スワンS 予想メモ
コース形態
スワンSは勝ち馬にマイルCSの優先出走権が与えられるが、最近はマイルCSの前哨戦という立場にはなく、純粋にスプリント路線の重賞級やマイル路線の重賞級の当落線上の馬が賞金稼ぎやスプリント路線への足がかり(お試し)として使うことが多く、一線級は出てこない。時代背景の問題であろうことは想像つくが。
TB想定
内外フラット。
馬場の傷みが進んでおり若干外差し寄りという感じで、時計もそこまで速くなく標準的。
純粋なスプリント馬よりは、(カテゴリが上というのもあるが)1400,1600を使ってきている耐久力のある馬の方が優位に立ちそう。
クランフォード
春菜賞で2着、マーガレットSで7着に敗れたものの、4月から3連勝でOP入り。
1勝クラス、2勝クラスはともにスローペースの後傾ラップを楽に逃げ・番手で先行してのもの、3勝クラスの豊明Sも内有利TBかつ超高速馬場で前が止まらない馬場状態のところを先行して内の番手でロス無く立ち回る競馬に恵まれたものなので、そこまで価値は高くない。ましてや3歳牝馬の53kgは超高速馬場においてはかなり有利になるものである。
今回も楽に先行できれば粘り込む可能性は否定しないが、想定1人気ほど重賞でも通用するだけの内容をまだ見せていないし、マーガレットSではナナオやピューロマジックなどに敗れている馬である。さらにウインカーネリアンやセルバーグなど他にも先手を取りそうな実績馬がいることや、その後ろで虎視眈々と抜け出しを図るスズハロームなどがいることを考えると、相手強化で通用しないとみてこの馬を嫌ってみるのも戦略としてはアリ。
2着以下候補。
スズハローム
CBC賞の2着は好位の内を立ち回るポジション・展開に恵まれたとはいえ、進路取りのロスも少しあったことを考えれば、最内の番手からスムーズな競馬押した勝ち馬よりも内容としてはこちらが上である。
また、京王杯SCでもウインマーベル・レッドモンレーヴは強かったとはいえ他には先着しての3着であり、重賞実績はある。
スプリント重賞の安定勢力になりそうな力は持っているし、もともとマイル路線から転向したのもあり1400で耐久力が問われても対応はできそう。
あとは、マイル重賞級とどこまで戦えるかという争いになる。内枠でロス無く立ち回れるなら、勝ち目もある。
1着候補。
ウインカーネリアン
もともとはマイルG1も走っていた馬で、実績・相手関係なら最上位的存在。
東京新聞杯はかなりの内有利TBにもかかわらず逃げてもハンデ重賞クラスの馬に差されて2着に敗れ、能力に陰りが出てスプリント転向。初のスプリントの高松宮記念は4着だったが、外を回らされたことを考えれば多少酌量の余地があるし、いきなり先行できたのは悪くない。ただし、スプリントにしてはスローだった。
今回はそこまでペースが上がりにくい舞台なので、無理せず楽に先行できるようであれば、実績面的には勝てる相手関係である。
1着候補。
アグリ
スプリントでは重賞級以上の実力で、G1ではワンパンチ足りずとも、重賞では崩れなく走る安定勢力だった。
しかし、CBC賞は全く見せ場がない17着で、原因が不明。負けすぎである。
本来の能力なら阪急杯や阪神Cなど1400でも好走できるだけに上位争い可能なのだが、今回も惨敗だとピークアウトの可能性も。
1着候補。
オフトレイル
毎日王冠の12着はドスローで超前残り展開だったため、出遅れた時点でノーチャンスだった。
ラジオNIKKEI賞は開幕週でやや内有利TBながら、外から(ロス無く持ち出してはいたが)大外一気で差し切る強い競馬だった。
ただし、2着シリウスコストはOPレベルの小倉記念でも圏外に敗れており、他も世代重賞では通用しなかったので、レースレベルはあまり高くない。
しかし、1400まで短縮するならば話は別で、一気にカテゴリ弱化。
おそらく今回も置かれる競馬になる可能性は高いが、差しが届く展開になれば一気に巻き返す可能性も。
1着候補。
ノーブルロジャー
シンザン記念勝利・毎日杯2着の実績はあるものの、NHKマイル12着のあと、米子S4着、ポートアイランドS6着とマイルOPではあまり通用していない。
1400に短縮自体はカテゴリ弱化で悪くないと思うが、上位人気はマイルの重賞級、1400重賞実績がある馬も混ざっているため、どこまで通用するか?
