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ごうかなしょくじ

「貧乏人は豪華なメシの描写が出来ない」
 的な話は定期的に出てくる。

 金持ちの立食パーティのイラストに唐揚げと焼きそばが載ってたとかそういう話題だ。

 有名な芸人だか漫画家が、弟子に「こういうモノを食わないと、こういうモノを表現できない」って言って、コース料理だか満漢全席だかを食わせたって"いい話"は何パターンか聞いている。

 でもまぁ、食い物の豪華さなんて分からないだろう。慣れてないとマジで分からん。
 それは逆にチャンスではある。

 例えば、日本の著名人が「毎朝これ飲まないとね」と言って、何処か遠くの日本から直行便ないだろうって国の、国民的飲料を飲んでいたら「やべぇ、絶対金持ちだ」ってなる。
 じゃぁ、これを日本の適当な飲料――ヤクルトでも養命酒でもいいが――に切り換えたら、一瞬で庶民になってしまう。

 例えば、内陸で塩湖もないような国ならば、塩漬けが無茶苦茶高価な品で、日本から輸入したやっすい塩辛が超高価にやり取りされていて、地元の金持ちだけがパンにそれを載せて食べている――なんて表現だって出来るのだ。

 実際に豪華であるかどうかと言うよりも、どうすれば豪華という属性を付与できるかを考えた方がいい。

 それこそ、「白飯、味噌汁、焼き魚、お浸し」みたいな"伝統的朝食"が、毎日食べられる人は今の時代、それなりに金持ちだろうよ。
 コンビニ飯も、十年ぐらい前が舞台なら、食うものがそれ以外ない貧困を描けたけど、今ならコンビニ弁当が贅沢って人もいるだろう。

 SFともなれば、「上級市民は本当の動物の肉を食うらしい。どっちが野蛮なんだよ」と言う会話も成立するだろう。

 想像しろ! そして、捻り出せ! 創作は自由だぞ。

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