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ジャイキリしたのは奈良育英の方だった…という話~奈良県高校サッカー新人大会準々決勝vs畝傍戦~
こ2024年1月7日(日)から開幕した新人大会も佳境を迎えて1月20日(土)は準々決勝4試合が開催されました。
◼️畝傍高校vs奈良育英高校
個人的に残った8校中この試合で勝った方が優勝するだろうと思っていた奈良育英高校vs畝傍高校の試合を観戦してきました!
試合前のアンケート調査の下馬評では6対4の割合で奈良育英が勝つという結果になっていました。
◼️準々決勝アンケート!
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 14, 2024
奈良育英高校vs畝傍高校
どっちがBest4に進出?#高校サッカー #奈良県 #新人戦奈良
まぁ当然と言えば当然の結果で奈良育英の昨シーズンは、県内3冠(インハイ・県リーグ・選手権)獲得している訳ですから、県内王者と言っても過言ではありません。
対して畝傍は新人大会の前年覇者で新人戦では、王者奈良育英を撃破しての価値ある優勝で近畿大会に出場しており、近年実力を積み上げてきた新鋭勢力であります。
この試合は1回戦で観た畝傍が選手権県大会で観た時と比べて、めちゃくちゃプレークオリティが上がっていたので、選手権本大会に出場していた奈良育英が新チームな上に、シード校として初戦がこの準々決勝からという事もあって、この試合に限って言えば個人的に畝傍が勝つだろうと予想していました。
◼️前半戦
スタートメンバーは下記の通り、畝傍はアンカーポジションを明確にする1-4-1-4-1で、奈良育英は安定の1-4-4-2としてきました。
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注目されるゲームは準々決勝に期する思いで挑んで来たのか、畝傍が前半戦序盤から奈良育英を圧倒する展開となりました。
この日のスタートメンバーの布陣ならシステムの噛み合わせは下記の様になると思います。
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この日の畝傍は攻撃プランを対角への前進ルートを意識している様に思いました。
この攻撃が奈良育英を苦しめる事になったのです。
何パターンか記憶に残っているシーンを書いてみました!
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奈良育英は畝傍のGK、CBへ基本的にハイプレスを仕掛けてくるので、畝傍はこれに対して奈良育英のハイプレスを掻い潜り、底でCB④⑤SB③のボール循環からIH⑩を経由して、左から右へのサイドチェンジでWG⑦へ展開し奈良育英陣内で深さを取りながら、最後は右コーナー深くからのクロスに対してFW⑨WG⑪が走り込んでフィニッシュするパターン!
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インサイドへ絞ったSB②がCB④からの縦パスを受けて、対角へのロングフィードで左サイドへ展開して、WG⑪のサイドアタックからのクロスに対してFW⑨WG⑦が走り込んでフィニッシュするパターン!
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アンカー⑥からインサイドに絞ったSB②を経由した縦パスに、これもインサイドに絞ったWG⑦が受けて、FW⑨へ選手間を通すスルーパスを出すパターン!
アンカー⑥が育英Wボランチをドリブルで固定してから左サイドのSB③へ展開して、WG⑪へのサイドアタックからのクロスに対してFW⑨とWG⑦が走り込んでフィニッシュするパターン!
若しくはSB③からIH⑩を経由してFW⑨へ選手間を通すスルーパスを出すパターン!
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今度はポジショニングで感じたのはアンカー⑥が幅の調整をして、両CB④⑤と両SB②③との間に入る事で、両SB②③が高いポジショニングを取れること!
またFW⑨が幅の調整で両サイドへ流れる事で両WG⑦⑪が奈良育英DF裏を抜けられること!
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一番印象に残ってるのは4人目のMFとしてSB②がインサイドへ絞ったり、FW⑨が中盤に落ちる事で前進するルートを作り、奈良育英の守備を食い付かせる事でゴール前の守備ブロックを崩して、中央からのスルーパスや両サイドの深い位置からクロスを上げていたこと!
