根岸S 予想メモ


コース形態

ダート戦の1400では唯一のオールダートによる施行となる。そのため芝が混ざる他の1400よりは1F目はやや遅くなるが、下り坂スタートでもあるためそれなりにダッシュ力がある馬は前に出ることができる。
2F目前半は多少登るので早々に隊列を決めてしまえればそこである程度抑えることもできるのだが、同型が多くそれが叶わないと4角まで下りとほぼ平坦でペースが速くなる。コーナーが緩く減速できる場所がないので、基本そのまま直線へ向く形となる。
500mある直線はラスト1Fまで坂を駆け上がるようにできているので、かなりハードでタフな競馬を強いられる。下級条件であれば全馬バテて結果的に能力のある先行馬がそのまま残ることが多いのだが、上級条件になると同型も差し馬も強力になり、競り合って前が苦しくなると後方から強襲を食らって差し決着になることも普通にある。
よって、基本は直線の長さのわりにそれなりにハイペースになることが前提になるとはいえ、メンバーの脚質や隊列をしっかり考えて前後どちらに重きを置くのかを考えておく必要がある。

TB想定

開幕週とはいえ、良馬場東京ダートが内有利になることは多くない。前が止まらない状態になることはあるので、一応チェックは必要。

フリームファクシ

すばるSの勝利は59kgを背負いながら好位の内を抜け出す競馬で0.5差つける楽勝ぶりで、力の違いを見せつけた。
なお、ベテルギウスSこそ7着に敗れたものの、コーナー4つの意味も含めて距離延長が厳しかっただけで、その前のコールドムーンSでは0.7差で楽勝しているように、ダートスプリントにおいては全く底を見せていない。
よって、重賞で相手強化ではあるものの、57kgに戻る点も踏まえると当然最有力の存在と言える。
ただし、今回かなり速い先行馬がいることや道中馬群の中で揉まれる競馬の経験は無いので、内ラチ沿いを取れる1,2枠はともかく、3,4枠あたりになるとマークがキツそうでどうか?というところも少しある。
1着候補。

サンライズフレイム

エニフSの3着はダートにしてはスローで逃げ馬が上がり2位になるくらいの展開と、直線で内ラチ沿いを通してしまい4着馬に外をブロックされ続けて前を交わす進路を作れなかったので、やや不発と見れば同情の余地はある。しかも勝ち馬はエンペラーワケアなら仕方ない。
その前の栗東Sの2着も58.5kgで逃げ馬が逃げ切る展開を後方から差して脚を余してのものだし、昨年の根岸Sの3着も東京1400にしてはスローペースで前が残る展開を差しての好走なので重賞級と名乗るには十分である。また、この勝ち馬もエンペラーワケアであり、武蔵野Sも勝利しているかなりの実力馬とするならば、この馬も暫定では彼以下ではあるものの、まだ底は見せていない。
よって、堅実な脚で崩れなく走るこの馬も十分勝ち負けできる資格はある。
1着候補。

コスタノヴァ

クラスターCの6着は行ったっきりで1,3着のレースだったため展開が向かなかったとはいえるが、差し脚でクロジシジョーやジレトールに劣っており負けすぎ感もある。ただ、湿った速い馬場や盛岡の砂が合わなかっただけと言い訳できなくもない。
欅Sではエンペラーワケアに勝利しているように、彼がこのあと武蔵野Sも強い内容で勝利していることも考えれば、この馬も中央ダートなら巻き返して強い競馬をする可能性も十分にある。
よって、流れに乗ることができれば巻き返す可能性も十分。
1着候補。

タガノビューティー

JBCスプリントの勝利は差しに展開が向いたとはいえ外からチカッパをねじ伏せ、悲願の重賞勝利・Jpn1勝利を果たした。長く前線で走りながらも衰えず走っている立派な馬であり、かしわ記念2着2回を含め対戦相手も実績も豊富である。
よって、差しが届く展開であれば十分実績上位として高評価を与えるのは当然だが、昨年根岸Sはスローを最後方から脚を余して惨敗していたり、昨年のフェブラリーSでも見せ場はあったが最後の最後で脚が止まったところをセキフウに差されたりとどうもワンパンチ足りない走りで取りこぼし続けてきたのも事実である。また、JBCスプリントで負かしたチカッパは斤量や進路取り不利であったとはいえカペラSで6着に敗れていることからも、絶対視は禁物である。
1着候補。

ロードフォンス

霜月Sの勝利は初OPながら勝利しており立派だが、重賞級不在の弱いメンバー構成と東京1400にしてはスローの展開を好位外から楽に立ち回る競馬でストレス無く走れたことは考慮すべきである。
よって、今回はドンフランキーの存在でかなり速い流れになりそうなことと、重賞級多数の大幅相手強化を考えると、前走よりは苦しい競馬になりそうであるので、人気になるようならば抑えまでの評価で十分。
3着候補。

