロベー)が話題を集めている。
同社が主力とするのは、健康食品「仙豆」の製造・販売だ。同社の代表を務めるヤジロベー氏は、社名の由来ともなっている「カリン塔」において、年老いた猫が数百年にわたり栽培を続けてきたとされる幻の食品「仙豆」の量産化に成功。これを富裕層向けに販売したところ、瞬く間に大ヒットとなり、その人気は世界に広がりを見せている。
1粒1万円と高額だが、警備ビジネスで急伸する元気玉の孫悟空氏(※注1)や、農業・飲食事業を手掛けるクラウンカンパニーの天津飯氏(※注2)など、ビジネス界でも若手ベンチャー起業家を中心に愛用者は多いという。
仙豆の特徴は、10日間は飲まず食わずで過ごせるほどの満腹感が得られることだ。1粒食べるだけで、腹がはちきれんばかりに膨れるのだという。ところが、仙豆の「真の魅力」は別のところにある。実は、瀕死状態の負傷者を瞬時に蘇らせるほどの驚異的な治癒効果があるというのだ。
実際にSNSなどでは「仙豆を食べてケガが治った」「切断した腕が元通りになった」といった喜びの声を上げる人が続出。薬事法の兼ね合いで大々的な広告宣伝は難しいものの、これが事実であれば、口コミを起爆剤にさらなる売上の伸びも期待できる。
■飲むだけで手軽に筋肉増強を実現できる新商品「超神水」を開発中
同社の仙豆は、意外なところからも注目を集めているという。それが災害時の非常食としての利用だ。
これまで自らの舌で大量の仙豆を試食してきたというヤジロベー氏によれば、「数百年前から壺に入れてあったものでも問題なく食べられた」ほど保存性が高いという。
数年程度であれば問題なく口にできるうえ、保存場所にも困ることはない。細かく切って食べれば多くの人の空腹を満たせることから、まさに非常食にはうってつけの代物なのだ。すでにいくつかの自治体から「備蓄用として購入を検討したい」といった話が舞い込んできているという。
そんな同社では目下、格闘家やスポーツ選手向けの新たな商品「超神水」を開発中だ。こちらも同社が製造拠点とするカリン塔に古くから伝わる秘薬で、飲むだけで驚異的な筋肉増強効果を得られるという。ただ、過去には服用者に多くの死者が出ているとの噂もあり、安全性への配慮が今後の大きな課題となりそうだ。
<注釈>
【※注1】あの人が、本気で商売に目覚めたら?【No.001・ドラゴンボール/悟空編】
【※注2】あの人が、本気で商売に目覚めたら?【No.002・ドラゴンボール/天津飯編】
※この記事はフィクションです。
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※なお、note版の記事は、一部修正を加えて「空想ビジネスオンライン」から転載しています。