京成杯 予想メモ


コース形態

中山の王道コースと言っていい、内回りコース周回の2000m戦。
起伏のアップダウンが激しく、要所で求められるスタミナ、末脚の持久力など総合力が求められやすく純粋な実力が物を言うことが多い。
スタート直後から中山名物の急坂が始まり、ここではそこまでラップが上がりにくい。ただここで出遅れると急坂ど真ん中で脚を使う羽目になるので危険を孕む。先行争いが早まるほど、長引くほど前が危うい。
大抵は勾配が緩む場所がある2F目で隊列を形成しに行って1角に向かうことになるだろう。坂も含めて脚を使いやすい区間だが、落ち着けば1角で息を入れながらレースを進めることができる。
2角始めが上り坂の頂点。ここからは平坦と下り坂しかない区間。向正面中ほどまで一気に下るので、ここでペースアップしないよう、騎手ら大抵ここは抑えてラップを落としにいく。というか息を入れないと持たないのでまず落ちる。
3角からはペースアップが始まり、捲り合いなども起こる激戦区間。後半長く脚を使えるかどうかがカギとなる。ここから4角の下りを生かして直線へ向き、急坂越えまで堪え切れた馬が勝ちへ繋がるだろう。
もちろん、展開次第では例外的に直線一気もたまに起こるが、割とレアケース。

TB想定

先週を見る限り、フラットでいいだろう。
内の傷みが拡大してロス無く乗るメリットが薄くなってきたので、内枠で評価を上げられるのは楽に逃げを打ちたい馬くらいになる。

キングノジョー

新馬戦は好位馬群のやや後ろの中で折り合い、直線で少し促されただけで楽に前を捉え、1F残して先頭で2馬身半差つける勝ちっぷりで、途中で捲った馬が2着、先行した馬が4,5,6着にそのまま残る展開を考えれば文句なしに力の違いを見せつけたと言える。
ただし、この組で勝ち上がりがいないのが気がかりで、かなり弱いメンバー構成に恵まれただけというのも否定できない。
よって、全体的に底割れしていて重賞にしては低調なメンバー構成ある今回、底が見えておらずまだまだ上がり目がありそうなこの馬が高評価されるのは当然であるが、絶対視までは禁物。
1着候補。

パーティハーン

新馬戦は逃げ馬の後ろのインコースを進め、直線で反応良く加速し早め先頭から押し切りを狙ったがゴール前でヤマニンブークリエに差されてしまった。スローペースの前残りとも見れるが、非凡な加速力を示しておりタイム差なしで走っているのなら悪くは無い。
ただし、ヤマニンブークリエは黄菊賞2着・ホープフルS14着と敗れており、能力的に底を見せてしまった。
続く未勝利戦では5馬身差圧勝だが、スローペースで押し切っただけで、3,4,5着もほぼ行ったっきりなので着差ほどの価値は高くないし、この組のその後も芳しくない。
よって、2000に延長でかつ格上げの今回どうか?とは思うものの、メンバー構成は低調でほとんどが底割れしている馬なので、一応まだ底を見せていないこの馬が楽に先行できた場合は押し切る可能性も考えるべきである。
1着候補。

ゲルチュタール

葉牡丹賞の2着はコース取りと位置取りの差でハナ差敗れただけなので、勝ち馬ヴィンセンシオや3着馬リトルジャイアンツとはほぼ互角。勝ちに等しい内容だし、馬場が良かったとはいえ、1.58.8の時計はなかなか。
つまり実質2勝馬的な見方でも構わないだろう。
新馬戦で2着に負かした相手がパーティハーンが5馬身突き放した未勝利戦で2着だったキタサンハナビラだった(行ったっきりの流れを差してきたので着差ほどの差は無いと思うが)ことを考えれば、こちらは0.1差止まりなので微妙にも見えるが、差し寄りの展開ならば今回のメンバーでは上位の評価ができそうである。
1着候補。

