くるりーばらの花

たぶん自分が死ぬときまで、この曲は頭を離れることはないだろう。
自分の「孤独な青春」を象徴する曲だ。

『戦略的モラトリアム』でも後々出てくるが、田舎から飛び出して、東京の専門学校の寮に入った自分は夜勤の警備員のアルバイトを始めて、勉強のやりなおしを誓う。予備校にもこっそり通うための資金稼ぎだ。もちろん受験料も。

早朝5時、こっそり寮に戻るといつもテレビでこのPVが流れていた。テレビ東京だったと思う。

何気なくシャワーを浴びてから眠気を誘うまで、この曲をぼんやり聴いていたが、歌詞の世界に自分の人生を重ね合わせる。誰にも相談できない都会の孤独の下、この曲だけが自分を代弁していた。

♪安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ


抑圧され地元にいたときは、同調圧力が強すぎて、さっさとこの街を出たいと考えていた。出てから、孤独と向き合うようになった。そしてこの曲が少しだけ自分を自立させたと思う。

これからの
人たちに聴いてほしい。味わって召し上がれ。

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》