3着候補。
ダノンマッキンリー
気性的に難しいところがある馬ながらも、ファルコンSを内有利TBながら大外一気で制しており能力はけっして低くないのだが、5着ロジリオンだけ前壁で力を出せなかったぶん富士S3着くらい走れているという感じで、3着ソンシは連勝でOPへ昇級したので未知とはいえ、2着オーキッドロマンスは古馬と混じれば短距離OP程度、4着ナムラアトムは2勝クラスを勝てておらずという感じでレベルがどの程度高かったかは測りづらい。
また、この馬もNHKマイル13着はともかく、スプリント戦線に行ってUHB賞6着、キーンランドC7着と見せ場がないのはいただけない。
理想はファルコンS同様下げて脚を溜める競馬だが、近2走は中途半端に出していったぶん脚が溜まらなかったとするならば、それができてどこまでという感じであり、マイルの重賞級も短縮で挑んでくることを考えると、延長ローテのこの馬は買うだけの魅力に欠けるのが正直なところ。
見送り。
ダノンスコーピオン
スプリンターズSの15着は忙しすぎてついていけず、力負けであった。
また、セントウルSも12着と力負けであり、阪神Cも13着。
唯一京王杯SCだけ4着に走り復調気配と言われていたが、結局それ以降も2桁着順である。ただし、このレースではスズハロームとほぼ差が無く走っていたので、加速に難がある馬ではあるものの、京都1400なら忙しくなりにくい舞台ではあるので、楽な競馬ができればそこそこ走れる可能性も。
個人的にはほぼ見限っているものの、あと1回馬券になるとすればここか京王杯SC。
3着候補。
シングザットソング
1400~1600のOPはそこそこ走っているものの、勝ちきれない競馬続きでイマイチ。今回は重賞級も揃う相手強化であり、基本的には厳しい。
内枠でロス無く内を突く競馬、あるいは外差し決着で紛れる展開にでも恵まれない限りは買いづらい。
見送り。
サーマルウインド
北九州記念の12着は比較的ロスのない競馬ではあったものの、内を狙ったモズメイメイにタックルを食らって根負けしてしまったものと見れば、少々酌量の余地がある。
ただし、1400以上のOP実績は今回より低調なメンバーの信越S(昨年)で勝っただけで、なんとも微妙。
今回は北九州記念よりも相手強化であることを考えると、全く足りないわけではないが、好走には何かしら展開の助けがないと厳しそうには思える。
3着候補。
ジョウショーホープ
セントウルSの11着は、特段見せ場もなく力負け。
3走前にはスズハロームに完敗しており、2走前の勝ち上がりも余裕があるようには見えなかった。
よって、セントウルSよりは相手関係はパッと見はマシになっているとはいえ、彼の能力の底が割れているうえにマイルの重賞級も混ざる今回は厳しい。
見送り。
トゥラヴェスーラ
いつも人気以上には走る立派な馬なのだが、昨年高松宮記念を最後に馬券にはなれておらず、大勢決してから差してくることがほとんど。
さすがにマイルの重賞級も混ざる今回はハードルが高い。
見送り。
セルバーグ
京成杯AHの4着は今までの逃げる競馬から一転、差す競馬でもそれなりに走れたのは高評価も、勝ち馬アスコリピチェーノが強すぎて後ろのタイムトゥヘヴンが追い込めたように、彼女により前が一掃された展開に恵まれたという解釈もできる。
しかし、もともと恵まれれば1600~1800の重賞でそこそこ走れている実力なだけに、1400への短縮は高い先行力も気兼ねなく生かせると見れば悪くない。
近走好走がないだけに全く人気しなさそうだが、かなり魅力はある1頭。
2着以下候補(一発穴)。
バースクライ
CBC賞の11着は見せ場がなかったが、出遅れて最後方からになってしまったことを考えれば多少だが酌量の余地がある。
北九州記念の10着も内と前で決まるなか大外枠から中団で外を回らされたことを考えれば、これも多少酌量の余地がある。
本来、オーシャンSの3着のように内でロス無く立ち回る競馬ができればスプリント重賞なら好走可能な馬である。
ただし、今回は1400への延長でレベルが少し上がり、相手関係も揃っていることを考えると、少々厳しい。ここではなく京阪杯で内枠を引いたときに狙いたい印象。
見送り。
キングエルメス
昨年マイラーズCの7着は他のG1級3頭に捻られる完敗であり、どちらかというと前残り展開だったことを考えると、直線少し不利があったとはいえ恵まれてのものであり、また上位3頭以外はハンデ重賞~OPレベルの低調なメンバーであったことを考えるとあまり評価できるものではない。
その前の睦月Sも少頭数かつスローペースを番手からロス無く抜け出してのものであり、レース内容としては価値が低く、それ以外のOPでは通用していなかった。
また、今回1年半ぶりのレースであることを考えても、買いづらい。
見送り。
マテンロウオリオン
近走全く見せ場がないので、この状況では厳しい。
見送り。
ピンハイ(追加)
マーメイドSの9着は力負けの内容であるが、もともとは中日新聞杯3着、カシオペアS2着など中距離のOP以上でもそこそこ走れていた実力馬である。
差し脚質なので1400への一気の短縮はついていけず競馬にならない可能性はあるが、京都外回りなら普通のスプリントよりはマシ。華奢な馬でフィジカル面に弱く、加速もトップスピードも例に漏れずいい方ではないものの、カテゴリ大幅弱化である今回、馬群で包まれたりせず気分良く運べるならば、一発ある可能性がある。
1着候補。(一発穴)
総評
上位混戦という雰囲気だが、実績・先行力・耐久力を兼ね備えているウインカーネリアンが1歩リードか?
アグリ・スズハロームも逆転不可能ではなく、1400へ短縮してくるセルバーグも先行力を生かせそうな舞台で巻き返しを狙う。
世代の一線級ではない低調な重賞とはいえ、1800で勝っているオフトレイルも位置取りが後ろ過ぎず気分良く運べればカテゴリ弱化の恩恵はありそう。
このあたりが勝ちそうな馬としては有力。
上がり馬クランフォードが1人気になりそうだが、前走は実は恵まれての勝利に見えるので、相手強化を考えると嫌ってみるのも馬券戦略的には面白そう。