ガルダイア

ベゴニア賞の3着は行ったっきりの流れで脚を余したものではあるので多少酌量はできるが、逃げ馬のペース自体は遅くなかったのでなんとも言えない内容。また、同様に脚を余した4着レーヴブリリアントはシンザン記念で12着に敗れていること、2着シンフォーエバーは重賞では通用していないことを踏まえるとベゴニア賞そのもののレベルが低そうである。
また、アエロリットの弟でやや人気先行型。
よって、低調なメンバー構成の今回、ベゴニア賞と同等のレベルならば通用の可能性はあるものの、2000に延長しカテゴリ強化であることも加味すれば抑えまでの評価で十分。
3着候補。

マテンロウムーブ

新馬戦はアマキヒの組で、彼が逃げ切るなか2着ロジャリーマインと追い込んだが、0.6差と大きく離された。展開的には着差ほど負けている訳ではないが、ロジャリーマインはタイム差なしまで追い込んであり、次走でも着差以上の内容で未勝利を楽勝したので、彼女とは力差がありそうな内容。しかし、アマキヒ自身はホープフルSで惨敗しており、判断に困るところ。
この馬も未勝利戦はすぐに突破。スローで逃げた馬が上がり2位で3着以下を5馬身離したところを後方から追い込んで差し切る非常に強い競馬だった。
3着以下は次走以降の未勝利でも見せ場がなかったので実質一騎討ちの弱いメンバー構成だった可能性が高いが、底自体はまだ見せていないので、差しが届く展開ならば好走可能な水準。
ただ、新馬戦が離されすぎなので、それを踏まえると格上げで勝ちきるまではどうか?勝つようであれば、ロジャリーマインが相当な器になり得るわけだが。
2着以下候補。

タイセイリコルド

新馬戦は5F65秒のドスローを好位から早めに動き、向正面半ばで先頭に立って押し切りを狙うも差されて3着なのであまり強い内容ではないが、勝ち馬が東スポ杯2着のサトノシャイニング(勝ち馬はホープフルSも勝った)と見れば相手が悪かっただけとも思える。ただ、0.3差2着ミラージュナイトはその次の未勝利が葉牡丹賞3着のリトルジャイアンツに1.1差つけられる完敗だし、その次で勝ち上がったとはいえ行ったっきりの展開に恵まれただけ。
つまり、サトノシャイニングだけが強かっただけという可能性が高い。
この馬は次の未勝利でもスローの離れた2番手追走から差されているし、その次に勝ち上がったとはいえど1800に短縮したのもあるが、単純に弱い相手に恵まれただけである。(2着馬が次の未勝利で普通に負けているし、3,4着馬は勝ち上がったがその後が苦戦)
よって、今回の相手に葉牡丹賞2着のゲルチュタールがいるなど相対的には厳しい相手関係なので、荷が重そう。
見送り。

ドラゴンブースト

朝日杯の7着はスローの前残り展開で好位から伸びを欠いたものなので高評価不要であり、デイリー杯の2着も少頭数で楽に2番手追走で差されてのもの。3着馬が朝日杯で4着に走ったが、これも展開に大きく恵まれただけ。
よって、2000に延長でカテゴリ強化であることも踏まえると、基本的には厳しいと考えるべきである。
見送り。

センツブラッド

新馬戦は位置取りの差と不良馬場なので度外視可能。
続く未勝利戦でもほぼスローからの行ったっきりで位置取りの差だが、特別脚色が際立ったわけではない。
その次で勝ち上がったものの、好位から抜け出してなんとか後続をハナ差凌いだというだけで、2着馬も勝ち上がったとはいえ4度足踏みしたうえにホープフルSでは15着と一切通用しなかった。
よって、弱いメンバーで勝ち上がっただけで他の負けたレースも特に見所があったわけでもない平凡な内容なので、格上げの今回は厳しそう。
見送り。