特に前半戦は畝傍のボールと人が連動するプレーで主導権を握り、面白い様にパスが繋がり何度も決定機を作っては奈良育英を圧倒するシーンを目撃して、現時点では畝傍の方が絶対に格上のサッカーをしているという事実を今回伝えたいと思いました。
その思いから今回noteを書いているのですが、この様に畝傍の良いプレーが目立った前半戦では、対する奈良育英はシュート1本も打たせて貰えず畝傍に対して何もさせて貰えませんでした。
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何でそんなに押し込まれたのか…その理由は上記の様な前進ルートだったからです。
この日の奈良育英は珍しくロングボールを多用せずボールを繋ごうという意図は感じました。
しかし、それは付け焼き刃的にDFラインだけの循環に終わり、DFラインから前へ繋ごうとした時、左サイドSB③からスタートしてSH⑪を軸に縦へ、中央からだとCB④⑤からスタートしてIH⑥⑧を経由する若しくはFW⑨⑩へ直接狙って縦へ、右サイドからだと右サイドSB②からスタートしてSH⑦を軸に縦へと、本当に狭い幅で縦に急ぐばかりの稚拙な攻撃が相次ぎ、畝傍からすれば守りやすいしボールも奪いやすかったと思います。
◼️新人大会(準々決勝)
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
【ハーフタイム】
奈良育英高校0ー0畝傍高校
【得点経過】#高校サッカー #新人戦奈良
前半戦は畝傍が決定機を決めきれずスコアレスで終わり折り返したものの、ハーフタイムで私はこの前半戦について下記の様なポストをしています。
前半スコアレスでハーフタイムを迎えるも内容的には畝傍が圧倒してた!
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
畝傍は1-4-1-4-1で来てセンター3人⑳⑬⑰にFW⑨SB⑧どっちかが中盤に加わり分厚いので、中盤を使って両サイドの展開もDF裏へのスルーパスと変幻自在でしたね!
惜しい決定機を4、5回作っていたよ!#高校サッカー #新人戦奈良
逆に奈良育英は中盤を経由しないスタイルで、ボールサイドから逆サイドへの展開は皆無で、SB⇒SHやDF陣⇒FWの縦への攻撃ばかりになり、どうして単調になってしまう。
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
決定機もなかった様に思う。
後半は変えて来るのかな?#高校サッカー #新人戦奈良
この前半戦だけを観ると県内王者はどちらのユニフォームなのか?
初めて見る人なら間違いなく畝傍のユニフォームを指していたはずです。
◼️後半戦
ハーフタイムではメンバーチェンジは無かったと思います。
奈良育英も昨季までならハーフタイムでポジションをローテーションして来ましたが、この日はありませんでした。
そして、畝傍に待望の先制点が生まれます。
奈良育英は前半同様に自陣からのビルドアップで不用意に縦パスを付けて来るので、ハーフタイムで指示が出ていたのか畝傍に完全に読まれて、パスカットされショートカウンターから遂に畝傍が先制点を奪いました!
46分に畝傍が育英DFの縦パスを前線でカットしてシュート決めて先制したー!
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
奈良育英高校0ー1畝傍高校#高校サッカー #新人戦奈良
でもちょっと畝傍は先制点を取るの早かったのかもしれません…
リードを守るのに残り30分以上は畝傍にとっては長いかな…と思ったので、勝つにはこの勢いのまま立て続けの追加点が必要だと思いました。
状況としては同じ様なシチュエーションがこのあとも続いて、畝傍が奈良育英陣内でボール奪いショートカウンターの決定機が何度か訪れました。
しかし、畝傍は追加点を奪えないままに時計の針は回り、奈良育英も流れを変えれず小康状態が続きました。
そこで奈良育英は63分にWボランチのポジションに交代選手を2人を投入して来ました。
どっちが先やったかメモに残ってないのですが、この時間帯あたりの前後で奈良育英はビルドアップを諦めたと思われます。
シンプルにゴール前にボールを入れてセカンドボールを回収して、ラッシュをかける戦術に明らかに変えて来ました。
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これは選手権県大会で見せていたた必勝パターンで、なりふり構わずシンプルにゴールを奪いたいという…ある意味プライドを捨ててまでゴールを獲りたい!という強い意思を感じました。
しかし、この日の畝傍のコンディションというかプレークオリティであれば、そんなシンプルな放り込みサッカーが正直のところ通じると思わなかったのです。
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だって前半戦は奈良育英のハイプレスを掻い潜っていた畝傍だったので、ロングボールに対しても上記の様にシンプルに跳ね返して、このまま時計の針を回し試合終了を迎えるのを待つだけだと思っていました。
ゲーム観た人は分かると思うけど60分過ぎまで畝傍が奈良育英を圧倒していたと思うんですよ…
