言葉にした途端に
谷川俊太郎の詩で「ものは、手に入れた途端に、ちょっとつまらないものになる」という意味の一節があった。
それと同じように、言葉にした途端に、本当に伝えたかった心の量や質が少し変わってしまうとよく思う。
そう思うから、僕はついつい同じ言葉を繰り返してしまう。
言葉は誰かと繋がりたい、心を伝えたいから生まれたもので、だからこそ百万語以上の言葉があると思うけど、それでもなお伝えきれない心がある。
心に追いつこうと言葉が必死で追いかけている姿(?)を想像すると、言葉が心に叶わぬ恋心を抱いているようで、けなげだなあと感じてしまう。
多分追いつくことは今後もなくて、ずっと恋うて追いかけてばかりなんだろう。
言葉のそういうところも好きだったりする。