チャンピオンズC 予想メモ


コース形態

数ある競馬場の中でも非常に起伏が激しいコースであり、平坦ゾーンがほとんどない。ペース管理・スタミナ・ロスなく回る操縦性が非常に重要で、ダートらしい先行力だけでは通用しない。下級条件だとスローペースでも最後はバテての雪崩れ込み合戦になることもあるが、スピード能力の方が大事なので、内でロスなく回る先行馬が優勢なのだが、重賞ともなれば屈強な先行力を持つ馬が大勢いるので、そのなかでの凌ぎ合いを制することができるかどうか、もしくはそれを避けて差せるかどうかが焦点になる。
1.2角はかなりコーナーがキツいので、外に振られると大幅にロスをしてしまう。外枠の馬が内に切り込めず逃げ争ったままコーナーに入ると非常に不利になる。内枠有利と言われているのはそのため。2角から向正面に入る時に少し角度があるので、そのまま回ると馬群の最内にポケットゾーンが一瞬できるようで、そこに潜り込めるといいポジションを確保しやすいらしい。
ここまでほぼ登り坂とわずかな平坦。そして向正面中盤からは一気の下り坂ゾーン。残り2F地点ちょっと過ぎまでひたすら下り続ける。ペース管理が非常に重要で、いかに1.2角で楽できるか、下り坂ゾーンでペースを上げすぎずに410mある直線の急坂へ向けるかが重要となる。3.4角はスパイラルカーブのため、下り坂で加速をつけた差し馬がスムーズに外を回して直線へ向けるようになっている。とはいえ距離ロスがあるので、そこも馬の操縦性と余力次第になるのは言うまでもない。
とにかくこのアップダウンの激しさが中京ダの売り。
3回の登り坂のスタミナ比べの中でどれだけ力を発揮できるかがカギ。

TB想定

今のところはフラット想定。

レモンポップ

国内ではG1、Jpn1を5戦5勝としている馬で、また生涯でも連対を外していない。ダートでは現役最強クラスの能力を誇る。
ただし、いずれも前残りの展開や内有利TBに恵まれたものであり、昨年チャンピオンズCの勝利は大外枠から逃げて勝利したとはいえ、前残りの展開と内有利TBに恵まれており、内容だけなら2着ウィルソンテソーロと差は無い。
また、昨年南部杯は2.0秒差つける大楽勝だったが、今年はペプチドナイルに競りかけられて0.1差まで詰め寄られており、ペプチドナイルが強くなったのも否定しないが、彼自身も少しずつピークが過ぎて能力的に陰りが見えている可能性も否定できない。また、地力決着の面もあるにはあるが、3番手ミックファイアが4着に残ったように行ったっきりの流れでもあった面もある。
また、昨年よりも先行馬揃いで、勝負どころで競りかけられるリスクが高く、昨年ほど楽にさせてもらえるとは限らない。
よって、現役最強クラスのこの馬は勝ち負けできて当然ではある一方、昨年よりも条件は悪くなりそうなことは考慮すべきである。
1着候補。

ウィルソンテソーロ

昨年チャンピオンズCの2着は内有利TBで内で溜めたとはいえ、行ったっきりの流れを後方から追い込んでのもので負けて強しであった。
しかし、続く東京大賞典の2着はスローペースで逃げて前残りの展開に持ち込んでのもので、これはそこまで価値は高くない。(勝ち馬ウシュバテソーロが強すぎただけではあるが)
フェブラリーSの8着はハイペースに巻き込まれたのでこれは同情の余地があるし、帝王賞の2着も悪い内容ではなかったが、ダートグレード常連レベル(G1級ではない)のディクテオンに迫られているのはなんとも言い難い。
JBCクラシックは4馬身差つける圧勝ではあったが、2着メイショウハリオも一時期の強さはない状態の馬で、3着はキリンジ、4着シルトプレを考えるとメンバーに恵まれた感も否めない。
また、コリアCも海外遠征ではあるがクラウンプライドに敗れている。
よって、昨年の内容ならばレモンポップの逆転は可能ではあるとはいえ、絶対視できるほどではない。
1着候補。

