あの人が、本気で商売に目覚めたら?【No.006・タッチ/浅倉南編】
■マッチングアプリを展開する南風(代表・浅倉南)。「野球好き男子」に特化して躍進
男女を問わず恋愛に奥手な若者が急増する中、女性向けのマッチングアプリを展開し、成長を続けているのが株式会社南風(代表・浅倉南)だ。
浅倉氏は、高校時代にインターハイで個人優勝するなど新体操の有望選手として期待されたものの、大学時代のケガが原因で引退を余儀なくされることに。その後は経営者の道へと進み、家業の喫茶店「南風」をチェーン展開。名物の「ナポリタン」を看板メニューに据え、東京都内に100店舗あまりを出店するなど事業を大きく伸長させた。
し かし、その後はスターバックスやコメダ珈琲などに押されて徐々に事業を縮小。そんな時、浅倉氏が目を付けたのがマッチングアプリだ。
先行する同業が多い中、同社では差別化を図るために徹底的に女性目線のサービスを展開。浅倉氏の過去の経験から「元高校球児」にターゲットを絞った恋愛指南サービスを付帯したところ、他社に比べて高確率でカップルが成立すると口コミで評判が広がり、「お嫁さん」に憧れる女性から絶大な支持を集める人気アプリへと成長した。
今後も新たなサービスを構想中で、「双子」向けなどニッチな分野に絞ってビジネスを展開していく考えだ。
■真のターゲットは40代のビジネスマン
ただ、同社のビジネスモデルに疑問を呈す専門家は多い。サービスの根幹を担う恋愛指南は、浅倉氏の経験から得られた知識・ノウハウが軸になっており、利用者からは「元々かわいい人にしか役に立たないのでは?」といった不満の声も聞かれる。
また、同社の恋愛ノウハウを使うことに対し、「嫌い」「あざとい」「そこまでして男性にこびたくない」と非難する女性も少なくないことから、今後どこまで会員数を伸ばしていけるのかは不透明だ。
それでも同社では、すでに次なる一手も考えている。それが男性向けのプロジェクト管理アプリ開発だ。すでに高校球児に特化したアプリのβ版をリリースしているが、「モチベーションアップに繋がる」と話題を集めている。
練習メニューを管理して音声で知らせてくれる機能のほか、随所に恋愛要素が盛り込まれているのが特徴。このアプリのサポートを受けて甲子園出場を決めたという高校もあるという。
ITビジネスに詳しい専門家は「このサービスは高校球児に留まらず、さまざまターゲットに向けて横展開が可能」と見る。すでにパナソニック製のETC車載機には同社の技術が採用されており、ユーザーからは「運転時のイライラが軽減された」との声も。
「同社の真のターゲットは40代のビジネスマン」(前出の専門家)であり、この世代向けに仕事のモチベーションアップを促すアプリが開発できれば、さらなる伸びも期待できそうだ。
※この記事はフィクションです。
※一部修正を加えて「空想ビジネスオンライン」から転載しています。
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