つぶあんマーガリンコッペパンの抗えなさ
仕事がたてこんでいて、とうとう昨日は休日出勤&深夜残業で会社を出たのが午前3:30だった。
しかもぶっ通しで仕事をしてたのでご飯も食べてない。こんな時間から食べるのもなあと思ったが、痛いくらいお腹が空いてたのでこのままでは眠れないとコンビニに寄った。
軽いもの、とりあえずこの空腹をゼロに戻してくれて余計なプラスをしないもの、と思いながら、セブンイレブンのつぶあんマーガリンコッペパンを手にとって会計する。
たぶん正解は春雨ヌードルだったはずだ。ゼロカロリーのゼリーでもよかったし、ヨーグルトだって視界に入ってた。
なんでいつもつぶあんマーガリンコッペパンの魅力にこうもやすやすと組み敷かれてしまうんだろう。余計なプラスしかない食べ物じゃないか。つぶあんとマーガリン。脂肪と糖でできている代表格。小さな体を456キロカロリーのエネルギーで満たした憎い奴。
あまり食材のことに詳しくない僕でさえ知ってる「マーガリンは体に毒(海外では発売禁止になってるのよ!)」というまことしやかな噂。というか事実。
それと砂糖たっぷりのつぶあんを合わせるなんて、どんな常識知らずが思いついたんだろう。
初めてナマコを食べてみようとした人に感じるのは変態じみた好奇心だけど、つぶあんとマーガリンをコッペパンに挟もうと思った人には狂気じみた欲を感じる。
いちご大福はわかる。甘さの中にほんのりとした酸味を加える。異なる魅力を掛け合わせて新しい価値をつくろうとしている和菓子職人の真剣な表情が目に浮かぶ。
シロノワールは、子供のために、ちょっと見た目は悪いけどお手製のお菓子をつくる優しい母親の姿を思い起こさせる。
でもつぶあんに、ほぼ脂のマーガリンを組み合わせようとしている姿を想像して浮かんでくるのは、欲のかたまり、スターウォーズのジャバ・ザ・ハットだ。もはや人間じゃない。
それなのに、いやそれだからこそ抗えないつぶあんマーガリンコッペパン。
そもそも人間は最後の最後には理性じゃなくて欲望に負けてしまう生き物なのかなあ、と深夜4:00の商店街をつぶあんマーガリンコッペパンを頬張りながら歩く。ま、それはそれで楽しいな、と思いながら。