ドンフランキー

快速逃げ馬であり、2年前のプロキオンS(中京1400)は逃げてダートスプリントの現役トップクラスのリメイクを抑えて制しているようにこの距離までなら持つ。
クラスターカップの勝利は1200にしてはスローペースで楽に逃げる展開に恵まれたのであまり高評価は必要ないが、本来は東京盃などもかなり早いペースで飛ばして後ろをすり潰す逃げで勝利しているだけに、この馬が今回の展開のカギを握ると言っていい。
実績ならこのメンバー相手なら上位であり、すんなり逃げる展開やTBの助けがあれば勝ち負けに加われる素養はある。
1着候補。

アームズレイン

ペルセウスSの勝利は1400にしてはスローで前残りの展開を生かしてすんなり2番手追走から運ぶ競馬に恵まれた。
なお、昨年の根岸Sも2着に好走しているが、これもかなりスローの展開を2番手から粘り込んだだけである。
一方、東京スプリントや松風月Sでは追走に手一杯で揉まれて敗れているように自分の形に持ち込めないと脆いところがある。
ただし、りんくうSのように差す競馬もできる馬ではあるので、今回ドンフランキーの存在を考えると、速い流れを少し控えて楽なポジションで走れるかどうかがカギとなる。
3着候補。

クロジシジョー

近走は勝ち切れてはいないが堅実に脚は使っており、伸びない外を回りすぎて不発した東京盃以外は崩れていない。
クラスターCでもスローの前残り展開を差してドンフランキーとタイム差なしまで追い詰めたように、実力自体はほかの有力どころと比較しても遜色はない。
よって、カペラSよりも相手は揃っている感はあるものの、差しに展開が向けば無視できない一頭である。
2着以下候補。

アルファマム

ギャラクシーSの勝利は後方から1頭抜きん出た末脚で差し切る強い内容だったが、メンバーが弱かったうえに位置が取れない馬である都合上どうしてもハマり待ちになっており、取りこぼしが多いのも事実。
また、ジレトールやサトノルフィアン、アームズレインなど過去に敗れた馬たちが今回多く出走しており、これらを全て逆転して差し切るのは他にも強力な差しの同型がいる以上考えにくい。
よって、後方にかなり展開が向いても好走までと考えるべきであり、当落線上。抑えまで。
3着候補。

スレイマン

チャンピオンズCの16着は負けすぎだが、G1で相手が悪すぎたと言い訳もできる。
もともと昨年はアンタレスS、プロキオンSで2着に入っているように、基本的には短距離よりレベルが高い1600~1800路線で好走しているように、実績としてはカテゴリ弱化と見れば他と比較しても遜色ない。
1400へ短縮した初戦のテレ玉杯もメンバーは弱かったにしろ2着と格好は付けている。
よって、ワンターンでスピードに傾倒するコースに替わって追走に手間取らない、かつなるべく被されない外目の枠を獲得できれば、好走の可能性も。
2着以下候補。

サトノルフィアン

すばるSの3着はそれなりに速い流れを好位外目を追走してのもので悪い内容ではないが、フリームファクシに0.7差と大きく水をあけられてしまった。
今回楽に先行できればとは思うが、フリームファクシも前に行ける馬だし、そもそもドンフランキーの存在で楽なペースにはなる可能性は低いことを考えると、相手強化で厳しいと考えるのが自然である。
見送り。

バルサムノート

淀短距離Sや朱鷺Sで好走しているものの、内枠を行かした競馬に恵まれている。
この馬のダート適性は未知だが、今回ドンフランキーをはじめとして先行馬揃いで楽な競馬にはならなそうなことを踏まえると、半端な力では厳しいと考えるべきである。
見送り。

ショウナンライシン

ジュライSの2着は弱いメンバー構成とほぼ行ったっきりの展開に恵まれたもので、グリーンCCの勝利も前崩れの展開と後方の内をロス無く立ち回って直線も内の進路をスルスルと抜ける競馬に恵まれた。
しかし、武蔵野S、すばるSと見せ場なく敗れており、距離短縮してワンターンに転向してからは基本的に位置が取れない競馬が続いている。末脚自体は出せるが、この程度であればタガノビューティーなどを優先するのが妥当であり、この馬に馬券内の1席が空く状況になるとは考えにくい。
見送り。

スズカコテキタイ

近走はOPでもいいところがなく、追い込む脚はあるにしろ今回同型により強力な馬がいる。
よって、相手強化の今回は厳しい。
見送り。

エイシンスポッター

この馬が今どれだけダートを走れるかはわからないが、未勝利時代はダート適性を感じさせる走りには到底見られなかった。
また、近走の内容も末脚が影を潜めてしまっており、ピークが過ぎた可能性も否定できない。
よって、基本的には厳しい。
見送り。

メイショウテンスイ

ジュライSこそ単騎逃げで押し切れたが、ローカルの弱いメンバー構成にも恵まれており、それ以降は一切通用していないし、すばるSも60kgにしろ見せ場がなさ過ぎた。
よって、さらなる相手強化の今回は厳しい。
見送り。

総評

実績馬もそれなりに多くかなり混戦。展開一つでいくらでも着順は変わりそう。
カギはドンフランキーが逃げることを前提にした時のペース。おそらくスローにはならないと思うので、差し馬にどれだけ目を向けるのか、それとも全員脚を失わせて前残りなのか、TBなどをよく見て考える必要がある。

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