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『放置系クソゲー』と笑えない話
具体的なゲーム名を言う事はしないけれど、ゲーム性の低いカジュアル系のゲームがここ数年頭角を現してきた。
むっちゃ売れているのもあれば、開発費回収ぐらいは出来ただろうなってのもあれば、順当に爆死と言うのもあるので、楽勝コンテンツとは言えないのだろうけれど。(とは言え……の部分は後述する)
ゲーマーが嫌いそうではあるが、それでもヒットしているゲームは売上を維持している。(維持コストも低いだろうからセルラン200位代でも十分な収益が出ていると考えられる)
その原因は何だと問われれば、多くのレビュアーが詐欺広告、誇大広告、下品なプロモーションを挙げる人が多い。
まぁ、実際にヒットしたゲームを模したPV作って、内容はすっからかんって事が多いようだが、それでも一定数課金されているし、ランキングから言えば覇権クラスのゲームもある。
要は続けている人がいると言う訳だ。
広告があるから入ってくる人が多いと言うのもそうなのだが、確かに継続している人がいる。
そう言うもんなんですよね。
ある程度ターゲットを絞っただろうマーケティングと、それに見合った広告戦略と言う側面で言えば、広告の大成功ではあるので、そこを褒めよう、認めよう、そして真似しようというのはそんなに悪い話ではない。
しかしここで気にしているのは、継続的に課金してプレイする人がいると言う問題なんですよね。
否、問題と言うのは考える必要のあるポイントと言う意味での問題だ。
ゲーマー以外からすれば、"ゲーム性"と言うのは、それほど求められるものではなくて、そしてそれほど楽しむべきモノなのではないのかもしれない。
ゲームでのミスプレイや、攻略失敗を、失敗体験としてネガティブな印象を持つ人がいるのかも知れない。
そう言う人にとって、放置ゲーは失敗体験の少ないゲームだし、もっと言えば課金によって成功体験が重ねられるタイプのゲームではある。
まぁ、ガチャ回してそれで強キャラゲットして、それで攻略完了! みたいなゲームは他にもなくはないが、これはその極端な例なのだろう。
そう言う意味でいえば、当初のスマホゲーがポチポチするだけで課金要求されるクソゲーだったと言われるのは、ある程度意味があるし、現在の放置ゲーは正統進化なのかも知れない。
まぁ、スマホゲー(と言うかソシャゲ)全般に言える事ですが、何処にパワーを込めるのかってそれぞれなんですよね。
全方位強いってのはあんまりない。
逆を言えば、ゲーム性は必須とは言えない。
シナリオ面白いけどゲーム性イマイチとか、日課が楽だから続けられているとか……まぁそんな風にして評価されるゲームもあるのだ。
そう考えると、人には人それぞれの最適なゲーム性があるので、単純にクソゲーと呼べるのかどうかだなと感じるしかない。
実際、ゲーム性が高すぎるゲームもクソゲー扱いされるわけだし。
低クォリティ放置ゲーが儲かるのは、開発費、開発時間が少なく済み、それを広告費に充てられて、失敗しても広告を切れば損失少なくて、リスタートしやすいと言える。
大作ゲームはその点リスクが高いし、何回も製作する事ができないと言う問題がある。
それが前者の優位が出てくると言うのは、まぁ十分考えられるし、そう言う解説は幾つも見るけれど、もう少し違う視点で語ってみよう。
これ言うとアレだけど、放置ゲーってゲーマーがやる事は(ほぼ)ないからと言うのがある。
ゲーマーって最近、ソシャゲ課金しないじゃないですか。
それって何かって言えば、セガとかスクエニとかが早期サ終繰り返して、課金するリスクを痛感しているからなんですよね。
一方、昨今の広告打ちまくり放置ゲーって、ゲーマーが相手ではないんですよ。
だからこそ、課金ってモノに対する精神的障壁が、ゲーマーのそれとは違うんですよね。
逆を言えば、それを取り払う工夫を施せば一定数の課金が見込めると言う仕組みなのだろう。
最近は大作スマホゲーのCS(或いは買い切り)回帰があるんじゃないかって言われている。
ウマ娘版くにおくんことハチャウマとか、ハイグリのエクスアストリスとか、今までのソシャゲ運営/開発がsteamなんかに作品上げていく事が増えて行くのではと。
じゃぁ、ソシャゲってゲーマー相手にはオワコンなのか? と言えば、多分そんなこともない。
感度の高いユーザーを惹きつけて、そこで醸成された世界観とかIPを使った商売と言う方向に舵を切っていく可能性は高い。
実際問題、艦これなんかはゲーム誰やってんねんとは思うけど、リアルイベントはやっているし、Yostarはアニメとかにも力入れてるし、ウマ娘もメディアミックスが凄いからなぁ……そうやってIP力の方へと舵を切っていくのかなと。
逆を言えば既存のIPのパワーだけでゲームを続けていくのは結構しんどいのかなと思う。
それで爆死してるソシャゲありまくるし、ドラクエのソシャゲは何本も打ってるけど早期サ終ばかりだし。
勿論、ソシャゲ一本のIPってそんなにないけど、少しずつ旗色が悪くなってきているのはそう言う事情なのかなと。(それこそ直近で明確に成功が分かっているのは呪術廻戦のファンパレぐらいだし)
まぁ、もっと悪い言い方をすると、ゲーム性の低いゲームに惹かれる人も、数年後には現在のゲーマー向けソシャゲと同じ「学習」をするようになるのかなと。
そうなると、新成人、新社会人向けのゲームでこういうことが起きるかもしれないけど、パイが小さすぎるだろうなと言うのは分かる。
結論何が当たるのかはよく分からないけれど、IP系放置ゲーである程度のクォリティのが出てきたら化けるだろうなぁって気はする。
特に、ゲーム(或いは推し活)とは縁遠かった人達向けのコンテンツでそう言う方向の何かはありそう。
りぼんとかマーガレットとかなかよし監修の放置ゲーとか、一定数の課金とかされそうだけど。(課金するのはおっさんだが)