莫迦じゃない人間が基礎理論をやるのはよくない
という言葉が「三体」という本に出てきてずっと気になっている。
直感的に「そうだよな」と腹落ちしたんだけど、なんで腹落ちしたのか説明できないからだ。
基礎理論をするということは知識的には卓越してるんだろうし、頭もいいはずだ。でも莫迦じゃないといけないというのはどういうことだろう。
多分ここでいうバカとはピュアな熱量を持ち続けられるということなんじゃないか。基礎理論はすぐ役にたつわけではないし発見までは地道なトライアンドエラーの繰り返しだ。効率を求める人には難儀な仕事だ。思い込みも含んだピュアな熱量で動き続けることができないと難しい。
むしろ頭がいい人が効率を求め出すと、基礎理論はそこそこのレベルで一般化され、消費され、風化してしまう。
だからこそ、初期衝動そのままにピュアに進んでいけることが大事だということなのでは、と思った。
最近特に仕事で思うのだが、何か新しいことをしようとすると「マネタイズ」という言葉で頓挫することがある。
確かに企業活動だからマネタイズは大事だ。続けられなくなるし。でもマネタイズできるもの探しになってしまうと、それはすでに新しいものでもなく、またすぐ真似される競争力のないものになってしまう。
そうならないためには、長期的な視野で物事を見ることが大事だし、何よりピュアな熱量を持つ人たちをきちんとピュアなまま評価することが大事だ。
なかなかそんな人は見つからないと思うかもしれない。そうかもしれない。でも見つけ方は簡単だ。
すっごい楽しそうだな、この人。
という人を見つければいい。