サンライズジパング

みやこSの勝利は終始外からの競馬でマクリ気味に差し切る強い内容で、3歳馬ながらいきなり存在感を示した。
また、負かした2着アウトレンジは次走浦和記念で大楽勝、3着ロードアヴニールもマーキュリーCで3着の実績馬であり、他にもミッキーヌチバナやオメガギネスなど相手に恵まれたわけでもない。
一方で世代戦であるJDDでは3着に敗れているが、1角でロスがあったのと、外を回り続けてフォーエバーヤングと真っ向勝負を挑んだものの彼が強すぎて潰された結果、後ろを虎視眈々と追走していたミッキーファイトに差されたという見方もできるので、少なくとも2着馬とは悲観するほどの差は無い。
また、今年の3歳ダート勢はそのフォーエバーヤングがウシュバテソーロにも先着しBCクラシック最先着したうえ、JBCスプリントでもチカッパが2着に好走するように比較的ハイレベルに見える。
よって、砂被りを嫌う馬なので枠や立ち回りには注文がつくものの、競馬が噛み合えばいきなり通用してもおかしくない。
ただし、今回更なる相手強化であることは頭に入れておくべきである。
1着候補。

ペプチドナイル

南部杯の2着はレモンポップの0.1差2着とみれば立派だが、行ったっきりの流れでもあったことを加味すれば過剰に評価しすぎる必要は無い。
また、フェブラリーSの勝利はハイペースを前受けして勝ち切った強い内容ではあるが、レモンポップ、クラウンプライドなどG1級不在のメンバーだったことも事実である。
また、ほかにも東海S6着、かしわ記念もシャマル(さきたま杯3着、東京盃3着、JBCスプリント7着とそこまで抜けていない)が逃げ切るところを番手から3着に敗れているので、昨年のエルムS13着、みやこS4着の頃に比べれば馬が良くなっている可能性はあるにしろ、実力的にはG1馬の実績ほどかは疑問符は残る。
よって、人気になるようであれば抑え程度の評価で十分に思える。
3着候補。

ハギノアレグリアス

昨年チャンピオンズCの6着は内有利TBのなか外を回って伸びを欠いたものなので、着順ほど悪い内容ではない。
もともとダート界では重賞級上位の馬で、G1では少々結果が出ずとも多くの重賞で勝ち負けを繰り返してきたが、今年春の内容はやや低迷。ピークアウトかと思われたが、秋初戦のシリウスSは内でロスのない立ち回りだったとはいえ59.5kgを背負いながらフェブラリーSで1人気だったオメガギネス(これも59.0kgで、重賞実績豊富)を差し切る強い内容で、復活を印象づけた。
よって、今回のメンバーにおいては実績面でも全く見劣りしないので、昨年よりもTBや枠など条件が好転すれば、巻き返してくる可能性はある。
2着以下候補。

ガイアフォース

初ダートとなったフェブラリーSではいきなり2着に好走して見せたが、ハイペースで縦長になったおかげで単騎ポジションを確保し、直線は外に出してなるべく砂を被らないようにする完璧な競馬ができたことに恵まれたところがあり、またメンバーも今回ほど揃っていなかったので、過度に評価は与えられない。
なお、今年の安田記念では4着と実力自体は健在であるが、気性が難しく、中距離で被される競馬だと力を出し切れていないことから、緩急が少ないワンターンで結果を出している傾向にある。ダート戦なので芝ほどはペースが動きづらいことはプラスに働きそうだが、コーナー4つの1800でどこまで我慢が効くかは未知である。
よって、勝ち馬ペプチドナイル同様の抑え程度の評価で十分に思える。
3着候補。

クラウンプライド

昨年チャンピオンズCの11着は内有利TBに対して終始外を回って追走し続けたものであり、同情の余地はある。なお、一昨年は2番手からロス無く立ち回って2着に好走しているように、コースが合わないわけではない。
かしわ記念の12着は負けすぎだが、海外帰りかつ水が浮く馬場が合わなかった可能性が否定できず、さらに躓いたりと全くリズムに乗れていなかったので、これは度外視可能である。
マーキュリーCの勝利は前が潰れる展開を早め先頭から押し切る内容であり、タイム差なしに追い込んだビヨンドザファザーはせいぜいOP~G3レベルだが、展開と斤量差3kgを加味すれば着差以上の内容であった。
昨年夏からパフォーマンスに陰りがある感じはあるものの、コリアCもウィルソンテソーロを負かして連覇しており、力はまだあるので、内枠からロス無く先行して立ち回れれば十分好走可能である。
2着以下候補。

