【橈骨神経麻痺】体験記
「橈骨神経麻痺」ですね
完治した今振り返るともはや自分らしいちょっと変わった人生エピソード。
なので、もし橈骨神経麻痺になってよく分からなくてたくさん「橈骨神経麻痺」で検索かけている方、それでこの記事にたどり着いた方がいるのであればちょっと気楽に読んで欲しい。
1.飛行機での出来事
それはドイツ旅行からの帰りの便での出来事。
経由地のドバイへ向かう6時間のフライトで、6泊9日フル観光で疲れ切った私はネックピローを使うことを忘れ、自分の左腕を枕にして眠りについてしまった。
たった2時間くらい眠った後の出来事だったと思う。
機内食が出るタイミングで目覚めると
左手がおかしい!感覚がない!手が上がらない!
と1人であたふた。とりあえず隣の友達にちょっと左手がおかしい、と訴え、機内食も受け取れる状況ではなかった為、代わりに受け取ってもらった。
友達が症状から検索してくれてこの症状似てる…でもリハビリ必要って書いてあってちょっとやばそう…って言って見せてくれた記事がこちら
ええ、あなた何でそこで真に受けなかったんですかね、まさにそれなんですよ。同じ状況すぎるのよ。きっと焦ってて思考回路停止してたんでしょうね。えー、そんなわけないよーってそのときはサラッと受け流してしまった。というのも今では笑い話。笑
2. いつ治るの?
とりあえず脳に何かあったらまずい、と脳神経の検査を受けたが、結果的には前述した「橈骨神経麻痺」と診断がついた。随分いかつい病名で少々ビビったり麻痺してるだけかとちょっと安心したりしながら、脳裏にある不安は「いつ治るのか」。
医者に聞いてもその状況を実際見てないから何とも言えない。と言われとりあえず薬を出されるだけ。
それを真面目に飲み続ける意外自分にやれることはない。無力。
たくさん検索すればするほど、治りにくい、とか治るまで1〜3ヶ月、リハビリが必要で悪ければ半年以上とか範囲の広い情報ばかりで、こればかりは「状況による」しかないんだろうな、と悟る。だが、「いつ治るか分からない」状況は先の予定が立たない不安と焦りが伴い、精神的にとてもよろしくない。笑
友達に「手が死体のようで恐」と言われたり、上司に「ハネムーンシンドロームだよね、あっ、腕枕はされる方かっ!」といじられたり(現実とだいぶ違う)、周りの優しい人たちにたくさん話を聞いてもらったり、時々息抜きしながら
結果的に私は「1ヶ月半」で完治した。
3.日常生活
「右手」ではなく、「左手」だからなんとかなるのではないか、と思われるかもしれないが割とそうでもなかった。
「左手首が上がらない、うまく指に力が入らない」ということで困る日常生活が以下4つだ。
•シャワー、ドライヤー
•仕事
•運転
•楽器
この4つがおぼつかないorできないのが結構厳しい。
特に楽器に関しては、「定期演奏会まであと3ヶ月」という期限があったからとても焦った。
自分が楽器ができない間、時は待ってくれない。
リハビリとして弾いてみようと楽器を手に取ると、そもそもチューナーを楽器に付けることができない。というもどかしさ。そして握力が足りなくて弦が上手く抑えられない。
こういうときは、できないことに向き合うより左手が使えないことをどれだけ意識しないか、に注力した方が精神的には良さそうなものだ。しかし、使えない左手は常にここにあるわけで、いつも当たり前に自分がしていた生活ができないのは嫌でも事実としてあるわけだ。なので自分的解決はとことんできないことと向き合って少しずつでも良くなっていくように少しだけ無理して動かしていくこと(無理しすぎるとあとから痛みが強くなる)、薬を忘れずに飲み続けること。この目の前にある2点に注力していくしかなかった。
この経験をしたからこそ、治った今は橈骨神経が正常に機能していることに凄くありがたさを感じるし、「楽器を弾ける」という日常の中の幸せをより実感することができるようになった。
普段何気なく楽器を弾く全員に「橈骨神経麻痺」にならないように気をつけてと言いたい。そして楽器が弾けることを始め、今ある小さな日常1つ1つが「幸せ」なことだと気づいて欲しい。