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第100回高校サッカー選手権奈良大会決勝前夜

初めてnoteを書いてみる事にしました。要領を全く掴めないので長文ツイートと思ってください。

記念すべき初noteは明日の第100回を数える全国高校サッカー選手権奈良大会の決勝にします。

決勝戦のカードはご存知の通り10年ぶりの優勝目指す古豪の奈良育英と、過去10年で7度目の決勝進出で2年ぶりの優勝目指す新鋭の五條となりましたが、この対戦カードは決勝では初めてかも?

準決勝2試合の録画を見直して感じた事を書き出して、明日はどんなゲーム展開になるのかを考えながら決勝前夜を楽しみます。

まず第1試合の奈良育英ですが山辺戦のスタートフォーメーションはこんな感じでした。

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奈良育英の前半戦の印象はセーフティに行こうという気持ちが出過ぎてるのか、⑩から前の5枚は攻撃的に前に出て、⑲から後ろの5枚は枚数かけてこない山辺に対して下がって守備と言った感じだったので、縦に間伸びして中盤は山辺に対して数的不利となり攻守のバランスは良く無かったと思います。

ただ序盤にCKのこぼれ球を②が拾って即ゴール前に上げたクロスを、フリーの⑬がヘッドで押し込み早々と先制できた事は、山辺がその後すぐにDFライン5バックを4バックに枚数減らした事に繋がり、山辺に5―4の守備ブロックを組まれるとポテンシャルは高い選手達だけに、簡単には得点出来ないと思ってたので育英にとってはめちゃくちゃ大きい先制点でした。

結果論ですがこの日の山辺は3失点ともセットプレーからの失点で、その内2失点はCKだった訳でマンツーマンで守備セットしててもCKから跳ねた後のセカンドボール以降で、ボールウォッチャーになってしまう守備で自滅した感じです。育英は3年主体に対して山辺は1、2年主体という事で若さが大事な場面で出てしまったのかもしれません。

後半になれば山辺は前から人数増やしてプレッシングかけてきたので、育英DF陣と枚数が同数になりだし中盤での数的不利が解消し出したの大きかった。そして後半キックオフして間もなく②がFKをブチ込み貴重な追加点を取ったのだけど、山辺の壁が低くて普通ならヘッドでクリアされてそうな弾道やったのに抜けてそのままゴールネットを揺らして、ほぼこれでゲーム決まった感がありました。

第1試合は風も強かった影響もあったのかお互いロングフィード多くて、あまりボール保持しながらビルドアップするシーンも少なく、蹴り合いから行ったり来たりが多かったので育英に緩急つけたり幅を使った攻撃はほぼ見られなかったです。でも少ないながら中盤フリーになった⑩がボール受けた時や、3点目のCKを取ったシーンであったCB⑧→右SH⑤→FW⑨と繋げた右サイドアタックは育英らしさが出ていたと思います。

次は第2試合の五條についてですがスタメンのフォーメーションはこんな感じでした。

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オーソドックスな1-4-4-2ですが一条に自陣へ押し込まれるとSBかボランチが落ちて5バックにしてたと思います。

序盤から一条がボールを持ち五條がロングボールで対抗という展開でゲームは進みましたが、一条は前プレして五條DF陣をサイドへ誘導して蹴らせてボール回収してたのですが、五條の前プレは単騎駆けで一条DF陣を制限する事なく試合終了まで簡単に中盤フリーでロングの縦パス入れられてました。このあたりは組織プレーを落とし込まれている一条と選手のポテンシャルに任せるプレーの違いが対照的に出ていました。そのため五條は何度も一条ボールホルダーに単騎駆けで突っ込み、味方の選手が誰も埋めていない空けたスペースを一条に使われるという展開で守備に追われる時間は長かったと思います。

しかしゲームの女神は五條に微笑むあたりがサッカーたる所以なのか、五條が左サイドでパスワークする所を一条は2枚でボールホルダーに食い付いてしまい、あっさりボール落とされてフリーで受けた五條②のゴール前に上げたクロスに⑱が上手くヘッドで擦らせてネットを揺らすスーパーゴールで先制しました!

これで一条は動揺したのか、この後も直ぐに五條のセットプレーからロングボールを自陣ゴール前に上げられDF陣が下がり過ぎた所を、五條⑩がポストプレーで一条がスペースを埋めていないペナルティアーク辺りにヘッドでボールを落とし、走り込んだ⑨が超弾道のミドルシュートでネットに突き刺すスーパーゴールを再び奪い結果的にはこれが決勝点となりました。前半ここまでのゲーム展開は一条のものだっただけに一条らしくないプレーで手痛い2失点となりました。

2点リードした五條だけどそれほど余裕は無く、リードしてからもDFラインはズルズル下がり下手したらMFもDFラインに吸収されるシーンもあった。このあたりから気づいたのは五條GKは慎重派なのかゴール前から飛び出さず自重するシーンが多い事で、もしかしたらDFラインを下げているのはDFラインとGKとのライン間にクロスを入れられたくないからなのかも?と思えてきました。

しかし前半このまま2対0の五條リードで折り返すかと思ったアディショナルタイムに、一条はロングスローでボールをゴール前に上げて、これもGKは自重して五條DFと競り合った一条⑤のヘディングボールがポストに当たり、ボールウォッチャーになった五條DF陣を尻目に、こぼれた球を④が拾って再度ゴール前に出したパスを②が飛び込んで押し込み、ハーフタイム直前に一条が1点を返して2対1で折り返す事になりました。

この展開にお互いハーフタイムでどんな指示を出して後半修正してくるのかを楽しみに後半戦に注目していました!