セラフィックコール

昨年チャンピオンズCの10着は内有利TBもあって大外ぶん回し、かつ行ったっきりの流れではどうにもならなかった。
帝王賞・川崎記念は負けすぎだが、これまで後方追い込みばかりだっただけに、外から被されたり馬混みの狭い中の追走だと嫌気が差して走らない可能性が否定できない内容だったので、見方によっては度外視可能である。
一方、気分よく走って外を回せれば昨年みやこSやダイオライト記念のように強い内容を引き出してくる。
今年は昨年より先行したい馬が多いので、TBがフラットかつ内すぎない枠で楽に追走し、前が潰れる展開になるようであれば巻き返してくる可能性はある。ムラがあるだけに穴ならば賭けられるタイプ。
2着以下候補(一発穴)。

ドゥラエレーデ

昨年チャンピオンズCの3着は内有利TBを生かして内の番手を追走する展開に恵まれて行ったっきりの流れで好走したものである。
また、その年の東京大賞典もスローペースの番手で運んだことに恵まれての3着であり、見た目ほどの価値はない。
フェブラリーSの12着はペースが速すぎて潰れたもので同情の余地はあるが、エルムSの2着は実績のわりにはOP~G3レベルの馬相手に淡泊な内容、みやこSの11着も競られたとはいえ負けすぎである。
よって、内有利TBで内枠を引いて先行できれば昨年同様好走できる可能性はあるが、先行馬揃いなのと最近の内容が悪いので、抑えまでの評価で十分と考える。
3着候補。

ミックファイア

昨年の南関三冠馬。
南部杯4着、フェブラリーS6着とそこそこは走っているが、どれも離されて負けているし、昨年東京大賞典では全く通用しなかった。今回は南部杯やフェブラリーSよりもメンバー揃いで厳しい可能性が高い。
見送り。

テーオードレフォン

福島民友Cの勝利は弱いメンバー構成とローカルにしてはそこまで速くないペースで好位内でジッとする競馬、かつ勝負どころで馬群がばらけてそこまでストレスの掛からない立ち回りに恵まれたもので、3馬身半差はつけているが、弱い先行馬が残る展開だったのでそこまで価値のあるものではない。
また、エルムSの3着は前残りの展開を3番手から粘ったものであり、そこまで強い内容とは言えない。名古屋城Sも内有利TBで行ったっきりの流れを勝利しただけで、マリーンSも同様の3着。
力勝負では大沼S4着、アンタレスS12着のように重賞級にあるとは言い難い。
よって、相手強化のG1では厳しい。
見送り。

ペイシャエス

武蔵野Sの4着は勝ち馬エンペラーワケアに着差以上の力負けであり、そもそも武蔵野Sは重賞にしてはメンバー構成が小粒だった。
また、エルムSで勝利しているが、ドゥラエレーデについていく展開に恵まれたのと、これも相手がそこまで強くなかった。
マーチSも行ったっきりの流れで3着止まりであり、これらを踏まえると大幅相手強化のG1では厳しい。
見送り。

スレイマン

ここ最近は重賞でも一定の活躍をしており、包まれない競馬であればそれなりに走る。
ただし、プロキオンSはヤマニンウルスに完全に力負けしており、平安Sでは行ったっきりの流れを3番手から失速して10着と特段重賞でも抜けているほどの能力は無い。
よって、今回はかなりの相手強化であり、基本的には厳しい。
見送り。

アーテルアストレア

牝馬限定交流重賞の常連馬だが、能力的にはアイコンテーラーと同等くらい。
そのアイコンテーラーですら混合OP~G3レベルであり、大幅相手強化のG1では厳しい。
見送り。

グロリアムンディ

ブラジルCで復活勝利を収めたが、メンバーはOPにしては揃っていたとはいえ重賞以下であり、昨年春以降は鳴りを潜めてしまっていた。
よって、これだけメンバー揃いのG1では厳しい。
見送り。

ミトノオー

単騎逃げできればそこそこ粘れるのだが、競りかけられると脆い。
今回はレモンポップをはじめとして先行馬が揃っているので、3角で被されて厳しい展開が予想される。
見送り。

総評

単純な能力ならレモンポップが最上位だが、昨年はTBや展開に恵まれたこと、今年の内容がやや昨年より見劣りすること、昨年より先行馬が多いメンバー構成であることから、波乱の可能性も否定できない。
差し馬の台頭やTBには十分注意を払って予想を組み込む必要があると言えるだろう。
1着候補、2着以下候補も状況によっては評価を逆転させて最終予想にすることも考慮したい。

いいなと思ったら応援しよう!