インターポーザー

新馬戦の3着は好位から抜け出しに行くも後方から差されてのもので、スローで3~7着が逃げとその後ろで運んだ馬なので単純に1,2着とは脚の違いで敗れており力負けである。また、勝ち馬と2着馬で3馬身半、2着馬とこの馬で1馬身以上の差を付けられて力差がかなりありそうだった。
さらに、2着馬は次の未勝利戦でマテンロウムーブに完敗。
この馬は次の未勝利戦で差し切って力を見せて勝ち上がってはいるが、3場開催の中京なのでローカルに近い扱い(チャンピオンズCの日ではあったので、騎手は揃っていたが・・・)で他の馬を見ても弱いメンバー構成に恵まれただけの可能性が高いし、時計やレース内容も特筆するほどのものはない。
よって、相対比較としても、格上げの今回は厳しそう。
見送り。

ミニトランザット

新馬戦はスローで楽に逃げて行ったっきりの展開に恵まれたもので、3着以下を6馬身以上離しているのは立派だが、時計自体は平凡で、2着馬も次走の未勝利戦で取りこぼしている。
今回は2000に延長しカテゴリ強化、かつパーティハーンなど他にも先行馬がいるとなるとさすがに新馬戦ほど楽な競馬はできなそう。一応底は見せてないので、内枠を引けてすんなり行けそうなときのみ抑えるくらいで十分か。
3着候補。

パッションリッチ

葉牡丹賞ではゲルチュタールらと一緒に追い込んでの4着だが、3馬身半以上離されており、悪い意味で力が違いすぎた。
また、アイビーSも見せ場無く敗れており、このクラスでは基本的に地力が足りなさそうである。
ゲルチュタールが勝ち負けする展開で、他があまりにも弱い場合はワンチャンあるかもしれないが、普通に考えれば3馬身半の間に誰かが入りそう。
3着候補。

シマサンブラック

新馬戦は位置取りが後ろすぎたので6着ほどは内容は悪くなく、未勝利戦では好位から抜け出して勝ち上がった。しかし、2着ヤコブセンはこの後なんとか勝ち上がったが葉牡丹賞で11着と通用せず、自身も芙蓉Sでは位置取りの差とも言えなくはないが、少し離された4着に敗れたし、上位2頭はホープフルSでは7,8着と通用しなかった。
よって、基本的には厳しそうではあるが、毎回瞬発力はなくともそこそこ脚は使える馬だし、今回のメンバーはホープフルSよりは弱いメンバー構成なので、差しが届く展開になるようであれば少しだけ紛れる可能性はある。
3着候補。

ニシノエージェント

新馬戦でパッションリッチに少し離されて敗れているし、その馬も今回低評価。自身も勝ち上がりに4戦要しているので、格上げで大幅な相手強化の今回は厳しい。
見送り。

コスモストーム

朝日杯は初芝とはいえ好位から運んで前残りの展開で8着に敗れているし、今回2000にカテゴリ強化であることを考えれば、基本的には厳しい。
見送り。

総評

ソールオリエンスを輩出した一昨年、ダノンデサイル・アーバンシックを輩出した昨年と比較すると低調なメンバー構成で、ほぼ1勝クラス。底を見せていない2頭がそのまま人気になるのもやむを得ないが、どちらも強さに疑問を残す要素がある。2頭の2択なら個人的にはキングノジョーではある。
ゲルチュタールは葉牡丹賞のレベル次第では勝ち負けできる可能性はあるが、後ろから行く馬なので展開次第。
馬券としては基本的には上位3頭のどれかが勝つと見るのが自然。というか他の馬たちが弱いので、勝つビジョンが想定しにくい。せいぜいマテンロウムーブが肉薄できるかも?というくらい。
つまり、順当決着の可能性が高く、馬券はどれも安そうで買いづらい。唯一行けるチャンスがあるとしたら、ガルダイアが血統などで過剰人気した場合のみ。


いいなと思ったら応援しよう!