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ThinkPadをSlabtop化しました。
ThinkPad、いいですよね。
壊れにくく頑丈で、サービスマニュアルもあって保守しやすい。
その上TrackPointがあるから、作業時キーボードから手を放す必要がない。
一つ弱点をあげるなら、競合に比べて少し重量が重いこと。
そんな弱点を解消し、しかもどこでもマルチモニタで使えるとしたら……?
HTCのヘッドセット、XR Eliteを入手してから私が考えることは一つでした。
ヘッドセットをかぶってThinkPadのキーボードでどこでも作業をしたい。
しかし、それにはいくつか障壁がありました。
一つ目は、日本語キーで操作できるリモートデスクトップアプリがないこと
二つ目は、外出先から遠隔地のPCに接続すると、かなりの遅延があること
三つ目は、ヘッドセット一式とPCを持ち歩くと、かさばること
![](https://assets.st-note.com/img/1707036576374-wtxNsh2oG0.jpg?width=1200)
このほかにXR Elite駆動用の外部バッテリーとコントローラが必要です。
1と2をポータブルなローカルPCで無理やり解決する構成として
しばらくは写真の様な状態で使っていましたが、やはりかさばります。
XR Eliteによるマルチモニター環境は素晴らしいのですが、ノートパソコンのようなシンプルさはありません。もっと最適化したい。
Quest3の入手とSlabtop
そんな折、Quest3を入手しました。主に仕事用ではありますがMR性能の
高さと、ちゃんと操作できるハンドトラッキングはそれだけで面白いです。
XR EliteをQuest3に変え、バッテリとコントローラーが不要になりました。
あとはキーボードとパソコンが一つになれば、荷物が2つで済むのに……
ふとTwitterをみると、Macbookの液晶部分を取り外して使っている方が
いらっしゃいます。なるほど、こういうのはスラブトップと言うのですね。
検索してみると、数年前から結構流行っている様です。
これをThinkPadでもできないだろうか…..?
Slabtop ThinkPadの作り方
早速ジャンクのThinkPadを入手し、いくつか設定を行います。
大まかには以下の通り。サービスマニュアルがあると楽ですね。
一旦ディスプレイありでImmersedの接続が簡単にできる様にする。
BIOS設定を変更し、BIOSの画面表示先をExternal Displayに変更する。
Disable Batteyで電源を落とす。
本体を分解し、バッテリー線を抜いてからLCDを取り外す。
ついでにスピーカー線を取り外す。(異常診断用のBeepを黙らせる目的)
LCD以外元通りに組み立てて穴を適当にふさぐ。
LCDとカメラ、スピーカーを外しているので起動時にエラーが表示されて
いるはずですが、これは適当に起動時にEscキーを押すことで抜けられます。
ここまでミスがなければ無事Windowsが起動するのでログイン。
ImmersedがUSBかWi-Fi Directで待機状態になるまで待ちます。
※2024/02/20追記 2の設定を入れた場合BIOSの画面はHDMIポートではなくtype-C経由のDisplayportから出力されるので注意します。
軽量マルチモニタThinkPad
あとはQuestを頭にかぶるだけ。
すると目の前には大画面の複数モニタ、そして手元には
ThinkPadの使い慣れたキーボードが現れます。 最高。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129806390/picture_pc_6555157b83ee2b6d9291a5649b55c6e6.gif)
ローカルPCなので操作の遅延も気にならず、Quest PC間をUSBで
接続しておけば、緩やかに電力を供給。
その上無線の影響を受けずに画面が表示されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1707038874859-4NVfmXuVDb.jpg?width=1200)
Quest3と合わせても1.4kg程度、元の重量とほぼ同一です。
これは実用的でしょうか
思ったよりも実用的でした。
Questで使用するImmersedの完成度は高く、あまり不安定になりません。
今回はテスト的な側面もあり、ThinkPad側の性能が少し前のものです。
それもあって3モニタ以上の環境は厳しい側面もありますが
それ以外は快適に使えています。鞄の中での納まりもよくなりました。
ImmersedのVisorが発売されたら、最新のThinkPadでやるのもありかもしれませんね。
おまけ:トラブルシュート
今回の構成は、正しくImmersedが動くことが前提です。
もしImmersedがきちんと動かなかったら?他にトラブルで実モニターを見る必要があったら?
そんなときは、QuestのOSがAndroidをベースにしていることを思い出しましょう。
任意のUSB Captureソフトと、USB-HDMIキャプチャドングルを用意すれば
QuestがどこでもPCのモニターになります。
この手のトラブルは絵をみてみればなーんだ、ということが多く
鞄にケーブルとドングルを投げ入れておくだけでなんとかなります。