紫苑S 予想メモ

コース形態

中山の王道コースと言っていい、内回りコース周回の2000m戦。
起伏のアップダウンが激しく、要所で求められるスタミナ、末脚の持久力など総合力が求められやすく純粋な実力が物を言うことが多い。
スタート直後から中山名物の急坂が始まり、ここではそこまでラップが上がりにくい。ただここで出遅れると急坂ど真ん中で脚を使う羽目になるので危険を孕む。先行争いが早まるほど、長引くほど前が危うい。
大抵は勾配が緩む場所がある2F目で隊列を形成しに行って1角に向かうことになるだろう。坂も含めて脚を使いやすい区間だが、落ち着けば1角で息を入れながらレースを進めることができる。
2角始めが上り坂の頂点。ここからは平坦と下り坂しかない区間。向正面中ほどまで一気に下るので、ここでペースアップしないよう、騎手ら大抵ここは抑えてラップを落としにいく。というか息を入れないと持たないのでまず落ちる。
3角からはペースアップが始まり、捲り合いなども起こる激戦区間。後半長く脚を使えるかどうかがカギとなる。ここから4角の下りを生かして直線へ向き、急坂越えまで堪え切れた馬が勝ちへ繋がるだろう。
もちろん、展開次第では例外的に直線一気もたまに起こるが、割とレアケース。

TB想定

開幕週なので、まずは様子を見たい。
秋初めの中山は野芝中心なので時計が出やすい。基本的にはロス無く立ち回るほうが利があるので、内有利になりやすい。

ボンドガール

3歳春は牝馬限定戦を捨てて混合戦であるNZT、NHKマイルという路線を選んだがお世辞にも上手くいかず低迷も危惧されたが、初の古馬戦は牝馬限定重賞であるクイーンSを選び、いつもと違う差す競馬で2着に好走。勝負どころでやや前が詰まるなどスムーズに行かなかったところもあったため、ほぼ位置取りの差で負けて強しの内容だった。また、馬群を割れる根性も示し、序盤から位置を求めず控える競馬ならば折り合いもすんなりついたのも収穫といえる。
しかし、負けた相手はオークスで大敗しているコガネノソラなので、決して世代トップに名乗りを上げられるようなポジティブな話にはならない。
ただし、そうは言ってもクイーンSは古馬牝馬重賞である。混合重賞級はいなかったのでけっしてレベルが高いレースとは言えないが、少なくとも混合OPまでなら通用する馬たちであるため、この馬は古馬OPでも戦える実力であることは証明した。
今回のメンバーでそれと同等の実績馬はおらず、ほぼ条件級。しかも世代OPですらまともに戦えてない馬もいる超低レベルな構成であるため、今回はこの馬が文句なしに実績最上位。
前回同様後方に控える場合、開幕週で届かず取りこぼし、という可能性はあるものの、能力だけでどうにかできてしまえる実力格差がありそうなのも事実で、結論としてこの馬に逆らう要素はない。
1着候補。

エラトー

チューリップ賞は9着と見せ場はなかったが、函館で2連勝。ローカルかつ紛れやすい舞台なのでレベルが高いとは言えないが、北海HCは楽勝と言えるものだった。しかし、離れた2番手の絶好位かつ52kgに恵まれたのも事実で、やはりめちゃくちゃ強い、という感じには見えない。
そうは言っても3勝馬で今回の中では実績上位。
ボンドガールを倒すのは厳しそうだが、他の馬たちには格を見せつけて好走の可能性は十分。
2着以下候補

クリスマスパレード

関東オークスはダートであるため度外視可能。
フローラSの4着は逃げて勝ってきただけに外3頭目を回り続けたぶん苦しくなったとは言えるが、メンバーレベルを考えればもう少し格好はつけたかった。
また、フローラSは1勝クラスに近い低レベル重賞である。
楽に先行できれば好走可能であるが･･･
2着以下候補。

ミアネーロ

フラワーCは勝っているが、メンバーレベルとしては1勝クラス並で高評価するべきではない。オークスは全く通用しなかった。
他もOPすら通用してない馬だったりと大概なので圏内は可能性はあるが…
2着以下候補。

ホーエリート

フラワーCは2着だが(以下略)
2着以下候補。

ハミング

2連勝中の内容は悪くなく、前走はハイペースのなか徐々に位置を上げて押し切っていた。
ただし、牝馬限定戦であるため本来よりもレベルが低い一戦だったとも言えるし、3歳馬のなかで世代OPに出ていたような馬もいなかった。
よって、2連勝中というほどの過信は禁物である。
3着候補。

レイククレセント

1勝クラスで2度取りこぼしているが、2走前はフォーザボーイズに離された6着ではあるが、ドスローを出遅れたぶんのものなので1.0差は離されすぎだがまだ酌量の余地はある。
前走も勝ち馬と併せる形で競り負けた格好だが、内有利TBのなか外を回らされたぶんなのでこれもまだ同情の余地がある。
よって、2勝馬と同じ扱いで好走の可能性はあると判断しても問題はない。
3着候補。

フォーザボーイズ

1勝クラスでフローラS1人気(7着)だったバロネッサを下しているが、ほぼスローの行ったっきりなので価値は高くない。
フラワーCでは見せ場なく敗れているので、基本的にはあまり力は高くないと見ている。
3着候補。

サロニコス

Fウォーク賞は世代重賞でもそこそこ走っていた馬が相手でさすがにメンバーが強すぎた。
その後の1勝クラスはすぐに勝ち上がったが、スローの瞬発力勝負を好位から抜け出したものでありそこまで価値は高くない。
通用の余地はあるが･･･
3着候補。

テリオスサラ

過去重賞でも通用せず、1勝クラスも普通に負けており、このメンバーでも苦しい。
見送り。

イゾラフェリーチェ

デイジー賞でエルフストラックを負かして2勝はしているが、エルフストラック自身まだ2勝目を挙げておらず、低レベルだった可能性が高い。
スイートピーSでは見せ場なく敗れており、基本的には厳しい。
見送り。

バランスダンサー

1勝クラスでも見せ場なく敗れており、基本的には厳しい。
見送り。

ガジュノリ

函館の1勝クラスではスローのほぼ行ったっきりを2番手から抜け出しただけなので価値は低い。
シンガリ人気想定ほど弱くはなさそうだが、アネモネSの見せ場のなさと、1勝クラスで2度普通に負けていることを考えると、底は見えているように思える。
見送り。

総評

どう見てもボンドガールが傑出で逆らう余地がない。
他は大混戦。このレースで馬券を買うならボンドガールから2着以下候補にシンプルな馬連で流してオッズが見合うかどうか、くらいしかなさそうで、3着候補はほぼ見送りのようなもの。つまり変に3連単とかやるとリスクとオッズが見合わなくなるので、それをやるくらいなら見送りが妥当といえる。