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【一般】オスグッド・シュラッター病:新聞記事「施術の現場より8」

 専門家ではなくとも、この疾患を知っている人は多い。当院に来院される患者でも、膝が痛いという人の半分以上は「オスグッド・シュラッター病ですか」と尋ねてくるほど、メジャーなスポーツ障害である。

 オスグッド・シュラッター病とは、スポーツのし過ぎなどを起因として、膝の皿の下に痛みを発症するスポーツ障害で、運動時や日常生活でも膝の屈伸時の痛みが主訴となる。症状が進行した場合、膝の皿の下の骨が隆起する。細かく考察すると運動における様々な改善点を指摘する事ができるが、一番の主とするところで考えるなら大腿四頭筋(太ももの前部)のコンディション低下が原因であろう。太ももの前部の筋肉は股関節の上部から始まり膝の皿の上で腱という組織に移行し膝の皿の下に付着する。大腿四頭筋のコンディションが低下し、柔軟性を失うことで膝の皿を包む腱の牽引力が強まり、膝の運動時に痛みを出す。この疾患で通院した経験を持つスポーツ選手は整形外科や接(整)骨院で同様の説明をされたことのある方も多いだろう。患部の痛みに対して非常に敏感になっており、その部分に接(整)骨院で行われる電気治療器による電気刺激を直接入れることは痛みを取る上では遅延要素となる。

 しかしながら、ただ安静(放置)していても回復せず、原因を取り除かない限り薬(痛み止め)も湿布も効果の期待値は低い。この辺りは施術者目線の話なので割愛するが、内容としては当然知っている話でもある。痛みを取ることは、各々信頼する整形外科や接(整)骨院の処置の仕方があると思うので議論する気はないが、やはりストレッチなどによる大腿四頭筋のコンディション維持は重要である。

 オスグッド・シュラッター病は痛みの再発がよく起こるので、気を付けて頂きたい。この疾患は成長期のスポーツ障害で、膝の痛みの事を指す。言い換えれば成長期のケガ・膝の痛み、これを指す言葉である。誤解されやすいが、成長痛と成長期のケガは別物であり、もしオスグッドが成長痛であるならば、殆どの人が経験しているが、現実はそうではない。

 それと繰り返しになるが、オスグッドは膝の痛みである。踵のオスグッドや腰のオスグッドなど存在しない。頭痛が読んで字の如く、頭の痛みであり肘の頭痛や肩の頭痛という言葉が存在しないのと同じである。この話はスポーツ医科学セミナー(指導者講習会)で私が講師をする際は必ず触れ、解説する部分なので機会があれば聞いていただきたい。



後記:オスグッドは超がつくほどメジャーな疾患ですが、それに反比例して施術期間は長期化する傾向にあるように感じます。当院ではやり方を知っているのでそれほど時間はかかりませんが、オスグッドを成長痛といってメカニズムを理解していない場合は「付き合っていくしかない」などの無責任な対応になっているように思います。完治をどこに置くかですが、当然ながら骨隆起は元に戻ることはないです。しかし、膝の痛みを考えるなら付き合う必要もありません。成長痛ではなく成長期のケガ(スポーツ障害)ですからね。それと、骨端症をイメージして話をしているのかもしれませんが、オスグッドは膝であり踵のオスグッドや腰のオスグッドなど存在しません。来院した患者様に〇〇整骨院で言われたと聞いた時は絶句しました。そんなこと言う同業がいるのかと・・・なんかね。

スポーツのケガ→スポーツ障害(広義)                 ① 急性外傷→スポーツ外傷(狭義)                      ② over use→スポーツ障害(狭義)


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