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
何ならあと何点取るかな?って思ったぐらいやし…
交代が両SH2人だけだったから選手層の問題で疲労していたのか…
高校生のメンタルって何かで勢い増したり失速したりと難しい。#高校サッカー #新人戦奈良
ただ高校生のメンタルというのは、そんな簡単なもんじゃなかったんですね…
奈良育英に勝てるという重圧からなのか分かりませんが、畝傍のクリアボールが中途半端に短くなり始め、セカンドボールを回収されるという正に奈良育英の術中にハマった形となり、圧倒的なボール支配から畝傍は突如として崖っぷちの劣勢な状況に立たされました。
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このままだと流れ悪く不味いな…と思っていたら上記の様に、セカンドボールを回収されてから畝傍は右サイド裏を取られて、2失点とも深い位置からのゴール前への折り返しを決められて、土壇場ワンプレーで逆転を許す展開となり最後は奈良育英に屈した形となってしまいました。
◼️新人大会(準々決勝)
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
【試合終了】
奈良育英高校2ー1畝傍高校
【得点経過】
46分:畝傍
73分:育英
80+3分:育英#高校サッカー #新人戦奈良
畝傍は先制してからも決定機を作ってたのに決めきれず嫌な流れになり…奈良育英がシンプルにゴール前にボール入れてプレッシングされると心理的に慌てた感じでした。
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
早く前に蹴ろうという意識が芽生えたのか蹴っては奈良育英にボールを渡していた事に気付けただろうか…#高校サッカー #新人戦奈良
畝傍にとっては、ほぼ勝利を手中にしながら自ら手離したゲーム展開であり、これは奈良育英との経験値の差が出たかもしれません。
最後は奇襲作戦が功を奏して土俵際で踏み止まった奈良育英が準決勝に進出しましたが、現時点での実力値は畝傍の方が完全に上回っていたため、この日の試合だけを見れば奈良育英の方が畝傍をジャイキリした印象しか映りませんでした。
畝傍の良さは対角のロングフィードで逆サイドへ展開できる事だと思ってて、そんな前進ルート使うの他は山辺ぐらい!
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
今日も奈良育英相手にバンバン通して深さを取って押し下げていた。
因みに今大会も奈良育英、生駒、一条、香芝、橿原など県内強豪校とて使わないから…#高校サッカー #新人戦奈良
でも畝傍のプレークオリティが今の段階でこれぐらいあると、インハイ県大会が開幕するまでにもっとレベルを上げられるので、あとは選手層を厚く出来ればと更に盤石になるのではないでしょうか!
もし…このまま奈良育英の戦術が変わらない様であれば、インハイ県大会で再び直接対決となった時には、畝傍が勝つ可能性が高いな…と思いました。
◼️準々決勝その他結果
この試合を含めた4試合の結果は以下の通りです。
◼️準々決勝【結果まとめ】
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
@ナラディーアB
奈良育英 2ー1 畝傍高校
一条高校 3(延長)2 橿原高校
@フットボールセンターB
奈良学園登美ヶ丘高校
1ー2 高田商業高校
大和広陵高校 2ー4 生駒高校#高校サッカー #新人戦奈良
第1試合の畝傍高校vs奈良育英高校の試合が凄くて集中してただけに、第2試合の一条高校vs橿原高校の試合は、ほとんど眺めていただけに終わったので観戦記は省略いたします。
◼️新人大会(準々決勝)
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
【試合終了】
一条高校3(延長)2橿原高校
【得点経過】
12分:橿原
24分:一条
30分:一条
55分:橿原
83分:一条(PK)#高校サッカー #新人戦奈良
そして、準決勝の対戦カードは以下の通りです。
◼️準決勝【1/27(土)】
— ファルコンおやじ (@falcon_oldman) January 20, 2024
@フットボールセンターA
【10:00開始】
奈良育英高校 ー 高田商業高校
【12:30開始】
一条高校 ー 生駒高校#高校サッカー #奈良県 #新人戦奈良 pic.twitter.com/Vt4AzXXwDm
奇しくもBest4の顔ぶれは選手権県大会と同じ高校となりました。
今大会ここまで7試合を観戦して畝傍と山辺のサッカーが良かっただけに、この両校が近畿大会に出場できないのは本当に残念でなりませんが、あと日程は準決勝と決勝しかないので気を取り直して現地観戦していきます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
引き続き、奈良県高校サッカーを追いかけて行くので、ご都合良ければフォロー&記事シェアのほど、よろしくお願いいたします。