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「チ。第2集」から今を生きる希望を考える

何ヶ月か前に気になるタイトルとして購入し、今読むべきタイミングだと意気込んだわけでもなく、作品に不思議と引き寄せられ目の前の作品な最大出力を自分自身のコンデションによって引き出す瞬間が人生で何度かある。このような瞬間は大体後々になって、あの作品に触れておいてよかったなとか、あの作品なら今の自分を肯定してくれると確信して読み返す瞬間とは全く違う喜びがある。

今の私を救ってくれたのは『チ。ー地球の運動についてー第2集』という漫画。ネットを知らなかった中学生時代何かを残すという仕事に就きたく建築士を志していた時代があったが(ネットは意識せずとも世界に対してさまざまなものを残すことができるため、この意識は気付けば薄れてしまった。)、この作品を読んでいると中学生までの自分の感性というのは本能に近い部分があり今は無くしてしまった自分自身への信用を含んでいることを思い出させてくれる。

この作品の時代設定は15世紀ヨーロッパ、地動説を研究する人々の研究過程を描いている。宗教色が強く、神様や天国に希望を見出し生きている人々は天国に希望を見出すあまり地球に美しさを見出すことができなくなっていた。そんな中一人の男性がいう

『本当は信じたいだろ?この星は生きるに値する素晴らしい何かだと。』

信じたい。死にたいわけではないが生きたいと強く言い切れない日々が最近は続き、何か夢や希望を持たなくては私は善い人生を送ることができないともがき続けていた。この世に生きる希望を見出す方法、それは

『私が死んでもこの世界は続く。だったらそこに何かを託せる。それが喪失まみれのこの世界から生まれたある種の希望だ。』

そして冒頭に還る。自分かいつかいなくなるこの世界に何かを残したい。中学生の時、漠然と認識していたこの想いは自分が存在するべきに値する人間であるための希望であったと強く認識させてくれた。
何かを残したい、手始めに『チ。ー地球の運動についてー第2集』が最高であったこと伝えたい。


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