後半に入ると一条は前半と打って変わってボール保持時に緩急をつけだし、対角のロングフィードでDFラインを下げ深さを取り、ボールサイドから逆サイドへサイドチェンジを使って幅も取り出して、逆転に向け更に攻勢かけて前半出来てなかったポイントを修正して来ていました。

逆に五條はDFラインを上げて間伸びしていた前線とのライン間をコンパクトにしようとしてきた感じでしたが、GKの立ち位置はあまり変わらないため今度はDFラインとGKのライン間が広がったので、一条にこのライン間にアーリークロスでも入れられても大丈夫かな?と思って見てました。他も修正された様なポイントもなく前半同様に単騎駆けの前プレで一条にど真ん中の縦パスを何度も許し、自陣でも個人対個人の守備対応に陥り、押し込まれると中盤諸とも最終ラインに吸収される所も改善されないまま後半も終始守備に追われていました。

選手のポテンシャルは互角と思われる中で対照的な両校のハーフタイムでの修正ぶりに指導者の実力はこういう所に出るのかと痛感した次第です。

それでも五條はこの厳しい状態でもポテンシャルの高い選手の粘り強い頑張りで、後半40分間の一条の攻勢を何とか凌ぎスコアそのまま2対1で逃げ切り決勝進出を果たしました。この試合だけで言えば五條の監督やコーチスタッフは選手に助けられたと言っても過言ではないと思います。

負けた一条は後半GK前に前線走り込ませてサイドからアーリークロスを入れるシーンもあれば面白かったと感じたのですが、両サイドへパス通して深さを取ってから折り返すクロスばかりだったのが悔やまれます。

準決勝の感想だけでかなり疲れましたが、この2試合を踏まえて決勝戦はどういうゲームになるんでしょうか…

スタートメンバーは変わる可能性はありますがフォーメーション的には奈良育英も五條も変えて来ないと予想して対面させるとこんな感じになります。

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基本的には両校とも1-4-4-2なのでミラー気味ですが育英のインサイドハーフは縦に並ぶ分、若干ミドルサードではお互い出来るスペースを上手く使えるかがポイントになるかと考えます。

両校の準決勝を見てると前半お互いセーフティに引き気味だったので、決勝戦も序盤はセーフティにローラインにしてロングボールを蹴り込んで来る可能性が高いですかね…

ゲームが落ち着きだすと両校とも準決勝がそうだったのですが、ボールサイドにプレーを終始してたので、決勝戦ここは修正して前へ前へ急いで単調にならず緩急つけながら幅を使ってほしいです。幅を上手く使えたチームがゲームを優勢に進めるでしょう!

育英としては五條の個人技のスーパープレーには気をつけながら、個々で守備対応してくる所のギャップを落ち着いて見つけて、そのスペースを先手先手と走り込み少ないタッチ数のパス交換で前進して中→外→深さ→クロスとゴール前に仕掛けても面白いし、五條のDFラインが上がったらどんどん両サイドからアーリークロスを入れても面白いかも!

五條としては攻撃は個々のポテンシャルで何とかしちゃう所を残しておきたいので攻撃面は何も触らず自由に任せて守備ルールだけ統一しておきたいです。…とは言えこの段階で組織的な守備は無理だと思うのでまずは前プレは単騎駆けになるので止めて、とにかくリトリートして育英に真ん中に縦パス通されない様にインサイドを締めて、ローラインからのパスカットでロングカウンターに徹する。後は押し込めれた時はしっかり最終ラインに吸収されずにブロックを作って育英の攻撃をサイドに誘導してクロスを個人技で跳ね返すのが良いかと考えます。

まぁ実際はライセンス持った指導者が対策を練るのでこんな素人考えみたいではないと思いますが、こんな事を試合前にいろいろ考えながら観戦するとめちゃくちゃ楽しいので皆さん是非お勧めします。

さぁ一夜明けると午後にはいよいよ決勝戦のKICK OFFが待ってます。

両校の選手はせっかくの晴れ舞台を消極的にならず思い切りゲームを楽しんで下さいね!

保護者さんにとっても楽しい決勝前夜でもあります。勝敗ばかりに拘らず選手達のプレーを純粋に楽しんで応援してあげて下さいね!


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