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商業で病んで頭が創作拒否していたのがようやく挽回してきた

寝る前に書き残し。

私は夜寝る前に、空想のお話を頭の中で巡らせて自分だけの楽しい世界に浸りながら眠りにつくという習慣がありました。
それはそれは楽しくて。
現実世界では息を切らしながら生活しているけど、寝る前のこの空想物語は自由でドラマチックで、まるで学生の頃に現実逃避したRPGのようでした。
自分が揃えたい「こんなキャラがいたら素敵だな」というキャスティングをまず考え、この子たちがどんな関係ならエモいかな?この子たちが何をしてたらワクワクするかな?なんて考えながら世界観設定を作っていく…そしてその世界でみんなを動かして楽しんでいたのです。

それを初めて漫画原稿に起こしたのが今から約3年半前です。下手くそながら、見よう見まねで描きました。
目の前に絵として表現されていく物語を描くのは楽しくて仕方がありませんでした。
そして当時の友人の勧めで商業漫画家の道を目指すことになり、2年前にデビューしたのですが、とにかく「商売」「お金」「儲け」「数字」という理念で動いているのが商業漫画家だということを知りました。
私はそういうギスギスしたのがすごく苦手なんですが、上を目指すなら優しさを捨てる覚悟で飛び込んでみたのです。

でもやっぱりダメでした。
黒く染まっていく自分にも耐えられませんでした。
そんなにお金や数字のことを考えて仕事したらどんどん汚い人になってしまう、と。

今まで楽しく空想していたことを、他人からダメ出しされていく感覚でした。
それからというもの、面白く変えてとか企画考えてきてとか言われると全く頭が働かなくなりました。
大切な我が子であるキャラクターも、お金にする為にはこう変えて…などのテコ入れが入る。
私には耐えられなかったんですよね。
宇宙から降ってくるように沸いたアイディアやお話が捻じ曲げられていくようで。


確かに、型にもはめながら大衆が楽しめる形に整えるのは大切だと思います。
作者だけの独りよがりな作品になってしまっては、意味がないとも思うのです。
でもそこに「儲け」も含む改変が入ると、お金の為に漫画を描きたいわけじゃない私からするとものすごくストレスでした。
なんといっても、私が目指しているのはあくまでキャラクターデザイナーであり、漫画家で大成することではありません。
漫画家の道に来たのは、キャラデザのお仕事をもらうための知名度活動でしかないのですね。
お話を考えるのは好きだし得意な方なので、私にもできそうだなと始めてみただけだったので、どんどん望まない方に逸れていく感覚が強く、私は漫画は生活の為に描くより自分の使命として描くべきと判断したのでした。
だから出版社とお仕事する時は、受注です。
技術提供です。
自分のメッセージなどひとつもありません。
売りたいのは私ではなく出版社なので。

よくこのような、商業やめて一次創作してますとか、漫画すら描くのやめましたという方、多いですよね。
一部の人しか上に行けないと言われるのは、運がすごく良かったか、漫画を心殺しても描ける人でないと続けていけないからです。
(まぁ、芸能関係や音楽の業界も同じだとは思いますが💦)

こうして商業から身を引いた人は、自分のことを責めたりもするようなのですが、勝ち負けとかじゃなく、自分とは作品作りのベクトルが違うコミュニティーなだけなので気にしなくていいと思うんです。
商業流通させたければ、出版社を頼らなくてもどうにでもなります。
1人で全部やるのでめんどくさいかもですが(笑)
もっと言うと、日本に限定しなくても、海外で自分が受け入れられる可能性だってあるのでほんとにやろうと思えばなんでもアリです。
どうしても出版社のブランドにこだわりたい方は、覚悟して己の心を殺すしかないと思います。
耐えれるかどうかはその人の性格やキャパによるので勝ち負けは関係ないですよ。
限界を超えるのに挑戦するにしても超えすぎたことをやると心を壊しますし。再起不能になったら元も子もないです。
自分で自分の行く道や退路を縛ってしまわなくても、私たちはいつだって自由に選択できる。
私たちの人生はどう生きようと私たちの自由です。
他人の物差しで言う幸せなど、蓋を開ければ本人たちは不幸のどん底だったりします。
他人から見て裕福でなくても羨ましいポジションにいなくても、自分がこれくらいがちょうどいい!心地よい!幸せ!と感じれる人が結局幸せな最期を迎えられると思います。

私はその為に終活しているし、ほんとになりたい自分の為に動きます。

このことは、忘れちゃいけないなと思ったのでここに記録しておきます。

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